見出し画像

急速に気分は解除されてきている|5/19〜5/25

緊急事態宣言のなかで始めた日々の記録。火曜日から始まる1週間。ステイホームのリモートワーク。仕事と生活のあわい。言えることもあれば言えないこともある。ほぼ1か月前の出来事を振り返ります。

2020年5月19日(火) 自宅

終日在宅。雨が降って、気温も低かった。もはや当然のように一歩も外に出ない。だんだんと在宅のペースが掴めてきたけれど、6月1日からはどうなるのだろうか。ペースが読めない。
今日はZoomでミーティングを1本。「TRAC(東北リサーチとアートセンター)」のイントネーションを瀬尾(夏美)さんにつっこまれる。ラック、トラッ…。昨日のZoom会議でうまくしゃべれなかったことを思い出した。在宅とオンラインが続いたことで、以前は使えていたしゃべりかたが出来なくなっているのかもしれないと思う。失われているのは、対面のときにあった「オフィシャル」なしゃべりかた。オンラインではディスタンスのある人(をとるべき人)になかなか出会わない。
これから忙しくなるのではないかという話になる。一度は飛んでしまったかのように思えた予定もいまの雰囲気だと一気に戻ってくる可能性がある。ちょっと前までの「これからは何もできない」という感じが想定以上に早くなくなっていくのかもしれない。
国立の美術館が6月から開館をするというニュースを目にする。Yahoo!のトップニュースには東京都の「アートにエールを!」の記事。動画制作の出演料として1人10万円を支払う。5月15日の個人登録開始日に予定数4千人のところ、1万6千人が申込み。即日募集締切となる。言葉を変えて、いくつものニュースソースから情報が流れてくる。夕方には「東京都の追加補正予算案、アーティスト支援に28億円を計上」のニュースも。今日の新型コロナウイルス感染症対策本部会で提示されたのだという。7days book cover challengeを投稿し忘れた。明日からやろう。

2020年5月20日(水) 自宅

昨日はSlackの新しいワークスペースを立ち上げた。アートポイントではnoteを運用することになった。今更ながらオンラインツールを使いこなせるようになろうとスイッチが入る。厳密に言えばツールを使いこなすというよりは、オンラインを使った働き方を身体化していこうという感覚。同じようで、ちょっと違う。
『新対話篇』を読み終える。最後の柳美里さんと飴屋法水さんの対談が面白かった。柳美里さんの小説も読んでみよう。

2020年5月21日(木) 自宅

終日在宅。C勤務(12時15分〜21時のシフト)。ここ数日寒い。昼から動き出して、Skype、Whereby、Zoomで打合せを連続して行う。Zoomが一番快適に感じたのは使い慣れているからか。
ひとつ目はROOM302のアーカイブセンターの今後について。この状況下で何ができるか。「小さな」プロジェクトの資料が集まっている場所としての優位性を、どう伸ばしていくのか。そもそも、プロジェクトのアーカイブづくりや資料へのアクセス環境を「改善」する方策も必要かもしれない。『便利帖』(『アート・アーカイブの便利帖』)や『キット』(『アート・アーカイブ・キット』)を活用していけるのではないか。話は、これからの(すでにある)デジタル環境のなかで、資料への新たなアクセス環境をどうつくるかに展開していった。たとえば、アンケートのようなリサーチから始めてはどうか。何かを聞くことは、これまでの活動やこれからの構想を伝えることにもつながるだろう。一挙両得の予感。
ふたつ目はASTT(Art Support Tohoku-Tokyo)のウェブサイトの改修について。改めて前提の共有と構成要素を整理する。
みっつ目は「ラジオ下神白」のミーティング。いつも通りに近況の共有から。何を判断基準として事業をしていくのか。アサダ(ワタル)さんから埋まらない溝の話。この状況下で感じる「溝」。それは、どうなっても埋められたという感覚をもつことはないだろう、と。話を聞いていて、それは埋めようとして埋まるものではなく、状況の変化で埋まっていくものなのだろうとも思う。今年度オンラインで数回試みようとしていた「報奏会」(注:報告会と演奏会を交えたような企画名、初回は2018年12月に実施)の時期を決め、状況にくさびを打つようにやってみるのはどうかと話す。変化する状況のなかでは形式を固定化したほうがいい。先がわからないときこそ、刻むリズムだけは決めておく。そんな言葉が思い浮かぶ。これは小森+瀬尾ラジオからの学び。現地に通うタイミングは県境を越える自粛が終わるかが判断基準になるのではないか。暫定的な結論。
福島民報の5月17日付のオンライン記事。福島県は15日に「遊興施設や劇場、商業施設などの休業要請を解除」。感染拡大防止対策を提示。「不要不急の都道府県をまたいだ往来は極力控え、特に特定警戒都道府県との往来を自粛」。期限は31日まで。

