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導入して分かった1on1の3つのメリット・デメリット

【アカウント紹介】
エーピーコンサルティング株式会社は、組織拡大・組織変革フェーズのお客様に対して「人材採用と人材育成を生産的にする仕組み」を提供するソリューションカンパニーです。クライアント企業様の「人の可能性を最大化」させる為に、理念や風土を基軸としたオーダーメイドのプラン設計と徹底した伴走支援にこだわっています。
【筆者紹介】
服部裕太。エーピーコンサルティング株式会社代表取締役社長。新卒1年目で社長に抜擢される。理念共感型の新卒採用コンサルティングサービスを開発し、現在では弊社の主力サービスへと成長。今期からは「DX支援」や「1on1導入支援」など、組織における幅広いソリューション提供にも着手。就活生の支援にも積極的。Matcherにて大学生のキャリア相談や就活コミュニティなども運営。

私たちエーピーコンサルティングでは、2020年から若手メンバーの成長を目的に、週1回1時間の1on1ミーティングを実施してきました。その過程で、社内の育成基準の設計や1on1を行う上司側の教育、実施結果の可視化や1on1の標準化などを推進する活動を行ってきました。

今回は、実際に1on1を導入したからこそ分かったメリットとデメリットについて、弊社の事例をベースに可能な限り具体的にお伝えしていこうと思います。

『1on1って本当に効果あるの?』『ただ工数が増えるだけじゃないの?』というお悩みをお持ちの方にぜひ読んでいただきたい記事です。

下記の記事を読んでからこの記事を読むことをおすすめしています。
"目標管理"ではなく"成長支援"を。弊社が「1on1導入支援」を始める理由について。
AP流 『1on1』 の導入方法

1on1を実施して感じた3つのメリット

①業務の納期遅れ減少と働くモチベーションの向上
1on1を週1回の頻度で実施するようになってから、メンバーが抱えている業務の全体像と実施する上での課題をリアルタイムで把握できるようになりました。その結果、業務上の課題解決だけでなく業務の優先度についてもアドバイスできるようになったことで、業務の納期遅れが大きく減少しました。また、1on1を通して業務の振り返りを行い週次で成果と改善点を可視化することでメンバーが成長・貢献実感を得られるようになったことで、働くモチベーションの波の振り幅が少なくなったように思います。

②業務が標準化されノウハウが社内に蓄積される
弊社のコンサルティングは、チームではなく個人で担当する業務が多く、これまで業務やノウハウが属人化していました。その中で、1on1で決定したタスクをタスク管理ツールに落とし込み、ツール上でタスクの実施フォローを行いました。すると、自然に業務の標準化が進んだだけでなく、各地に散らばっていた業務ノウハウが集約され、業務の再現性が向上しました。

③部下の主体性を育める
部下が「実施前アンケート」を使い、1on1の実施前に相談事項をまとめてから上司に面談を申請するルールの中で1on1を運用したことで、「自分のための面談」という意識を醸成させることができました。「相手の時間をもらっている」という当たり前を再認識させることで、1on1以外のミーティングやクライアントとの打ち合わせ時にも事前準備をしてくる行動変容も見られたため、「実施前アンケート」は最もやってよかったと思う施策でした。

1on1を実施して感じた3つのデメリット

①1on1がマネジャーとメンバーにとって心理的な負担になる場合がある
メンバーの活躍のための1on1という目的を理解してもらうだけでなく、適切な1on1の運営に必要なコーチングやティーチングスキルの習得に向けたサポートがないと、1on1がマネジャーとメンバーにとって心理的な負担になることがあります。

育成スキルに不安を感じているマネジャーは、「正しく部下を導けているだろうか」「部下の本当の悩みを聞けているだろうか」と1on1の実施が億劫になってしまうことがありました。

メンバーも1on1を行う意味を十分に理解してないと、「進捗管理と評価ばかりされてストレス」「1on1の時間を無駄に感じる」と1on1の時間を苦痛に感じてしまうことがありました。導入しやすい1on1だからこそ、導入前の事前準備と実施フォローが効果的な運用に必要だと言うことが分かりました。

②マネジャーとメンバーの認識ズレから効果が限定的になる場合がある
マネジャーは「メンバーの話を聞いているつもり」でも、メンバーはそう思っていないケースがありました。マネジャー側では悩みや考えを聞いてあげたと思っていても、メンバー側では「マネジャーに聞かれたことを報告している」だけで、なかなか成長につながっていないパターンがありました。

また、マネジャーとの信頼関係の深さによってメンバーは心理的に上司や組織を批判することが言えないというのもあります。結果、遠慮や気遣いを抱えながらミーティングを実施することになり、本音が出せずモヤモヤが残ってしまったというケースもありました。

実際に、すべてをオープンに対話できる関係性を築くことは容易ではなく、時間もかかります。だからこそ、会社として心理的安全性を確保できるような仕組みを充実させていく必要性を感じました。

③運用方法を間違えるとメンバーの主体性を奪う可能性がある
「業務やノウハウを標準化し、部下の成長をサポートすることでモチベーションを向上させる」という目的で1on1を運用する中で、反対に成長が鈍化し、モチベーションを低下させてしまうケースがありました。

1on1で毎週やるべきことが可視化され、タスク進捗がツールで管理されるようになったことで、「自分の頭で考えて行動する」という人材マネジメントで押さえるべき基本原則が守られなくなったのです。

1on1がメンバーにとって「成長のためにアドバイスを貰う場所」ではなく「業務を進めるために答えをもらう場所」になってしまい、1on1で決まったことしかやらない俗に言う「指示待ち人間」を作り出してしまったのです。

また、タスクを処理することが目的となり「なんのためのタスクか」という目的が忘れられメンバーのパフォーマンスが低下することもありました。

これらの解決方法は現在模索中ですが、現段階で分かっていることは「会社・部署の目標を明瞭化し、部下の業務を結びつける」、「ストレッチな目標と達成するべき目標の2軸で目標設定をする」ことが課題解決のポイントだと考えています。(こちらについては、別記事で詳しく解説する予定です)

最後に

先行き不透明な社会情勢かつ人生100年時代の到来により、働き手の価値観は今後さらに多様化・複雑化していくでしょう。そのため、これまでの研修や評価面談といった画一的なマネジメントでは、社員のエンゲージメントを高めることが難しくなります。

その中で、1対1の対話で部下の成長を目的として業務・内省支援を行う1on1ミーティングは、「個別化」が求められるこれからの人材育成との相性は良いでしょう。

しかし、1on1を導入するだけでは効果は限定的です。結局は、上司のマネジメントスキルの向上や1on1の目的の浸透、上司と部下の信頼構築など、時間とお金が掛かる解決の難しい課題に向き合う必要があります。

ですが、これらの解決が難しい課題もツールを用いて「仕組み化」すれば、効率的に解決することも可能です。弊社では実際にツールを活用し、自社やクライアントへ1on1を導入・運用しています。

このnoteでは、1on1の導入方法や運用する中で得たノウハウを事例に基づいて発信していく予定です。もしご興味がございましたら、こちらの「お問い合わせ内容(項目)」 の「メルマガの登録」からメルマガ登録が可能ですので、ぜひよろしくお願いします。

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