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「体験拡張プロデューサー対談」企画の背景|未開拓のARナレッジを求めて

9月17日に弊社MESON主催のオンラインイベント「MESON WAVE LIVE #2」を開催します.

今回は「体験拡張プロデューサー対談」と題して、チームを率いて人々の体験を拡張するプロデューサーやクリエイティブディレクターの方々が何を考え、何に悩みながら体験を創っているのかについて話していただこうと考えています.

この記事ではMESONがなぜこのイベントを企画したのかについてご紹介します.​

実はこのイベントは2ヶ月以上前から企画していて、単発ではなく今後シリーズ化して何度かに渡って開催していこうと思っている、MESONとしてもかなり力を入れたシリーズになっています.

何故「AR」ではなく「体験拡張」をテーマにしたか

まずはじめに、何故そもそも今回「AR」のみに絞らず、「体験拡張」とより広いテーマを扱ったのかをお話します.

MESONではこれまで多くのARをテーマとしたイベントを企画してきました. ありがたいことに開催回数を重ねる毎に参加してくださる方々も増え、弊社が主催するARのコミュニティイベント「ARISE」は国内でもかなり大規模なイベントになっています.

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弊社以外にも最近では多くの方々がARをテーマにしたイベントや勉強会を企画し、日本のAR業界の中でもかなり知見がオープンにシェアされるエコシステムが醸成され始めていると感じます.

しかし、我々はこの知見がオープンにシェアされる領域を更に広げるために、このタイミングで「AR」という技術を一歩引いた視点で捉えて、「体験拡張技術」として語っていきたいと考えました.

体験拡張技術の一つとしてAR技術を語る

MESONはそもそも自社のことを「体験拡張企業」と定義しており、ARという技術は人々の体験を拡張するための手段の一つであると捉えています.

体験拡張はデジタルがフィジカルな世界に染み出し融合することで実現し、その手段はIoTやプロジェクションマッピング、ロボティクスなど、AR技術以外にもたくさんあると考えています.

それらは個々に独立したものではなく、時には組み合わせて使われたり密接に関わっていくものです.

AR業界内で知見がオープンにシェアされ、集合知が溜まってきている良い環境が生まれて来た今、「AR」を更に一歩引いて「体験拡張技術」として捉えて語ることで更に幅広い知見を業界に蓄積していきたいと考えています.

体験拡張を志す人々ならば使用する手段や技術は違えど、そのマインドや苦悩は共通しており、他の体験拡張技術への応用もできるはずです.

もちろんイベントの中心軸は変わらずARとして置きつつ、AR業界が更に広く様々な体験拡張技術とのコラボレーションを受け入れていけるきっかけをMESONのイベントで創っていきたいと考え、「AR」から更に広く「体験拡張」をテーマに設定しました.

何故プロデューサーにフォーカスを当てたか

次に今回なぜプロデューサーにフォーカスを当ててイベントを企画したのかをご説明します.

これまでMESONが企画したイベントはARに関わるエンジニアやデザイナーなど、どちらかといえばクラフトができる人々を対象にしたイベントを中心に開催してきました.

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弊社主催のイベントに限らず、いまAR界隈で開催されているイベントはそういったクラフターやクリエイターの方々が対象のイベントが多く、業界としての集合知がかなり溜まってきているように感じます.

一方、ARのアイデアを1から企画したり、プロジェクトを前に進め、社内外とコミュニケーションをとるプロデューサーやクリエイティブディレクターの知見をシェアできるような場はまだまだ多くありません.

イベントでプロデューサーにフォーカスが当たらない理由

ARのイベントでプロデューサーやクリエイティブディレクターにフォーカスが当たらない理由は主に2つあると考えています.

1つ目の理由は知識自体の切り分けが難しいという問題です.

アイデアの作り方に留まらず、プロデューサーやクリエイティブディレクターは様々な観点からサービスやプロジェクトを観る必要があります. 

例えば、弊社のようなクライアント企業と一緒にARサービスを開発するようなスタジオ事業であればどのようにクライアント企業とアイデアの合意を取りながらサービスを企画していくのか考え、コミュニケーションしていく必要があります.

また社内のメンバーとどうコラボレーションして開発を進めていくのか、どのように出来上がるARサービスのクオリティ担保を行うのかなどなど、業務の範囲や種類は多岐に渡ります.

業務の範囲が多岐に渡ってしまうと、プロジェクト内の様々な要素が絡んでしまい、LTなどのような形で短時間で語ることが難しくなります.

2つ目の理由はドメイン自体の歴史が浅く、知識や方法論が確立しきっていない点です.

ARなどの体験拡張技術を使ったプロジェクトはWebやアプリなどのプロジェクトに比べるとまだ歴史が浅いため、方法論が確立しきっていません.

全員が「この方法がなんとなく正しそうだ」と手探りで進めています. 自分のプロジェクトではうまく行ったものの果たしてその方法は他のプロジェクトでもうまくできるのかどうかわからない.

知識として切り出しにくく、切り出せたとしてもうまく知見として他の人々に応用してもらえるかわからない. これら2つの問題により、結果として一人ひとりの中に蓄積された知見がシェアされにくいのではないかと考えています.

未完成の知見こそシェアし、集合知化する

しかし現時点でもその方法や経験は充分に知識として切り出すことが可能で、たとえまだ確立しきっていない知識であったとしても業界に広くシェアすることはとても価値があります.

MESON WAVE LIVE #1 ではMESONとして初めて、プロジェクトを進めるプロデューサー視点から弊社の伊藤がARプロジェクトの不確実性に立ち向かうかについて話しました.

プロデューサーの知見をシェアするのはMESONとしても初めての試みだったので、このような知見が果たしてオーディエンスに受け入れられるのか多少の不安はありましたが、結果的にはオーディエンスからの反響も大きく、かなり好評をいただくことができました.

このようにまだまだ確立しきっていない体験拡張技術を使ったサービスプロデュースやプロジェクト進行の知見を早い段階からオープンにし業界全体の集合知として蓄積していくことが重要だと考えています.

対談を通して共に知識を抽出する

とはいえ、プロデューサーやクリエイティブディレクターが自身の経験を知識として体系化してお話してもらうことはそう容易ではありません.

そこでこのイベントは「対談」に重きを置いています.

登壇者一人ひとりの経験について語ってもらい、経験を抽象化したり深堀りしていきながら業界の集合知に還元できる知識をその場で引き出していきたいと考えています.

MESONはこの対談イベントを通して、開発やデザインのようなクラフトだけではなく、サービスやプロダクトを考えるプランニングや、ARプロジェクト全体を通したサービスプロデュースの知見もオープンにして、AR業界が活発にARサービスを考え、実現できる環境を作る貢献をしていきたいと思っています.

Peatixから無料参加登録

もちろんARではない体験拡張技術に関わる方々や、これから体験拡張技術を使ったプロジェクトに携わってみたいと考えている方の参加も大歓迎です!

対談で話を聞いていくなかでオーディエンスの皆さんからも質問や意見をもらい、議論に参加していただきたいと思っていますので、ぜひ様々な視点を持った方々に集まっていただき、活発に議論を交わすことができたら、主催者としてこれ以上嬉しいことはありません.

この記事を読んでイベントの主旨に共感してもらえた方、内容に興味を持ってもらえた方はぜひ以下のPeatixページからイベントへの参加予約(無料です)をお願いします!

皆さんのご参加、心よりお待ちしております!

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