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稀代の天才ナツコと廻った思い出

こんにちは、きゃわです。

今日はタイトルに付けた私の友人、天才ナツコの思い出を語っていこうと思います。
思い出と言っても大丈夫、生きてます。
天才ナツコは死んでません。


ナツコは私の中学時代の同級生です。
中1、中2と同じクラスでした。

私は小学校3年生まで地元の小学校に通い、翌4年生から卒業までを地元を離れた全寮制の小学校で過ごしました。
残念ながら中学校は東京で通うしか方法がなく、私立なんか行けない財政状況の我が家的に、進学先は通常学区域の中学校です。
セーラー服が苦痛でした。

私が通ったその中学校は、近隣3つの小学校から集まる所で、そこそこ人数が多い学校でした。
私たちの代で5クラス!
そんなにいらん!!

同じ小学校出身の子ももちろん居ますが、いかんせん小3で離れてしまった仲間たち。
絶妙に開いたその距離感を埋める勇気がありません。

感覚的には、幼いころに一度会ったことがあるという親戚に数年ぶりに会うあの感じです。
背中に隠れる親の姿もありません。無慈悲。

顔は覚えてるけど…名前なんだっけな…。
仲間たちは1匹居なくなっただけの奴ですから、大概は私の事を覚えています。
こちとら逆の立場ですから、関係性が希薄であればあるほど、顔はおろか名前なんて覚えていません。

暗中手探りで不安な状況下の私に、何も臆さずゼロ距離までいきなり関係を縮めてきたのがナツコでした。
それもその筈。ナツコは出身小学校が違うため、私がそんな珍獣であることを知らなかったのです。


仲良くなってしまってからは、高速で打ち解けていきました。
お互い部活が違った為、スケジュールが合う日はほぼ毎日のように遊び、テスト前には一緒に勉強し、ナツコ家の家族にもとても良くしていただきました。


ナツコが天才である理由はいくつかあるのですが、図に表すとこんな感じです。

ナツコ>>>>>>>>>>>>>>>>(超えられない壁)>>>>>>常識


一般的に判りやすい単語を用いて説明すれば、
ナツコはTHE☆天然なのです。


紹介したいエピソードは沢山あるのですが、私の前置きが長すぎてしまっているので、今回は1つ出すことにします。

それは中学3年に上がり、初めてナツコとクラスが分かれてしまった年の事でした。
私は3年2組、ナツコは5組だった時です。

5組は個性的な生徒が多いクラスでした。
良く言えば華やか。
悪く言えばまとまらねぇ。
インパクトのあるクラスだと記憶しています。


うちの学年は社会と理科と数学の3つだけ、教師が2人ずついました。
地理・公民の担当と、歴史担当。
理科も科学と化学。
数学は数量と図形。こんな感じです。
担当教師は分かれるものの、クラスで教師が分かれることはありませんでしたので、全員同じ先生からそれぞれ学んでいました。

その日、5組は地理の授業中でした。
地理・公民を担当する先生は、毎回テスト前になると
”一問一答”というワークシートを作成してくれます。
一問一答の名前通り、問が箇条書きで並んだプリントです。
そのプリントさえ完璧にマスターしておけば、テストの85点はカタイ!と言われるものでした。

地理の中でも、その時行われていた授業はおさらいに近い感じで、5組の皆が解いていたプリントは”旧国名・地名”に関するものでした。

(例)問. 東京は何と呼ばれていた?
ヒント: 皇居は○○城 ○○むらさき

こんな感じで問いが並んでいきます。
天才ナツコがその力を発揮したのは愛媛の問題でした。

問. 四国の県。現在の県庁所在地は松山。
ヒント: 柑橘類が有名。○○かん

もちろん答えは伊予の国。
ヒントに入るのもいよかんです。
しかしそれは一般人の回答。
流石はナツコ。そんなチョロい回答はしません。

彼女はさらっと解答欄を埋めます。
優秀、何と言っても天才のナツコです。
上から順に詰まることもなく埋められていく回答用紙。
越後…江戸…甲斐…。
何の問題もありません。

地理の先生も机の間の通路を回りながら、各生徒たちの回答を確認しながら回ります。
答えが判らず困っている生徒が居たら、優しくヒントを追加するなどし、そっと手助けしています。
その甲斐もあり、どの生徒もそこそこ解答欄が埋まって来たその瞬間。


『ちょっと!!
夏井さん(ナツコの苗字)!!

ポ ン って!!!

ポンの国はないでしょう!!!(爆笑)』


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先生の爆笑につられ、一斉に笑いに包まれる3年5組。
何の話か合点がいった数人は、涙を流す程笑っています。

そう、天才ナツコはヒントの”○○かん”の部分だけで
この柑橘はポンカンであると判断し、解答欄に堂々と
「ポン」
と記入していたのです。

地理の先生もまさかの回答に耐え切れず、思わず声に出してしまったとの事。
判ります、判りますよ先生。

仮に回答が判らなかったとしても、日本における旧国名に突然のカタカナ、それもポンが来るとはなかなか考えにくい。
柑橘の○○かんから考えても、ポンカンに直行する奴はそうそう居ないと思います。

まさに理解の先を行く、天才ならではの発想!!


この「ポンの国事件」、地理の先生にとってかなりの面白さと衝撃だったそうで、5組以外に同じプリントを配る際、全てのクラスでこの事件の話をしてくださいました。

聞いた瞬間、「ぜってぇナツコだ」と何故か直感で閃き、本人に確認したところ合っていた為、詳細に知る結果となりました。
本当ナツコ天才、最高。


多分ナツコを知らない人がこのnoteを読んだとて、笑える程のものではないと思います。
しかしながら、ナツコを騙る上でこのエピソードは外せません。


・アジの南蛮漬け事件
・手作り弁当事件
・自転車40km以上の地獄
・空耳スト(あだ名)

天才のエピソードは尽きないのです。
いつかまた天才ナツコの話を書くと思います。
因みに彼女は未だに伝説を更新し続けています。
最高の友人です。



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