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「あなた」になりたかった


いつも元気ねって言われる私でも
作り笑さえ出来ないときがある

街はずれの秘密の場所へ出かけよう
いつもの優しさと正しさがそこにはある

見慣れないドアが迷う心に開けてごらんと誘ってる
ノブに手をかけると鍵はかかっていなかった

知らない場所、初めての景色
親密な空気の中「あなた」は、いた。

届いた手紙が自分宛じゃないことに気づく
ぱたん
乾いたドアの音が全てを閉じた

君の「あなた」になりたかった
—— 鍵がかかっていればよかったのに

子供の頃に見た夢は
白い雲に乗り世界をまわる冒険旅行

君は、どんな夢を抱いたのだろう

科学者は言う
人は知りたがる生物だ

知らなければ夢を見続けられるが
知ったあとでは雲の中に飛び込めない

君の「あなた」でもう少し夢を見ていたかった

悲劇だか喜劇だかもう訳がわからない
——この素敵な世界で


勘違いで誰かに迷惑をかける事が時々ある。
いつも大事な事はちゃんと確認するのだけれど。
誰とでも繋がれるこの時代に、手段が無いなんて。コントだね(笑)
ひとこと謝りたかったんだ。
ごめんね。
何も知らなかったんだ。

#自由詩