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フレームワークは知らぬと恥だし役に立つ。ただ、それだけでは何の意味もない

フレームワークという言葉はコンサルタントはよく使う言葉ですよね。オンライン広辞苑でこの「フレームワーク」という言葉を引いてみると、枠組、骨組、という説明が書いてあります。広辞苑に出てくるので日本語になっていると言っていいのでしょう。この説明の通りではありますが、さまざまな分析のための枠組みとして使われるものが、フレームワークです。有名なものでは3Cとか、マーケティングの4Pとか、5 Forces (Forces at work)とか、組織の7Sとか、いろいろありますね。

こういうコンセプトを振りかざすとコンサルっぽい感じには見えますし、コンサルワークをしていると、フレームワークをあてはめて何か一通り埋めると分析した感じになって満足感は得られますよね。とりあえずクライアントに見せる1ページ分はできた、という感じになる 笑

ただ一方でフレームワークはそれを使ったというだけでは何の価値もないし、何も生み出しません。複雑な現実世界をフレームワークに基づいて整理することで頭の整理にもなりますが、整理はあくまでも整理。会社や組織がやるべきことは自組織が直面する課題の解決であるはずですが、整理することだけで、課題が解決されることはまずありません。必要とされているものは現実に適用可能な課題解決策です。フレームワークの適用は課題解決策ではありませんし、適用すれば自動的に答えが出てくるようなソリューション自動販売機だったり製造装置でもありません。だから、それだけでは価値はないのです。

フレームワークですが、近年ではウェブで検索することで様々なフレームワークを得ることができます。そして2000年代の初めから言われていたことでもあるのですが、フレームワークを知っていることには、もう価値がない。ネットの時代が始まる前、MBAに行った人も少ない時代のコンサルは、こういう舶来の知識をひけらかすだけでバリューを出すことができたとも聞きます。でも、今はそんな時代でもありません。知らぬと恥、とはタイトルに書きましたが、実のところ知っている、知らない、ということも大したことではなくなってきているのです。

フレームワークを使って何かを整理する、そのこと自体は悪いことではありません。正しく現状を捉え、課題がなんであるのかをわかりやすく把握する、そのための枠組みがフレームワークです。課題解決は、正しい課題の認識から始まります。そのための一歩がフレームワークになるということですね。だからそういう視点で使い倒せばいいだけなんです。

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