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どんなときも文化の秋はやってくる|10/13〜10/19

緊急事態宣言のなかで始めた日々の記録。火曜日から始まる1週間。仕事と生活のあわい。言えることもあれば言えないこともある。リモートワーク中心。出掛けることが増えてきた。ほぼ1か月前の出来事を振り返ります。

2020年10月13日(火) 江古田→市ヶ谷

3時間超えの原稿依頼と4時間近くの原稿読み合わせ。へとへとのへろへろ。言葉にしたこと、言葉にしようとしたこと、言葉として受け取ったことは、それはすぐに言語化できなくとも身体のどこかに残されているのだと思う。だから、今日は書き記さければならないという焦りはない。
次の言葉にたどりつくための道のりのような会話、動機や人となりを確かめ合うような膨らみのある時間、交歓とでもいうような言葉のやりとり…。どこで会うのか。それも大事なのだろう。どれもがオンラインでは足りないのではなく、それがなければコミュニケーションを交わす意味がないといえるくらいのものなのではないだろうか。言葉を交わす目的や理由がなければ出会えない。それが強まった状況下で失われたものは、思いのほか大きいのかもしれない。

2020年10月14日(水) 自宅

昨日の熱が冷めないうちに原稿に取り掛かろうとしつつも、細々とした打ち返しや処理をしているうちに、あえなく一日が過ぎてしまう。途中、係会(注:東京アートポイント計画のスタッフ定例会)を挟む。いつの間にかZoom開催もあたりまえになった。今年度の取り組みの振り返り、年度内の予定確認、来年度の構想と想定…。毎年度恒例の現在・過去・未来が重なり合う時期になった。どんなときも文化の秋はやってくる。
「9月の自殺、昨年比8%増…女性は28%増」というニュースの見出し。9月は速報値で全国1805人。「自殺者の総数は近年、減少傾向だったが、今年7月は対前年比で増加に転じた。女性は7~9月の3か月連続で600人を超え、7月は15.6%増、8月も40.3%増となっている」とのこと。

2020年10月15日(木) 自宅

朝から黙々と大学の授業の準備をする。取得しそびれていた夏休を使う。今回は『あわいゆくころ』の「一年目」を読んで、気になる一節の引用とその理由を小課題にしていた。授業がはじまる直前までに20本が届く。Wordに転記し、整理する。同じ引用は、ひとつもなかった。Zoomで全部読み上げてみよう…と思ったけれど、途中で挫折する。長くて、声が枯れてしまう。休憩をはさんで、共通のトピックを少し話す。復興の定義を『災害の住宅誌』から、「瓦礫」と「被災物」の違いをリアス・アーク美術館『東日本大震災の記録と津波の災害史図録』から、『災害ユートピア』と「まちが突然、開いた」(鷲田清一)について、キーワードとしての「さみしさ」と⼩森はるか+瀬尾夏美『Kさんの話していたこととさみしさについて』を…。定刻で終了。言い知れぬ敗北感に包まれ、疲労が困憊。また来週!
フランスではマクロン大統領が14日にパリなど9都市で夜間外出禁止令を発布。1日の新規感染者数は2万件以上。春の第1波に続く、2度目の全国的なロックダウン。欧州は第2波によって各国が制限を続々と発表。東京都の新規感染者数は284人。8月20日以来最多。しばらく、ニュースを追えていないうちに状況が変わりつつある。

2020年10月16日(金) 市ヶ谷→自宅

めっきり寒くなった。出社して、オフィスの自販機で缶コーヒーを買ったら「あったか〜い」になっていた。午前にミーティングひとつ。午後にヒアリングをひとつ。在宅に移行し、夜にミーティングをひとつ。すべてがオンライン。

2020年10月17日(土) 自宅

ラジオをかけていたら、道徳の授業に陽性者への差別はいけませんという項目が入ったという話が流れる。真偽のほどをネットで調べるけど、明確なソースを発見できず。

2020年10月18日(日) 自宅

家族で『鬼滅の刃』の映画へ。前売り券で公開初日に訪れることになるとは…。雑誌で連載は完結。単行本の既刊は22巻で、12月発刊予定の23巻で完結。テレビアニメは全26話が放送済で、単行本の7巻冒頭までの話を扱う。今回は8巻までを映画化。つまり、これからも時間をかけて映像化されるんだな、と。多くの人たちがマンガも読んで、結末を知っているのに見るんだろうな、と。結末に向かう道のりを確かめ、味わうように。その当然のような事実を、しみじみと不思議に感じてしまう。

2020年10月19日(月) 自宅

朝から冷える。締切を勘違いしていた案件に、ひやっとする。目に見えた催しが多いわけではないけれど忙しい。作業をしながら「TERATOTERA祭り2020~共生の次代~」の動画を見る。例年はまちなかで展示やパフォーマンス、トークなど多彩な企画を盛り込んできた祭りも、今年は完全にオンラインへシフト。ほかの事業も配信イベントが続いて、動画が増えてきた。ライブで見逃すと宿題が増えていくよう…。残った記録を、どう使っていくのか? アクセスの経路を、どうつくるか? 事後ではなく、事前の設計が大事…というのはわかっているけど、なかなか先回りまで及ばない。

(つづく)

noteの日記は、Art Support Tohoku-Tokyo 2011→2021「2020年リレー日記」のテスト版として始めたのがきっかけでした。10月の書き手は、木村敦子さん(クリエイティブディレクター/アートディレクター/編集者)→矢部佳宏さん(西会津国際芸術村 ディレクター)→木田修作さん(テレビユー福島 報道部 記者)→北澤 潤さん(美術家)です。
東京アートポイント計画の10年を凝縮した『これからの文化を「10年単位」で語るためにー東京アートポイント計画2009-2018ー』がBASEで販売中! PDF版は、こちらでお読みいただけます。


多謝!
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アーツカウンシル東京 プログラムオフィサー。東京アートポイント計画(おもに西側)、Tokyo Art Research Lab(研究・開発が中心)、Art Support Tohoku-Tokyo(東京⇄東北)を担当。ジャーナル「FIELD RECORDING」編集長。運動不足。