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モーツァルトの一日

"Glenn Gould plays Mozart: The Piano Sonatas (No. 10: Recordings of 1958 & 1970); Fantasias K. 397 & K. 475; Fantasia & Fugue K. 394; Piano Concerto No. 24 K. 491"(Sony Classical/2012)

グレン・グルードと言えばバッハだと思うのだがその代名詞ともいうべき『ゴルトベルク変奏曲』は以前付き合っていた彼女がよくかけていたアルバムで彼女が臥せっている姿を思い出してしまいよい印象がない。神経症タイプだったのかな。完璧主義みたいな。スキゾ・キッズというやつですな。自分はどっちかというとパラノ(イア)のようだ。

クラシックは聴くけどそれほど積極的でもなく、やはりジャズから入ったからそんな感じですね。バッハはジャズ・ミュージシャンも取り上げているのだがグルードのバッハは(というか『ゴルトベルク変奏曲』しか聴いてなかったんだ)苦手のイメージが根付いてしまった。唸り声とか高速パッションとかバド・パウエルに似ているというのだが、パウエルはもっといい加減の良さがある。息苦しくはない。バッハが息苦しいのかグルードの演奏が息苦しかったのか、まあ一番は彼女が息苦しかった(お互いに)ということになるのかな。

そんなわけで今日はモーツァルト・デーにしようとピアノの全集をいろいろ聴いていたのだがグルードのモーツァルトがもってのほか良かった。疾走感というのか、モーツァルトも天才じみてそれほど好きでもないのだが、マイナス×マイナスでプラスに作用したのか、グルードも他のピアニストとはかなり違って自由奔放にやっているみたいですね。

そのへんがいいのかな。まあ真剣に聴いたわけでもなく一日聞き流していたのですが、やはりグルードのモーツァルトはいいということになりました。モーツァルトは短調の曲が少ないのですが、それを聴き比べてみると違いがよくわかる。


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