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「当たり前のこと」を「当たり前に伝える」ということ。

現在新型コロナウイルスで仕事になんらかのダメージがある同業の方、かなり多いのではないでしょうか。

私の院では、「人との接触の機会をなるべく減らしたい」といってキャンセルになったり、訪問の中でも施設の方は施設自体が立ち入り禁止令が出て3月いっぱいお休みになったり、反対に「在宅ワークになって肩こり腰痛がひどくなってしまった」「仕事の都合がついて昼間に来られるようになった」といって来院回数が増えたり、増減はバラバラです。
訪問専門の方はかなりのダメージがあるのではないかと思います。

今回新型コロナウイルスの件で改めて気づいたこと、実際にあった一例をご紹介します。

新型コロナウイルス対策、何かしてますか?

私は全国一斉休校の要請が出たあたりで、「当院はこんなことをしています」というお知らせをwebサイトに載せました
正直、ほとんどがいつもやっていることです。
「手指消毒をしています」とか「マスクを着用しています」とか。
いつもやっていて当たり前すぎて、こちら側は気にも留めないことかもしれません。

対策を見て「安心したので予約を入れた」という患者様の例

ある日突然新規の方から「今から空いてますか」という問い合わせが来ました。
タイミング悪く私も仕事中ですぐには返せず、また最速2-3時間お待たせしないと予約を受けられない状況でした。
きっとそのような場合多くの方が、今辛いのをどうにかしたいので「じゃあ他当たります」となるでしょう。
しかしその方は「別日にお願いします」と実際に翌日来てくださいました。
また問い合わせの中で、「今まで通っていたところもありましたが、コロナ対策に何も触れていない。顔マクラなど消毒もしているかわからないし、衛生的に怖い」「こちらの院は対策をきちんとされているので安心できたので連絡した」と言っておられました。

その「今まで通っていた治療院」も、おそらく普通に衛生面には普段から気を付けているとは思いますが、一般の方からしたら「どうなっているかわからない」のだと思います。
むしろ「何も言っていないということは、大した対策をしていないのでは?」とすら思ってしまう可能性があるということです。
例えきちんとやっていても、見えなければわからないこともあります。

特に今のご時世、飲食店など衛生面に気を配る業種はもちろん、人が集まる可能性のあるすべての店舗や会場・イベントなどでも「消毒用意しています」などの告知をしているところも多くあります。
そのような状況で、健康に気を配るべき業種の私たちが「もしかしたら何も対策をしていないのかも?」と思われてしまうことは、マイナスに繋がる可能性すらあります。

それは本当に誰もにとっての「当たり前」なのか?

日常生活で、慣れすぎてしまってあえて言うほどのことでもないということは多く存在します。
「電車に乗るときはSuicaが使えるよ」「事前にチャージが必要だよ」ということは、普段乗る人や駅員さんにとっては当たり前かもしれないですが、普段電車を使わない人にとっては「SuicaとPASMOってどっちが使えるの?」とか「何秒タッチすればよいの?」とか「チャージはどこでできるの?」などの不安は尽きないかもしれません。
バスでいえば入り口で支払うのか出口で支払うのか、とか。
牛丼屋に入って「この店は事前会計?食券?食後に払う?」とか、
居酒屋で「お通しや席料どのくらいとられるのかな」とか、
慣れていれば当たり前なことでも、実際に行ってみなければわからない「小さな不安」は身近なことで考えても色々あるかと思います。

「小さな不安」でためらってしまうことはないですか?

上記のような「小さな不安」で何かをためらってしまった経験はありませんか?
私はあります。
特にバスに乗るのが苦手です(笑)
鍼灸マッサージや類似業種も、同じことです。
初めて受ける方には何が何だかわからず、ちょっと怪しげにすら感じる人もいます。どんな内容で、どんな人がやっているのか、何をされるのか…
せっかく事前に情報をたくさん発信できる時代なのですから、小さな不安を取り除いてあげられる情報を発信した方がいいに決まってます。

「当たり前」を片っ端から書こう

たぶんこれは、他の開業に関するブログや書籍でもさんざん言われていることだと思いますが、自分にとっての「当たり前」でも初めての人からしたらわからないことだらけです。
そういうことを、片っ端から挙げて、書くべきです。

例えば鍼灸マッサージなら「どんな鍼を使っています(使い捨てで衛生的とか)」「資格を持っています」「こんな流れで施術をします」「着替えが用意されているか否か」など。かなりたくさんあると思います。

何が「当たり前」かわからなければ他業種の人と話してみる

プライベートの友人などとの雑談で、素朴な疑問をきかれることって結構あると思います。「なんで効くの?」とか「これとこれは何が違うの?」とか。
その時に出てきた素朴な疑問は世の中の9割の人が持っていると思っていいと思います。(言い過ぎかもしれないですが)
少なくとも、自分たちよりは圧倒的に「一般の人」の感覚です。
むしろそれを頼りにすると良いと思います。
あとはもちろん、普段の施術の中で患者さんから聞かれた疑問などもそうです。一番ダイレクトな疑問です。
そのあたりを、まずはたくさん思い出して書き出してみましょう。
それをなんらかの形で発信できれば、これから来るかもしれない新規の患者さんはもちろん、今来てくださっている方の不安の解消に繋がるはずです。

実際に私がやった対策・キャンペーン

悪く言えば便乗商法かもしれませんが、私が実際にやった対策やキャンペーンを少し書いておきます。

≪対策≫
・消毒スプレー等の設置、施術ベッドや更衣スペースなどの消毒、マスク着用、検温、手指消毒の徹底の告知
・出張の際は体温計、血圧計、パルスオキシメーターなどの携帯、可能な限り公共交通機関を使用せずに移動する旨の告知

ちなみに上記はほぼいつもやっていることですがそれを改めて書いただけです。

≪キャンペーン≫
・休校要請から3月いっぱいは、近隣地域は出張費無料、遠方は公共交通機関での実費のみでの出張可
施術可能最短時間を短縮(より安い料金から可能に)

これはとにかく「人に会いたくないけれど施術を受けたい」という方向けに考えた案です。
このあたりがどこまで患者様の役に立っているかはわかりませんが、とにかく「何か力になれないか」と考えたうえでこのようなことをやりました。

過敏になっている今こそできることを

今は場所やその人の情報収集や意識の差もあって、本当に人によって対策も行動もバラバラな気がします。
その中で、不安が強く出てきたり過敏になる人が出るのも当然だと思います。
日々の報道や今後がどうなるかわからない不安でストレスを抱えているのは大なり小なりみんなあると思います。

私たちの職業は医療・健康・介護などに関わり、少なくとも「人の健康に関わる」仕事ですから、今のような状況の時に少しでも頼れる存在であって、心身が辛い方の手助けができればと思います。

そのような治療院が1つでも多くあれば、そしてそれこそ「当たり前」なことしか書いていませんが、これを読んでいる同業の方が少しでも今を乗り越えられる材料になればと思います。

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