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近くて遠い話

昨今は「年収103万円の壁」という話がよく聞かれますが、私の知る限り、(以前の)住民税担当者には、意味をよく知らない者も珍しくはなかったと思います(私の記憶の書き換えで130万円の壁の話も混じっているかも)。

現在でこそ、年収103万円は所得税の基礎控除額ともイコールになるようですが、以前の基礎控除額が違っていたのもその理由だと思います。

当時、窓口でお客様から質問を受けるうちに、どうやら、「103万円は社会保険に関係する金額らしい」と気がついても、住民税担当にとって社会保険は担当外の話です。

(「担当外の事でも勉強しろ」というご意見もあるでしょうが、何によらず、仮に、今日それを勉強しても、後の改正は、基本的に担当外の者には連絡が来ませんので、知らぬ間に知識が古くなりかねず、軽々に知識を使うこと適切ではないのです。住民とて、わざわざ役所に来てまで担当外の人の話は聞きたくないでしょう。総合病院で内科の相談を外科にしてはいけないのを連想します。)


さらに、住民税担当を困惑させたのは、「収入」という言葉です。

給与は給与支払報告書によって申告されます。給与支払報告書には、①支払金額、②給与所得控除後の金額は載っていますが、③「収入」という記載欄はありません。ちなみに、従業員にとっては④手取りという言葉もありますね。税務ではこれらの言葉の解釈には厳格で、総所得金額、総所得金額等、合計所得金額なども区別しています。

はたして③「収入」は①②④のどれなのか?

なんとなく④は外すとしても、①か②かで悩みます。

①かも知れないと思っても、断定できる自信はないのが普通だと思います。


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