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#ネタバレ 映画「壬生義士伝」

「壬生義士伝」
https://eiga.com/movie/40670/photo/
甘え
2003/3/7 23:45 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

( 映画「たそがれ清兵衛」にもふれています。 )

喫茶店で映画を思い出していたら、この3点セットに気づいた。

「塩むすび、日本刀、部屋」、それは映画の終わり近くのシーンからである。

「塩むすび」は主人公の吉村が妻子を食わせなければならない事に端を発する。言わば「生活」のシンボルである。

「日本刀」は映画の題名にもなった「義」のシンボルである。

そして「部屋」は「心」のシンボル。もう少し意訳すれば、この映画の場合「甘え」の意味である。

思い起こせば吉村はずっと戦ってきた。

始めは妻子を養うために・・しかも、その妻子は金持ちの主人から奪い取ったので意地でもひもじい思いはさせたくはない。

その反面、主人へのお詫びの気持ちもあるから、そこを出るのだろう。その主人とは幼馴染の親友だった。

だから、吉村の旅立ちには、塩むすびと日本刀の世界観が描かれていると言える。

そして、新撰組での新生活が始まったが、そこでも皆に塩むすびを食わせ、自らは両手に日本刀を抜いて義のために戦うのである。

ポスターのシーンはそこを表現している。

この新撰組での生活は会社生活の暗喩であろうか。油断をすれば仲間からも殺されかねない厳しさのある場所。ここにもまた安らぎはない。

そして満身創痍になってやっとたどりついた場所は(あの)親友の家である。

親友は塩むすびと日本刀、そして「部屋」を貸すが、主人公の吉村が借りたのは部屋のみであった。彼は「甘える」ためにここに来たからである。

死の間際に初めて甘えたのである。

男は自らの家庭には甘える事すらできないのか。なんと悲しい存在であろうか。

思い起こせば、映画「たそがれ清兵衛」でも、主人公の清兵衛は恋女房の朋江がいたのにもかかわらず、死に場所を求めて戦に出るのである。

(追記)2022.10.7 ( お借りした画像は )

キーワード「甘い」でご縁がありました。とろけそうに、おいしそうですね。いや、きっと、おいしいのでしょう。少し上下しました。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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