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ライトなかかわりがしなやかな力をもつことがある|1/24~1/28

佐藤李青(東京アートポイント計画)

コロナ禍の日々の記録。平日の仕事中心。土日祝休(例外あり)。2020年の1回目の緊急事態宣言の最中にはじめた日記はこちらから。3回目の宣言解除の日から再開。少し休んで「第6波」から再々開。

2022年1月24日(月) 西大島→市ヶ谷

来年度事業の可能性を探るための現場調査。担当の方にカギを開けてもらい、いくつかの拠点候補を見せてもらう。広さ、設備、床や壁、光の入り具合、入口と裏口、周囲の様子……使いかたをイメージしながら話をする。予定の場所を見終わったあとに「ちなみに……」と言って案内されたところが、結果的に一番よさそうだった。ほかの活動と横並びにならず、それでもって(いい意味で)大きな期待を受けないところがいい。しばらく置き去りにされていたようなところで、何かをはじめるためには最も準備に手がかかるところだったりする。場所を提供する側からすれば、そんな場所を最初の選択肢として提示しないのは当然といえば当然だろう。よくある展開といえばそうだけど、この流れが生まれるための事前の関係づくりは結構大事なのではないだろうか。この点、もうちょい自覚的に動けるといいんだろうな。
せっかく外に出たので、まちを歩いてリサーチをしてから、市ヶ谷のオフィスに向かう。何気なく先日のヒアリングでもらった『桜新町アーバンクリニック在宅医療部 8周年記念誌』を読みはじめる。大変な仕事だからこその楽しめる職場づくり、iPhoneを徹底的に活用した業務遂行と情報共有(カルテに書くことを音声録音し、クラウドで共有→ディクテーション担当のスタッフへ!)、ほかの施設との連携や学びの場づくりなど……その内容にいちいち感服する。自分の日々の仕事を、どう伝えられるだろうか? 読み手をこんな気持ちにさせることができる仕事をしているだろうか?
帰りがけに、やたら具体的なYahoo!ニュースの見出しが目に留まる。

【速報】東京都で新たに8503人感染 月曜日としては過去最多 先週月曜(3719人)の2倍超 重症者は12人 病床使用率は36.7% 新型コロナ

2022年1月25日(火) 市ヶ谷→自宅

午前は係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)。感染者数が急増している状況から年度末までに予定している企画の実施について議論する。とはいえ、感染症対策に追加できることはないため、基本的には変わらず気をつけて実施の方向。ただし、予約制などにすることで、誰が参加したかは把握する。では、どのツールを使って予約をしてもらうのか? 方針だけでなく、落としこみの方法が工夫のしどころ。
群像新人評論賞の渡辺健一郎「演劇教育の時代」、小峰ひずみ「平成転向論 鷲田清一をめぐって」が面白かった。今更ながら、図書館で借りて読む。これを面白いと思う「時代」なんだろうと思う。あぁ、誰かと話したい。
東京都の新規感染者数は12,813人で最多更新。全国も62,612人で最多更新し、前週の2倍となった。数字の上昇は止まらない。それでも、WHOのテドロス事務局長は24日、2020年1月末に宣言した新型コロナウイルスによる「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」について「今年に終えられる可能性がある」と表明。「終了」の目処について言及するのは異例のことなのだという。うーむ、どんなことばを聞いても、これからどうなるかがわからない、という感覚をもってしまう。

2022年1月26日(水) 自宅

終日パソコンに向かう。「GAYA|移動する中心」のZoomミーティング。これまでの活動を踏まえて、次年度の展開を議論する。深く入っていくメンバーとのかかわりはつくりやすいけど、関心をもったメンバーを付かず離れずのコミュニティに育むのには工夫がいる……と、自分で話しながら、そうだよなと思う。活動が独立したとか、自律的な動きとか、活動の継続性とか言いがちな「成果」からはこぼれてしまうけど、実はその一見、ライトなかかわりがしなやかな力をもつことがある。
東京都の新規感染者数は14,086人で、またも最多更新。前週の約2倍、病床使用率は42.8%。都知事が言っていた緊急事態宣言を要請するラインの50%が一気に近づいてきた。ワクチンの5~11歳の子ども向け接種は全額公費負担となる。
今日から福島県富岡町の一部で立ち入り規制が緩和された。東京電力福島第一原子力発電所の事故で帰宅困難区域となった場所。10年10ヶ月ぶりの駐在所再開がニュースになっていた。

