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ジョブ理論

こんにちはeijiです。

本日はジョブ理論という本を読んだのでまとめていきたいと思います。備忘録として書かせていただきますので、内容はお粗末なものとなっております🙇‍♂️🙇‍♂️

より詳しく知りたい方はこちらからどうぞ。⬇︎


■概要

書名: ジョブ理論
著者: クレイトン・M・クリステンセン
発行:    2017年8月1日

企業は年々進化する高機能のツールや、テクニックを使いこなし、かつてないほどの潤沢な資源をイノベーションに費やしているにもかかわらず、どのようにイノベーションを起こせばいいのかわかっておらず、運や感覚に頼っています。
ジョブ理論を使えば、どうして顧客が商品を買うのか説明できるようになり、イノベーションを意図的に起こすことができるようになります。


ジョブとは

ジョブとは「ある特定の状況で顧客が成し遂げたい進歩」です。

抽象的ですよね笑

それではより詳しく説明していきます。

まず、上記の定義を「ある特定の状況」と、「成し遂げたい進歩」について分けて考えてみます。

まず、「ある特定の状況」とは、「今どこにいるか」「誰と一緒か」「何をしている時か」「30分前に何をしていたか」「次は何をするつもりか」そして、ライフステージや、家族構成、財政状況などのことです。

「成し遂げたい進歩」とはゴールへ向かう動きであり、自分が持っている課題を解決することです。

つまり、「ある特定の状況における解決したい課題」のことだと思います

また、ジョブには適切な抽象度が必要です。

解決策が特定のカテゴリに絞られしまうものはジョブとは言えません。

例えば、「本格的だけど低価格のコーヒーが飲みたい」はジョブではありません。これを片付けるための有力候補は、全てコーヒーという製品カテゴリの中にあるからです。

一方「10時から始まる会議の間に空腹を感じないように、小腹を満たせるものが欲しい」であったらバナナ、ドーナツ、コーヒーなど、様々中カテゴリから解決策が見つかるため、ジョブであると言えます。


朝のミルクシェイク


有名な例え話で朝のミルクシェイクがあります。

90年代の半ば、2人のコンサルタントが「どうすればもっとミルクシェイクが売れるか」調査をしました。

観察してわかったことが、午前9時前に1人でやってきた客に売れるミルクシェイクが驚くほど多かったことです。そして購入客のほとんどがミルクシェイクだけを買い、テイクアウトをしていました。

調査を続けると早朝の顧客は誰もが同じ「ジョブ」を抱えていたことがわかりました。

それは「仕事先まで長く退屈な運転をしなければならない」です。

どろりとした液体を細いストローで飲むことで長い時間がかかるため、ミルクシェイクが朝のお供として選ばれたのです。(本書では雇用という)

ここで面白いことが、ミルクシェイクを買う人たちの間に人工学的な共通要素はなく、彼らに共通するのはただ、午前中に片付けたいジョブがあることだけでした。

つまり、

ジョブ理論のレンズを通して見ると、イノベーションの中心にあるのは、顧客ではなく、顧客のジョブである

ということがよくわかります。


ジョブはどこにある?

ジョブはどこにでもありますが、それを認識するのはなかなかむずかしいです。イノベーションの種であるジョブを見逃さないために5つの方法があります。

①身近な生活の中

個人の経験と内省から見つける。

②無消費に眠る機会

無消費に眠る機会を見つける。
無消費とはジョブを解決する最適な手段がみつけられず、ジョブを放置している潜在的な顧客。
いったん市場のカテゴリ内の競争勢力図から離れてみると画期的なイノベーションの市場は遥かに大きいことがわかる。(最大の競争相手にもなりえる)

例えば、エアアンドビーでは、借り手であるゲストの40%は、エアアンドビーがなければ旅行に出かけなかったか、家族の家に泊まっただろうと言った。また、貸してであるホストもほぼ全員がエアアンドビーが出現するまで部屋を人に貸そうなどど思ったことがなかったと語った。

③間に合わせの対処法

ジョブをすっきりと解決できずに間に合わせの策で苦労している消費者に着目する。
つまり、現在の解決策に満足しておらず、あれこれ工夫して自分なりの解決策をつくろうとしている消費者。

④できれば避けたいこと

人々ができれば避けたいと思っていることを見つける。
できれば避けたいジョブは進んでやりたいことと同じくらいたくさんある。それを「ネガティブジョブ」という。

例えば、何時間も待たされる病院にいくこと、混雑した電車に乗ること。

⑤意外な使われ方

顧客がプロダクトをどう使っているのかを観察する。
顧客は時に企業が想定していたのとは異なる使い方をすることがある。

例えば、ベーキングソーダは(重曹)はパンを焼く時に欠かすことのできない材料としてアメリカで使われていました。
しかし、顧客はそれだけでなく洗濯用洗剤に加えたり、歯磨き粉に加えたりと料理用とは違う様々な使い方をしていました。

それに気づいた経営者は消臭スプレー、脱臭剤などの新製品を次々に成功させました。

ジョブ例
・口の中を清潔にし、清涼感を得たい
・冷蔵庫内を脱臭したい
・浴槽の水垢やカビを取り除きたい

感情面の配慮

顧客が生活に引き入れたいと思うサービス/プロダクトを目指すのなら、顧客が求めている進歩の機能面だけでなく、社会的感情的な側面も深く掘り下げる必要があります。

具体例として、P&Gが中国市場に紙おむつを売り込む際の話が面白かったです。

P&Gはおむつ製造の素晴らしい技術と紙おむつを使う習慣のない乳児が何千人もいるという調査によって、中国における成功に絶対の自信を持っていました。さらに、大幅に製造コストを下げ、圧倒的低価格で売り出しました。

