青田平助

(故)青田チヨ子の夫

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(故)青田チヨ子の夫

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    • ある日、ガン患者になりましたの続き

      妻が書き遺した白血病闘病まんが、『ある日、ガン患者になりました』の続きを、私が文章で綴ります。

      • ある日、ガン患者になりましたの続き

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    亡き妻が遺した作品です。 https://cakes.mu/posts/26478

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      • ある日、ガン患者になりましたの続き17

        いつまでも未練に思うこと。 いま闘っている方々には、私と同じような後悔をして欲しくないと思っています。 妻を守るためにできたはずのこと妻がベッドから落ちたあの日、もしかして仰向けで寝ながらiPadを持ち上げて使っていたのではないか。 そのiPadが何かの拍子に妻の頭に落ちてしまったのではないか。 私は仰向けでスマホを持ち上げて使ってる時、誤って自分の頭に落としたことがあるが、スマホでも相当痛かった。 iPadともなると相当な衝撃じゃないか。 そうすると血小板がゼロ

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        • ある日、ガン患者になりましたの続き16

          ひとりの冬私にとって、 2018年から2019年にかけての冬は、人生で一番、人と愛し合った冬でした。 2019年から2020年にかけての冬は、人生で一番、長くて辛い冬でした。 私が30歳になる日は、人生で一番辛い誕生日でした。 2020年になって、春が来ても辛い。 長い冬を抜けて、待望の暖かい空気が来ても、花が咲いても、妻はそれを感じて、見ることができない。 私はその暖かい空気や花の朗らかな雰囲気を、ひとりで味わい感じなければならない。 いや、奥さんは感じてるよ

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          • ある日、ガン患者になりましたの続き15

            妻が昏睡したことは、高校同窓会のグループLINEに送った。 妻と私は高校で3年間、同じクラスだった。 私たちがいた英語科は他の普通科や理数科と違って1クラスしかないので、クラス替えがない。 担任の先生も含めて42人(転入生1人含)、3年間同じクラス。 グループLINEには30人以上入っていた。 何人かの友達はお見舞いに来てくれた。 ICUには家族しか入れないし、そのことを伝えても来たいということだった。 とても嬉しかった。 3日間泊まり込みで、肉じゃが作ってく

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            • ある日、ガン患者になりましたの続き17

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              • ある日、ガン患者になりましたの続き16

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                • ある日、ガン患者になりましたの続き15

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                • ある日、ガン患者になりましたの続き

                  • 18本

                  妻が書き遺した白血病闘病まんが、『ある日、ガン患者になりました』の続きを、私が文章で綴ります。

                • ある日、ガン患者になりましたの続き

                  • 18本

                  妻が書き遺した白血病闘病まんが、『ある日、ガン患者になりました』の続きを、私が文章で綴ります。

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                  • ある日、ガン患者になりましたの続き14

                    このシリーズは書くのが辛くなってきているので、文体も体裁もまとまりませんが、ご容赦ください。 お義母さんと一緒に病院に行った。 何時間かぶりに再開した妻の目には、乾燥を防ぐために布が被せてあった。 布を取ると、まぶたが腫れていて目が閉じきれず、生気のない両眼がどこでもない場所を見つめている。 ごめんね。頑張らせてしまって。 いつも頑張ってくれてるのに。 また一緒に笑えるといいな。 一緒にきたお義母さんはずっと泣いていた。 (8か月たった今もきっと、大阪の妻の生

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                    • ある日、ガン患者になりましたの続き13

                      医師の説明を聞く。 「脳の血溜まりを取り除きましたが、損傷が激しく、生命を維持するのも困難な状態です。正直回復するどうかも、どれだけ保つかどうかもわかりません。回復したとしても、何らかの障害は高い確率で遺ると思います。」 意味がわからなかったので聞き流しました。 ドアをくぐり部屋に入ると、変わり果てた姿になった妻がいた。 全身がむくみ、両目は閉じきらず、口は呼吸器を咬えさせられて曲がっている。 頭は切り取った頭蓋骨を載せているだけの状態らしく、青い布で軽く覆われてい

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                      • ある日、ガン患者になりましたの続き12

                        妻が寝ているはずのクリーンルーム。 なんで23:00に私がひとりでここにいるんだろう。 ビニールカーテンの区切りがなくなり、私が妻のベッドに触れることができる。 こんな状況があってはならないはずなのに。 信じられず、現実かどうかを疑い続けました。 iPadだけ回収し、クリーンルームから出て待合室のベンチに横になる。 眠る気にならないので、妻がさっきまで触っていたiPadを開いてみる。 妻が描いたイラストが壁紙になっている。 パスコードはふたりの結婚記念日をやや

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                        • ある日、ガン患者になりましたの続き11

                          開頭手術は22:00から5:00まで行われました。 その間、私は病院の待合室で待っていました。 妻はクリーンルーム(無菌室)からICU(集中治療室)に移ります。 妻の日用品等のほとんどは、ICUでは不要になります。そのため、クリーンルームにある妻の物を回収しに行きました。 さっきまで妻がいたベッド。嘔吐した跡があり、まだ少し、暖かい。 その暖かみを感じるために、しばらくベッドに頬を埋めていました。 またふたりで抱き合って、肌の暖かさを感じ合える時が来るといいなと思

