見出し画像

自閉症スペクトラム 診断

小学一年生の娘に 自閉症スペクトラム の診断がおりました。

娘は普段何気なくすごしている分には何も問題のない
むしろ世間的にはとてもいい子なのですが
感覚も心も人より敏感すぎるところがあり私たち夫婦は困惑する場面が多々ありました。

二歳になる前から通っていた保育園でもとてもよい子で問題行動はなく気になることを相談しても「大丈夫」と言われてきました。

小学校に行きはじめてから朝毎日癇癪と登校しぶりで毎日遅刻していたこと以外は特に問題はなく、友達とも仲良く遊んでいるし学習もよくできていると担任の先生にも太鼓判を押していただいています。

でも親としてずっと引っ掛かっている「何か」がありました。

親族に娘と年の近い自閉症の子供がいるのですがその子と過ごす機会が多い私は娘をその子と無意識に比較していました。自閉症を持つその子の行動は確かに手がかかり、親の苦労は計り知れないと感じます。だからそれに比べれば「うちの子は一般的な子だ」と思っていまいした。
周囲にも同じように言われていました。

でもやっぱりどこかこの子には「何か」があるとひっかかっていました。


小学校入学の前、事情があって急な引っ越しをすることになり生活が一変しました。さらに入学してすぐ保育園から姉妹のように仲良くしていた子が突然転校するということがありました。
お友だちの引っ越しなんて学生時代にはよくあることです。
でも娘はその変化に心が追い付かなかったようで特に学校へ行くことに不安を感じ始め登校しぶりが激しくなりました。


一学期は毎朝毎晩親子バトルでした。
朝も無理矢理起こし怒鳴り合いながらお互いに罵声を浴びせながら号泣しながら登校していました。

帰ってからも些細なことでキレる娘に私も対応しきれず,
どんどん親子関係も崩れ私に毎日悪態をつき、時には手をあげられ物を投げ始め 娘は自分のことを
「私は悪い子。どうせ死んだほうがいいんでしょ。いなくなってほしいんでしょ。」と言い始めました。

そして壁に頭をぶつけたり、自分の体を拳で殴るなどの自傷行為が始まりました。


どうしてここまでして学校に行かなければならないんだろう。
私も娘も壊れる寸前でした。
学ぶことは大事だけれどこのままでは学びを生かす前に二人とも消えてしまいそうでした。


夏休みに入って学校というプレッシャーが減って娘との関係は一旦落ち着きました。
やはり学校という環境に負担を感じているんだと思ったので休み明け先生に「朝無理強いして間に合わせるのをやめ、本人のペースに任せて登校させたいので遅刻を容認してほしい」と願い出てみました。

本人の自己肯定感が低くなってること、私の精神も限界に来ていることを感じてくださっていた先生は「大丈夫です。焦らず頑張りましょう。」と言ってくださいました。

おかげで毎日遅刻三昧で学校にもご迷惑をおかけしている毎日ですが一学期ほどの混乱は起きず、親子関係も改善してきました。


やっぱり小さい頃からこの子に感じている「違和感」は専門的な対処をしてあげなければいけないものなのだろうと思ったのです。そして方々に相談してやっと療育にむけた検査を受けました。


そして結果、「間違いなく自閉症スペクトラム」であると診断してもらえました。


心からホッとしました。
「普通なのに普通にできない子」ではなくなったのです。

娘と私たち夫婦の努力が足りないだけではないんだ、根本に人とは違うものがあるのだから「一般的」な対応でうまく行かなくても仕方がないんだ。と割りきることができそうです。


先生にお話を聞いていて印象的だったこと。

自閉症スペクトラムといっても個々程度の差はあります。
私には療育の施設は重症な子が受診するもので軽度の子は親の対応次第だという考えがありました。

でも本当は軽度の子ほど早いうちに、軽度なうちに対応が必要だということ教えていただきました。
一般的な病気と同じです。早期発見、早期治療です。
発達障害は重度に近いほど周囲はその子の特異性に気づき自然に対応をしてくれます。
でも軽度でパッと見では何も問題を抱えているように見えない、いわゆる「グレーゾーン」の発達障害の人は支援を受けられず不適合な環境で適応するために個々で奮闘しなくてはいけなくなります。

そうしているうちにどんどん症状は重症化していき

不登校 ひきこもり うつ 社会不適合 そして最悪の場合自死をも選ぶ人生となっていくそうです。

発達障害は生まれながらの障害(特性)ではありますが環境次第でその都度軽度にもなるし重度にもなるということも教えていただきました。

つまり今酷くなっていてもまた改善することもできるし逆もありうるということです。

今まで娘は気付かないほどの軽度の特性で済んでいたものが不適合な環境(今回は学校という環境)に無理に適合させようとしたために混乱し、症状(特性)がひどくなってしまった状態と推測しました。

ここで適合できる環境を整えてあげればまた落ち着いた生活が送れるということでした。


私は子供たちに「普通」は求めていません。
もし最悪学校が合わないとなったら学校に行かないという選択肢も選ぶつもりです。

先生にも将来的にそうなる可能性は否定できない、その時は学校でない「居場所」を探してあげればいいんですからね。と言われました。その時はどんなに負担がかかっても他の方法で「居場所」を用意してあげようと思っています。
子供に望むのはただ毎日「笑顔」で生き生きと生きて欲しいそれだけです。

今発達障害への対応も盛んに行ってもらえる時代になっています。
ありがたいことです。

診断という一区切りがついたことでこれからの生活に少し光が射しました。
娘の人生が良いものになるようこれからも一緒にがんばっていこうと思った今日です。


余談ですがひきこもりや不登校の方の4割程度は元々何らかの発達の問題を抱えている人達だという統計があるそうです。
その問題に本人も親も気づかずに成長し不適合な環境で無理をしてきたことで二次症状として社会に適合できない生活になってしまっているという人が今現実に大勢いるということです。

(実は私自身もその一人ですが。。。笑)

重度な障害の方のケアはもちろん必須です。
ですが見過ごされるほど軽症な人に対応がされていないことも大きな問題なんだなと思いました。グレーゾーンであるほど適切な場所に相談をし適応できる環境を見つけてほしい。今、生きることに困難を抱えている人に身近な誰かが手を差し伸べてほしい。

お節介な私はそんな世間にまで思いを馳せている次第です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?