「すっかり減ってますね」と言った後には「第6波は来るだろうし」と付け加える|10/12〜10/15
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「すっかり減ってますね」と言った後には「第6波は来るだろうし」と付け加える|10/12〜10/15

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事を中心に。土日祝は休みます(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の宣言解除の日から再開。4回目の宣言解除後も(なんとか)続く。

2021年10月12日(火) 自宅

昨日は夏休みの最後の1日を消化する。午前はZoomで係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)に参加。それぞれにリサーチで行った地域やプロジェクトの状況や見通しを報告しあう。失敗を学びに、どう変えていくのか? 各現場で上手くいかなかったこと、危なそうなことを共有するのも係会の役割のひとつ。財団の悉皆研修も多い時期になった。ほとんどがオンラインに移行した。午後は「10年目の手記」についてのZoomミーティング。「かたち」になる話がまとまる。すでにスケジュールに余裕はないことも確認される。プロジェクトメンバーに朗報を送ると、よろこびの声が飛び交う。一言で返したり、スタンプを使ったり、こういう「反応」を交わすのにメッセンジャーのやりとりはいい。
東京都の新規感染者数は77人、1年3ヶ月ぶりに週平均100人を下回る。首相はワクチン3回目接種は「早ければ12月開始、全額公費負担」と発言

2021年10月13日(水) 市ヶ谷→国立

寒い。冬を前に、まだ本気は出さないけれど、心持ち厚着をして出社。市ヶ谷のオフィスでパソコンに向かう。夕方、国立に移動し、ACKT(アクト/アートセンタークニタチ)のミーティング。誰がやりたいのか?(誰のやりたいことを実現するのか?) そして、それは誰がやるのか? どこかと組むならば、相手方に「人」はいるのか? 議論の落としこみで現れてくる、いくつもの問い……。複数の意図をもった組織が「共催」というかたちで事業を進める。それぞれの思惑、利害、目的を擦り合わせるのは大事だけど、それを落としこんで動く現場の動機、資源、方法を合わせて見ていかないといけない。その「調整」の仕事の難しさよ。日が落ちると肌寒さを通り過ぎて、ただただ寒い。
航空会社各社は自分で行き先を選べない代わりに割安かマイル交換で飛行機に乗れる「ランダム航空券」を販売。そういえばコロナ禍の最初の頃にCAがマスクを縫うなんてニュースもあったな……と思って検索するとマスクじゃなくて「医療用防護服の縫製支援」だった……(「ANAのCAらが防護服の縫製支援か 時代錯誤と批判も」朝日新聞デジタル、2020年4月9日)。

2021年10月14日(木) 自宅→豊田

コロナ禍でオンラインに切り替えるなかで、人前で話すときの心づもりが変わった。目の前にいる人の顔を見ながら話題を出すのではなく、画面を介して話を情報化して相手に渡すように伝えないといけない。噛み砕くように、焦らずに話す。映像や音声は途切れるかもしれない。そう思うと、なおのこと自分の話すことを確かめるように話さざるをえなくなる。リアクションはオンラインフォームを使って拾う。去年はフルオンラインになった東京都立大学での非常勤の授業は、そう準備した。その内容をカスタマイズし、今年は対面で行っている(正確にはZoomでも配信しているからハイブリッド)。対面になると、つい雑談をしてしまう。それでも話の骨格は、はっきりしているから脱線も安心してできる。オンラインで削ぎ落とされた内容に、雑談が膨らみを与える(聞いているほうがそう思っているかは知らないけど)。いい感じで仕上がっている。こんなこともあるのかと思う。

2021年10月15日(金) 自宅

長袖か、半袖か。天気は快晴。気温は涼しめ。午前はZoomで、東京アートポイント計画のウェブサイトについてのミーティング。事業の新たなパートナーとなるような人たちに届けるには、どんな要素が必要か。ビジョンやメッセージか、共催という事業の仕組みを打ち出すか。どちらも情報としては必要だけど、どんな言葉を使って、ほかのメディアとどう組み合わせ、展開していくか。まずはたたき台になる素材づくりから。
午後はTokyo Art Research Lab(TARL)にまつわるアーカイブの今後のありかたを検討するためのヒアリング。国立国会図書館の松永しのぶさんに話をうかがう。コロナ禍を経験した後の記録のデジタル化などについて「いま何を議論すべきか」を尋ねる。松永さんも、まだまだ事例は整理中なのだという。話を伺いながら、デジタルデータの保存(流通)における権利処理(クリエイティブ・コモンズなど含め)の議論が改めて必要なことを確認しつつ、デジタルコンテンツのアナログ保存の必要性もあるのではないかと考える。アナログ→デジタルの流動性を高めるだけじゃなく、デジタル→アナログで保存性(残存性?)を高める方向というか……(コロナ禍でデジタルコンテンツが増えた(増え続ける)が、長期保存には依然としてアナログが有効なのだとしたら)。数年前にTARLで藤浩志さんブログを冊子化したことがあった(『「思索雑感/Image Trash」2004-2015ー校正用ノート』)。当時、1990年代後半〜2000年代のアートプロジェクトの資料を集めるなかで、いくつものインターネットの「サービス」が終わっていくのを目のあたりにした。ウェブサイト、ブログ、メーリングリスト、掲示板……運営が終わることで、記録もなくなってしまう。結局、紙にしたほうが残るのではないだろうか? そんな議論を思い出す。
東京都の新規感染者数は57人。7日連続で100人を下回った。すっかり日々の感染者数は気にしなくなってしまった。トップニュースに現れることもない。それでも日々の会話で「すっかり減ってますね」と言った後には「第6波は来るだろうし」と付け加える。自戒をこめて。

(つづく)

▼ 1年前は、どうだった?(2020年の日記から)

▼ Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」。1年前の10月の書き手は、木村敦子さん(クリエイティブディレクター/アートディレクター/編集者)→矢部佳宏さん(西会津国際芸術村 ディレクター)→木田修作さん(テレビユー福島 報道部 記者)→北澤 潤さん(美術家)でした。


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アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。近刊は『震災後、地図を片手に歩きはじめる』(アーツカウンシル東京、2021年)。足しびれがち。