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                          • ある日、ガン患者になりましたの続き⑩

                            一生の後悔面会時間は20:00までなのに、その日は18:00までしかいなかったことを、私は今後永遠に後悔します。 妻は「ありがとね」と言って、ウトウトと仮眠に入りました。 妻の安らかな睡眠を邪魔することはできないし、そのまま起きるのを待っていてもな、と思って帰路につきました。 いつだって、誰だって、特にこの部屋で処置を受けている以上なおさら油断できない状況で、明日生きてるのかどうかもわからない。 そのはずなのに、私は帰ってしまった。 あの時帰らなければ、少なくともあ

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                            • ある日、ガン患者になりましたの続き⑨

                              ある日の朝7:47、クリーンルームにいる妻からLINE通話がかかってきました。 「Apple Pencilそっち(家)にない?」 という内容でした。 またまんがを描き始める余力が出てきたのでしょう。とてもいい兆しでした。 他にも欲しいものがないかどうか聞き、結局みかんジュース、爽健美茶、赤城のBLACK(チョコアイス)、Apple Pencilを揃えて病院に向かいました。 妻は、「ども」と言っていた気がします。 アイスを笑顔で食べ、みかんジュースを美味しそうに飲ん

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                              • ある日、ガン患者になりましたの続き⑧

                                造血幹細胞移植の処置が終わって、とにかく安心したかった私は、 「妻はもう助かったんだ。」 と自分に言い聞かせていました。 浮き足立って主治医にも、 「妻は助かりましたか?」 などと聞き、 「移植自体は終わりましたが、これからも油断はできない状況です。」 と言われたにもかかわらず、移植が終わったことばかりにフォーカスし、今後のことも楽観視していました。 移植が終わり、妻が生まれ変わった次の日、妻は少しだけ口がきけるようになっていました。 実はこれって毎回ものす

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                                • ある日、ガン患者になりましたの続き⑦

                                  ドナーの方へ移植の日は妻の第2の誕生日ですが、その日を公にすることはできません。 それをすると、(不要なことではありますが)ドナーの方が御自身を責めることがあるかもしれません。 間違いなくドナーの方は、妻にとっても私にとっても救世主です。妻もそう言っていました。 本当に、ありがとうございました。 移植当日移植当日も妻は副作用で苦しみ、一日中吐き続けました。 吐くものがなくなっても吐き気が止まらないため、胃液を吐いていました。 吐いては私の方を向いて横になり、うつろ

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                                  • ある日、ガン患者になりましたの続き⑥

                                    移植数日前になるといよいよ、移植専用のクリーンルームに移ります。 この部屋は大きく分けて2つの空間に分かれます。 奥側が妻が居る完全無菌の空間。 手前側が私が入ることができる前室。 奥側と手前側は分厚い透明のビニールカーテンで区切られており、私と妻は姿と声は認識し合えますが、物の移動や接触はできません。 妻の首には点滴が繋がれ、今までにない数の機械がその点滴を管理していました。 医師と看護師は全身をビニールのエプロンや帽子、手袋、マスク等で覆ってから奥側に入ります

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                                    • ある日、ガン患者になりましたの続き⑤

                                      お久しぶりです。 記事を書くことができる心待ちになるまで、時間がかかりました。 色んな場所に行って、色んな人に会いました。 一時は私も元気を取り戻したようになったけど、やっぱり忘れはしないものですね。辛いです。 何が辛いって、妻がいないことが辛い。辛すぎる。 いないんですよ。妻が。家にも、病院にも、スーパーにも、コンビニにも、珈琲屋さんにも、ボードゲームカフェにも、駅にも、その辺の道にも、職場にも、実家にも、何処にも。 そういえば白血病がわかる前は、私が仕事から帰

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                                      • ある日、ガン患者になりましたの続き④

                                        NHK取材について書きます。 NHK総合『ひとモノガタリ』という番組の、『“がんになって良かった”と言いたい~京大生のSNS闘病記~』という回に出演しました。 初回放送は妻の死後、 2019年9月16日(月)18時05分(34分) で、反響の声が多く10日も経たぬ間の 2019年9月24日(火)24時40分(34分) に再放送されました。 妻のTwitterアカウントとまんがが紹介されたため、500人だったフォロワーが一気に2000人に増えました。本人が知ったら

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                                        • ある日、ガン患者になりましたの続き③

                                          iPadとApple Pencilを手に入れた妻は、 「これ私の大切なもの!」とはしゃいで、その日一晩中試行錯誤して絵を描いていました。 いくら元気とは言え、妻は仮退院中なので時間通りに寝て欲しかったのですが、言うことを聞くタイプではありません。 そしてレイヤーという概念や写真のトレースなど、色々なやり方を覚えては、「楽しい!」と喜び続けていました。 仮退院中も通院を週1回程するのですが、その通院中も、食事中もiPadにかじり付いて狂ったように絵の練習をしたり、まんが

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