しかし、安売りおむつは予測していたように飛ぶようには売れませんでした。

そこで原因を調べていく中で、実際に商品を買ってくれた女性にインタビューをすると「おむつのおかげで夫との睦まじい行為が戻った」と言いました。

どういうことかというと、おむつのおかげで子供が夜目を覚まさなくなったため、ゆっくり眠れるようになった。眠れると、身体も心もゆっくりできる。だから・・・

ここで経営者はおむつによって解決される片付けるべきジョブは、もっと複雑で人間味があることに気付きました。

つまり、性能や低価格などの機能的側面だけでなく、夫婦関係や、家庭生活に影響する社会的側面、人の感情を動かす感情的側面についてもアプローチする必要があったのです。

そこでP&Gは学力を強く重んじる精神風土を持っている中国向けに「夜よく眠る子は頭がよくなります」という感情的にも、社会的にも便宜を訴える広告を使い大成功をおさめました。

ビッグ・ハイヤとリトル・ハイヤ

■ビッグ・ハイヤ:人がプロダクトを初めて買う瞬間
■リトル・ハイヤ:プロダクトを消費する瞬間

顧客がプロダクト/サービスを雇用するときには以上の二つの重要な瞬間があるが、ほとんどのデータが追跡するのはビックハイヤだけになりがちであるため、注意する必要があります。


ビック・ハイヤ

顧客に新しい解決策を雇用してもらうためには、必ず既存の解決策を解雇してもらわなければなりません。その際には二つの力が働きます。

①変化を促す力

・状況を押す力
顧客が解決したい問題への不満

・商品の惹きつける力
商品の魅力

②変化を妨げる力

・現行の習慣
現状に満足はしていないが、今のやりかたに慣れている状態

・変わること、新しいことへの不安

人は損失回避の心情があり、損失回避に働く力は利得の魅力よりも心理学的に2倍強いとされている。

変化に対抗する力が強くても、それを緩和するような体験を用意することができるし、新しい物への以降に不安があるのなら、それを最小化する体験を付随させればいい

ex)
マットレスの買い替え
・10年使い古したマットレスを家の前において処分することが恥ずかしい
→無料回収
・彼女と共有で使うマットレス選びに1人で来てしまった
→90日間無料トライアル


リトル・ハイヤ

商品がうまくジョブを解決すれば消費される瞬間は何度も訪れ、顧客は商品のファンとなりLTVをあげたり、勝手に広告塔になってくれます。

そのためには顧客が商品を雇用し続けたいと思う体験を組み込んであげることが重要です。

体験

アメリカンガールドールの累計販売数は2900万体に達し、売り上げ額は年間およそ5億ドル、アメリカンガールドールの典型的な購入者は総計で600ドル以上を費やすといいます。

どうして数ある人形の中でアメリカンガールだけがここまでの成功を治めることができたのか、

その理由は徹底的に考えこまれた体験にあります。そして、その体験は明確に定義されたジョブに沿ってある必要があります。

プレティーンがアメリカンドールを雇用するのは自分の感情を表に出したり、アイデンティティ、自意識、文化的・人種的バックグランドを確認し、辛いことがあっても乗り越えていけるという希望を得たりするためです。

一方人形を買う親にとっての片付けるべきジョブは、母娘で、何世代にもわたる女性たちの暮らしぶりや悩み、強さについて豊かな会話の機会を持つこと。

アメリカンガールドールは多様な人物像を象徴していて、その数は数十種類にのぼります。それぞれの人形には楽しいことや、辛いこと含め、暮らしの様子が書かれたヒストリーブックがついていて、母親と娘は一緒にベッドの上でそれぞれのジョブを人形とヒストリーブックで片付けるのです。

また、アメリカンガールの直営店を設置し、特別な日に母親と一緒にストアに行くという新しい体験を創出したり、人形を薄紙で巻いてさらに箱を帯状の紙で巻くことで人形を取り出すワクワク感を演出したりと、細かい体験をふんだんに組み込みストーリーを作っています。


まとめ


今まで述べてきたジョブ理論をまとめて、今後の企業分析のためにチェックリストを作ってみます。


①ジョブの特定
□特定の状況であるか

□適切な抽象度があるか(競合が多様なカテゴリ)

プロダクト/サービスが以下の3つの側面に訴えかけているか
□機能的則面
□感情的側面
□社会的側面

②求められる体験の構築

ビック・ハイヤ
□購入時の体験がトレードオフを可能にするものか

リトル・ハイヤ
□使用時の体験が商品を雇用し続けたいと思えるものか


最後に

最後に以上のチェックリストを使って簡単にですが企業分析をしてみたいと思います。

企業はイケアです。

①ジョブの特定

イケアは「明日までに新居の家具を揃える必要がある。明後日からは仕事だから」というジョブを中心に組織を築いたそうです。

□特定の状況であるか→YES

イケアの最大の競争相手は無消費だと思う。つまり、家具は1日では揃えられないと思っている人々です。

□適切な抽象度があるか→YES


プロダクト/サービスが3つの側面に訴えかけているか

優れた品質と手ごろな価格設定
□機能的則面→YES

・託児エリアがあり、子供がいる人でもゆっくり家具を見ることができる
・急な引越しや忙しい人が、1日で家具が揃えられるシステム

□感情的側面→YES
□社会的側面→YES


②求められる体験の構築

・託児エリアがあり、子供を預けてゆっくり家具が見れる
・車で持ち帰れる大きさに分解可能
・即日配達可能

□購入時の体験がトレードオフを可能にするものか→YES

・シンプルな組み立てデザイン
・道具付き

□使用時の体験が商品を雇用し続けたいと思えるものか→YES


以上です。長々とありがとうございました。🙇‍♂️

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