2020年5月22日(金) 自宅

終日在宅。今日も寒い。小学校が6月1日から段階的に再開する。分散登校から始まり、6月中旬に通常登校になる。夏休みは8月前半の2週間に短縮。と思ったら、保育園の登園自粛は6月末まで続くとの連絡が来る。対応はまちまち。5月31日を待たずに宣言解除のニュースも出てきた。10万人の人口比率における感染者数は、神奈川県が一番多いようだ。
朝からいろいろと企画書やスケジュールを更新する。Slackのワークスペースも増えてきた。使い方に慣れてきた。
移動する中心|GAYAのオンラインミーティング。こどもインタビューの「失敗」を伝える。レコーダーをオンにして、こどもの話を聞こうとする。話の流れで、おもちゃを持ち出す。絵本の読み聞かせが始まる。兄が乱入してくる…。こどもが何かを語るために使いこなせるものが家のなかにはたくさんある。「聞く」という場が仕切りきれない。家というマルチメディア空間について話す。これは在宅勤務の抱える課題と重なるんだろうなとも思う。生活の空間で「仕事」を仕切る難しさ。そもそも「以前」の生活と仕事の線引きを再考する必要もあるのだろう。
GAYAはサンデー・インタビュアーズの継続意思確認のテキストを確認し、昨年の参加者へ連絡を始めることになる。今年度は「編集局」のようなかたちで動く。6月14日にZoomで集まることから始動。生活工房に集まれる人は集まるかどうか。そんなことを検討する段階になった。リアルな場で集まれるようになったとしても、オンラインの参加も構わないとする。その選択肢が今後は必要になってくるのだろう。共有可能な基準とは別にある人それぞれの「感じ方」にどう向き合うか。

2020年5月23日(土) 自宅

いい天気。李静和『新編 つぶやきの政治思想』を読み始める。小金井(アートフル・アクション!)の宮下(美穂)さんと話をしてると、よく名前の出てくる本。新編が岩波現代文庫から出たばかりだった。詩のような、思索の軌跡が凝縮されたような独特の文体。宮下さんの書く文章への理解が深まる。
髪を切ろうかと予約の電話をしてみるも今日明日はいっぱいで受付できないとのこと。一足遅かった。急速に気分は解除されてきている。

2020年5月24日(日) 自宅

Yahoo!トップニュースに「政府「緊急事態」25日解除へ最終調整 西村担当相「いい傾向」」の文字。明日で緊急事態宣言は解除になりそう。
「福岡における文化芸術関係者の新型コロナウィルスの影響に関するアンケート調査」を皮切りに、高知、福井、札幌、三重で同じようなアンケートが行われている(福岡のアンケートに携わった大澤寅雄さんのFacebookの「パクっていただいた」という投稿を参照)。増えれば増えるほどに全体像もそうだけど、地域の差を比較して見れるようにもなっていくのかもしれない。
同時に気になるのは、この状況下で各地でうまれてきている助成金の申請状況。多数の申請書から、その読み手には地域の実情が見えてくるはず。もちろん、緊急的で特殊な案件かもしれない。でも、それが次の、もしくは「平時」の制度設計にどうつながっていくのか。
公募のいいところは向こうから情報がやってくること。その声を次の制度づくりにいかすサイクルが大事。セゾン文化財団の片山正夫さんが、そんなことをどこかに書いていたことを思い出す。
横浜市文化芸術活動応援プログラム。給付型で対象経費に「活動再開した際に必要な感染症拡大防止策に関するマニュアル作成や研修、備品の購入等、具体的な安全性向上にかかる経費」をカバーする項目がある。さすがに目が行き届いている。
7days book cover challenge用の写真を撮る。スタートまでに7日が経ってしまいそう。明日には、きっと。

2020年5月25日(月) 自宅

終日在宅。今日もいい天気。このまま暑くなるのだろうか。オンラインミーティングはなし。書類の作成や連絡に時間をかける。noteのプロフィール設定など細々した作業をする。18時の首相会見で緊急事態宣言が全国で解除になる。やっと、7days book cover challengeの1日目を投稿する。予定通り、1冊目は『あわいゆくころ』で。

(つづく)