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京都「ピースホステル三条」で旅の宿泊について考えてみた

京都で必ず泊まるところがある。格安で快適でここを知ってから、ここしか(ほぼ)泊まっていない。

「ピースホステル三条」

あのトリップアドバイザーでCertificate of Excellence (エクセレンス認証)を受けている評価の高いホステル。

2018年の元旦に宿泊したが、男女4人のドミトリーで3500円@一泊である。(しかも朝食付き)

一般的にドミトリーというと、バックパッカーなどの貧乏旅行のイメージがある。いい歳をした大人である社会人が泊るところではない。

果たしてそれは本当か。

ホテルの語源からみる宿泊の意味

ホテルの語源 とは?| ほ | ホテル観光用語事典 | ホテリエガイドによると

「旅人・客・宿主」を意味する[hospes]で、これから分かれて生じたものに[hospitalis]があり、「手厚いもてなし」を意味する形容詞であった。[hospitalis]の中性形が[hospitale]で、この中世ラテン語が「巡礼や参拝者、旅人のための宿泊所」を意味した。その後、[hospitale]は、現在のフランス語で[hospital]、中世・初期近代英語の[hospital]になった。やがて、sが消え、現代英語でいう[hotel]、フランス語の[hotel]となった。

つまりホテルとは「手厚いもてなし」される「巡礼や参拝者、旅人のための宿泊所」のこと。

レストランの語源はフランス語で「回復させる」を意味する動詞 restaurer の現在分詞 restaurant というように、本質を語源からひも解いてみよう。

ピースホステル三条は、宿泊者の共有スペースをとても快適で広くとっている。

ここまで広いスペースは、最上階のスイートルームでも難しい。(ドバイなどにある5つ星ホテルならわかりませんが)

こんな地図があったり、

こんなスタッフの案内があったり、

京都という観光都市(宗教都市)を参拝する各国の旅人「手厚くもてなし」ている。

しかも寝る場所はドミトリーだが、地下にあるシャワールームは、高級ホテルで使われているシャワーヘッド、しかもレインシャワーまである。

コインランドリーもあり、キッチンも使え、連泊可能。この金額なら1週間泊っても24500円と、一般的な京都のホテルの1泊2日の料金とほぼ同じくらいではないか。

安さということならAirbnbというのもあるのに

(もちろん京都は民泊については厳しい規制があるが)なぜ「ホステル」なのか?

そこで、ホステルとB&B、ゲストハウスの違いみたいなものを調べてみた。

TABI LABOで、Booking.comの方に取材している記事があった。

ホステルは...・低予算型の宿泊施設・ドミトリールームの場合が多い・宿泊客同士の交流の場がある場合が多い

一方B&B(Airbndは一応B&Bからきているということもあり)

B&Bは...・小規模の宿泊施設・オーナーはゲストと同居する場合が多い・オーナーはゲストと設備を共有する場合が多い・朝食が提供される場合が多い

あと、ゲストハウスについてもこう書かれていた。

ゲストハウスは...・小規模の宿泊施設・オーナーはゲストと同居しない場合が多い・オーナーはゲストと設備を共有しない場合が多い・ホテルのようなサービス(24時間対応のフロントなど)がない場合が多い

「ホステル」のポイントは宿泊客同士の交流の場がある場合が多い、である。

今回「ピースホステル三条」では、イラストレーターのタダアキヒロさんの「モシュの世界旅行」というエキジビションをやっていた。

こうした宿泊者以外の交流があるというのも、魅力である。もちろんゲストハウスにもB&Bにもそうした交流は生まれるかもしれないけれど、それは極めて個人的な、つまりオーナーを通じたゲスト同志の交流である場合が多いのではないかと。

あくまでも第三者という、旅人であり、宿泊者同士の交流、というのがポイントである。

誰でも泊れるけれど、誰もが泊れるわけではない

以下の2つのポイントが気にならなければ、「ピースホステル三条」は心地よい宿泊場所であることは間違いない。

1.ドミトリーなので、知らない人と一緒の部屋に泊まる

ここは「ホステル」の基本です。(「ピースホステル三条」には部屋数はちょっと少なくなり、値段もすこし高くなりますが、シングルルーム、ダブルルームのご用意がございます)

次のポイントが実は大きいかなと、個人的には思います。

2.朝食のブッフェを食べた後は、自分でお皿を洗って拭きます

この光景を見たときに、私はこのホステルがとても好きになりました。

自分で皿を洗うことによって、自分の食べられる以上は皿に盛らなくなります。しかも自分の洗った皿をすぐ、使えるように置くので、きれいに洗わないといけません。

まさに「モッタイナイ」精神であり、他人のことを考えることになります。

もちろん人件費の削減という面もあるでしょう。部屋にバスルームがなく、シャワールームが地下に集まっているのも、そうでしょう。

何が宿泊施設にとって一番大切なことか。それは安全で清潔な場所で寝ること。

そして共有できる場所はできるだけ、みんなが使いやすいものにする、という公共精神のようなものを目に見える形であらわしてくれます。

人生が旅なら、本当に豊かにしてくれるものは何か、何に重点をおけばよいのか、そして本当に必要なものは何か。

少し考えるきっかけになってくれました。


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