ミニマリストに憧れて…
ものが少ない暮らし。
モノトーンで統一された暮らし。
すっきりした暮らし。
そんなミニマリストに憧れたのは大学1年生だった8年前のこと。
ミニマリストの本を読んでは感銘を受け、
当時大学寮に住んでいた私は帰省のたびに実家においてきた私物を整理した。
多いときで、45Lの袋が8つも。
集めるのが好きだった文房具は、
使っていないものと使えないものを中心に。
洋服は、着ていて気分が上がらなくなった、よれよれのものやサイズアウトのものを中心に。
こんまり先生のときめくかときめかないかを基準に、とにかく整理した。
けど、結局今の私が辿り着いたのは、当時憧れていたミニマリストではなく、ミニマリズムだった。
辿り着けないミニマリスト
読んだ本の中で紹介されていた世界で1番のミニマリストは、持っていた器を割捨てて、布一枚になったのだとか。
世の中にいるミニマリストを名乗る人たちをみていると、私は到底辿り着けないなと思い知った。
なぜなら、モノトーンよりもカラフルな世界で生きていたいし、長年趣味としている手芸はどうしてもかさばる。それに読書の本も、電子より紙のほうがいいし。
好みやこだわりを貫きたい部分があるだけに、一般的にイメージされるミニマリストにはたどり着けない。
それに「ミニマリスト」という言葉を自分自身で使い始めると、言葉そのものが自分を縛るような感覚を感じた。
「ミニマリストを目指すから、これはいらない。買ってはいけない」
「ミニマリストを目指すならもっと整理しないと!これじゃミニマリストとは言えない!」
そんな風にものごとを決めていると、決めつけたりしていると、ミニマリストという言葉にとらわれてしまう。
そんなこんなで、そうこうしていたら、目指すべきはミニマリストではなく「ミニマリズム」なんだと気づいた。
ミニマリズム
言葉のあやみたいなところは多少あるかもしれないけど、ミニマルな「人」を表すミニマリストとは異なり、ミニマリズムはミニマルな「生活」を表す。
つまり「ミニマルなライフスタイル」
必要なことにはお金や時間をかけ、
自分が無駄、不要と思うことは省く。
ミニマリズムという言葉を生活に取り入れると、自分の暮らしに溶け込んでいくのを感じた。
例えば、こんな具合…
タオルは家に2枚。
洗い替えを含めて2枚。1人で2枚もあれば十分回せる。タオルは頂くことも多いので、自分で買うことはほとんどない。
シャンプーもボディソープも洗濯洗剤もオールインワン。
髪も身体も同じ液体石鹸。洗濯洗剤としても使えるものを見つけたので、全て集約。
その反面、長年の趣味である手芸用品は道具や材料などをストックしている。本棚にも本がびっしり。
それぞれの定義
ミニマリストが悪いわけではないし、ミニマリストという言葉が悪いわけでもない。それぞれに定義があり、それぞれの価値観で定義を見い出せばいいと思う。
ただ、確実に言えることは、「私」のミニマリズムは一つ二役、三役という具合にたくさんの役をもたせることでものを減らす暮らしのスタイル。
好きなことやこだわりたいことはそのまま、制限しない。
ミニマリスト以外のことにも言えることだが、
人はなにかにつけて名前をつけたがる。
無名のものに名前をつけて、それを重視する傾向にある。
人をグループに分けたり、偏見で物事を見てしまったり。
必ずしも自分をカテゴリー分けしなくてもいいのだから、どうせなら人々が作った枠を広げて自分の定義の中で生きていけたらいいなと思う。
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