鳥海修、髙岡昌生、美篶堂、永岡綾(2019)『本をつくる 書体設計、活版印刷、手製本 職人が手でつくる谷川俊太郎詩集』河出書房新社

紙の本はなくならない。

本書を読んだあと、くっきりとこころに浮かんだこと。
わたしは元々紙の本が好きだ。
活字を留めておく形態としても、あのつくりの物体としても。
どれほど電子書籍が浸透しても、紙の本をつくると儲からなくても、ずっとずっと紙の本がなくなることはないと漠然と思っていた。

その気持ちを縁取ってくれたのが本書だ。

手に取った時はどのような本かわかっていなかった。
装丁が好みで読もうと思った。

頁を捲るごとに、本作りに関わっている方々の思いにのめりこんでいった。
職人たちが、それぞれの分野でそれぞれができる限りのことをした結果、谷川俊太郎さんの詩集ができあがっていく。その過程を垣間見ることができて、とてもしあわせな思いがした。

普段気が付かぬ間に、本作りに携わっている方のおもいにふれて、本を手放せないのかもしれない。

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