夜の森駐在所は、警察官が常駐しないが、パトロールなどの拠点となる。主に任務にあたるのは「ウルトラ警察隊」と呼ばれる、19道府県警と皇宮警察から福島へ派遣されている警察官の応援部隊だ。

立ち入り規制緩和の福島・富岡に、駐在所再び…「阪神」経験の警官「恩返しを」
『読売新聞オンライン』2022年1月27日

記事は中学1年のときに阪神・淡路大震災を経験したことで警察官にあこがれ、東日本大震災後に志願し、富岡町にやってきた兵庫県警巡査部長の話だった。これが「被災地のリレー」なのだと思いつつ、いまだ各地の人たちが「支援」に入らざるをえない現場だということも実感する。

2022年1月27日(木) 自宅→豊田

まずはnoteを更新することから。Tokyo Art Research Lab ディスカッション「災間の社会を生きる術(すべ/アート)を探る」のレポートまとめ記事を公開。ついでに非公開で使っていた「災間」についてのマガジンも公開に設定を変更。今年は、このトピックを、もう一段、あっためていきたい。

オンラインになって遠方の人たちとやりとりがしやすくなった。メッセンジャーのような気軽にテキストベースでやりとりできるツールを使うようになった。どれも複数のメンバーで互いの距離を問わずに物事を動かせるメリットがあるけれど、要所では面と向かって話す場をつくらないと土壇場で感情的にも意思疎通にずれが出たりする。物事の了解の「仕方」には、目に見えたコミュニケーションの情報量が増えたとしても注意を払う必要がある。
都立大の非常勤は最終回。数ヶ月かけて読んだ『あわいゆくころ』についての感想を事前に集めていた。それを読むと、何人かは自分の東日本大震災の体験を思い出していた。今年は東北出身者はいないようだ。
授業の最初の方に、東北出身の祖母のことをコメントに書いている人がいた。いまは都内に住む祖母はよく幼い頃の話をしてくれたが、「震災後、いつもの思い出話の終わりに「地震の後連絡が取れなくなった。きっと死んだな」と付け加えられるようになった」のだという。その言い回しのリアリティが強く印象に残っている。
毎年、小学校の頃にいた福島からの転校生のことを思い出し、コメントを書いてくれる人がいる。今年も数人いた。転校してきた彼/彼女は、どんな気持ちだったのだろうかと考えるようになった。もしくは、どんなことが背景にあったのか、いまになって少し理解することができた、と。この一連の講義が、そう思うようになった一助になったならば、それで十分だと思いつつ、もう一歩、何かできないだろうかとも思う。何をどう踏み込めばいいのかはわからない。何ともいえない歯痒さがある。
東京都の新規感染者数は16,538人。3日連続で最多更新、先週の約2倍。病床使用率は44.4%、重症者は18人。都知事は緊急事態宣言の要請は「総合的に検討」とのこと。全国の感染者数も2日連続で70,000人超え。

2022年1月28日(金) 市ヶ谷

日記を書き忘れる。金曜日は油断して、そうなりがち。完全な文章でなくとも、メモくらい残すもんだけど、この日は全くない。「待機7日」という4文字のみ。家族が感染し、濃厚接触者になった場合の自宅待機日数が短縮された。国(厚生労働省)が基準を変えて、即日で財団の服務規定もそれに合わせることになった。「お達し」の影響力は大きい。

(つづく)

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佐藤李青(東京アートポイント計画)
アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画、Tokyo Art Research Lab、Art Support Tohoku-Tokyo(-2020)を担当。共著に『10年目の手記 震災体験を書く、よむ、編みなおす』(生きのびるブックス、2022年)。