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読書レポート『友だちの数で寿命は決まる』

母校(高校)では毎年、他校の高校生・大学生・社会人を招いた公開授業を行なっており、課題図書を設定してその著者を招いて対話する。
2019年は石川善樹さんの著書『友だちの数で寿命は決まる』を課題図書として、「つながり」について語らった。

「つながり」は何をもたらすのか

あなたにとって「つながり」とはなんですか?

パッと浮かんだのは「拠り所」だった。
仕事でうまくいかなかった時、仕事外での「つながり」の中でメンタルを立て直した経験があるからだ。

Fast Alone, Far Togather

『人との「つながり」が最高の健康法』とこの本で言われている所以は、下記3点である。

・運動(外出)を促す
・ストレス解消の手段が増える
・生き甲斐を見つけやすい

「つながり」は拠り所として安心感をもたらすと共に、良い刺激にもなる。
そして、「つながり」がもたらす安心と刺激によって、可能性が広がる

Fast Alone, Far Togather
(意訳:早く行きたいなら1人で行け。遠くへ行きたいならみんなで行け)

多様な視点を得ることで、自分一人では考えつかなかったアイディアを思いついたり、大規模な物事を進めていくことができる。

「孤独」は悪いことなのか

本では「つながり」のポジティブな側面にフォーカスしている印象を受けたが、果たして「つながり」にマイナスの面はあるのか。

「つながり」によって勇気ある一歩を後押しされることもあれば、「つながり」に囚われて踏み出せないこともある
行く手を阻むつながりは、しがらみだ。

そもそも、「つながり」の対義語として想起される「孤独」とは、悪いことなのか。
「つながり」の効用を受けられないというのは、悪い面かもしれない。
一方、独りで冒険することで未開の地を拓くことができる

私たちは 、深く暗い森の中にある村の住民だ。村のはずれには不気味な沼地がどこまでも広がっていて、周囲を暗い森が囲んでいる。
村には昔から言い伝えがあって、私たちは 「この沼を渡るな、この沼を渡って戻ってきた者はいない 」と聞かされて育ってきた。
しかし、村で暮らすあなたには、何か抑えきれない気持ちがある。
遠く目を凝らすと、沼と森の果てに、ほのかな光が見えるような気がするのだ。
青い空を自分の目で見たい。年老いた両親にもぜひ見せてやりたい。
そう思って、あなたは沼に一歩を踏み入れる。
不安や恐怖が頭をかすめ、思わず身がすくむが、それでも、沼を渡り森を抜けたい、青い空を見たい見せてやりたい、と思う気持ちがあなたに歩みを続けさせる。

『リーダーシップの旅』(野田智義 金井壽宏著)では、これが自分をリードするという"Lead the Self"で、旅の第一歩であると書かれている。

何か突き動かされるものがあるならば、まずは自分独りで一歩踏み出してみる(Lead the Self)
ふと振り返ってみると、ついてきてくれている人たちがいる(Lead the People)
その人たちとの"つながり"によって、遠くを目指すことができる
そして、いつしか社会を動かしていく(Lead the Community)

なぜ友だちの数が寿命を左右するのか

多様な「つながり」があれば、そのうちの1つでうまくいかなくても、その他で自尊心とアイデンティティを保つことができる。

Make New friends, but keep the Old.
One is Silver, the other's Gold.

新しいつながりを広げつつ、これまでのつながりも大切にしていきたい。

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