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ミラーレス一眼レンズ選びのヒント。

一眼カメラのレンズの名前には、いろいろ数値や文字が表記されています。
富士フイルムの場合も「XF35mmF1.4 R」というように数値と文字でレンズ名が構成されています。

そのレンズが「どういう場所」で「どういう環境」で「どんな写真」を撮るのに適しているのかを判断できます。

この数値と文字がレンズ選びのヒントになります。
意味を知っているとレンズ選びが容易になります。

これからミラーレス一眼デジタルカメラをはじめようと検討している方、始めたばかりの方が壁を乗り越えるためのヒントを書いています。カメラ購入の前後約6ヶ月程度の方を対象にしています。
ミラーレス一眼カメラをはじめる頃に|ハタモトシンイチ|note

ワタシの場合は、富士フイルムのミラーレス一眼カメラを使っているので、富士フイルムのXFレンズを例に書いてみました。

他のメーカのカメラをお持ちの場合は異なる点もあります。例えば、イメージセンサーのサイズが異なる場合、焦点距離の数値が違います。考え方としては似ている部分がありますのでヒントになれば嬉しいです。

富士フイルムXFレンズ

富士フイルムXシリーズに付けるレンズは、たくさんあります。

XF14mmF2.8 R
XF16mmF1.4 R WR
XF16mmF2.8 R WR
XF18mmF2 R
XF23mmF1.4 R
XF23mmF2 R WR
XF27mmF2.8
XF35mmF1.4 R
XF35mmF2 R WR
XF50mmF2 R WR
XF56mmF1.2 R
XF56mmF1.2 R APD
XF60mmF2.4 R Macro
XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro
XF90mmF2 R LM WR
XF200mmF2 R LM OIS WR
XF8-16mmF2.8 R LM WR
XF10-24mmF4 R OIS
XF16-55mmF2.8 R LM WR
XF16-80mmF4 R OIS WR
XF18-55mmF2.8-4 R LM OIS
XF18-135mmF3.5-5.6 R LM OIS WR
XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR
XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS
XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR
XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ
XC16-50mmF3.5-5.6 OIS II
XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II
たくさん種類がありますね。
今後もどんどん増えていくはずです。

これほどの数があるにも関わらず、どれも役割や使い所が違うのです。
驚きですね。

数値と文字の見方

一番長い名前のレンズで説明します。
どれでしょう。

XF100-400mmF4.5-5.6 R LM OIS WR

これですね。
まず名前を分割します。

XF / 100-400mm / F4.5-5.6 / R / LM / OIS / WR

7分割しました。

XF

XFは、富士フイルム製のレンズを表す表記です。
富士フイルム製のレンズには、XCもあります。

XFとXCの違いは、マウント部分の素材です。
XFは金属製でXCはプラスティック製。

XFレンズの方が比較的高性能なレンズを製造することが可能です。
XCレンズのメリットは軽さと価格です。

写真の写りに関しては、ほとんど違いが無いと考えられます。

100-400mm

焦点距離に関する表記です。
画角を考えるときに見る数値になります。
角度ではなくmmで表記されているのでわかりにくいですね。

角度表記の方が初心者には助かるのですけどね。

100-400mm は、数値が2つあります。
焦点距離の範囲を表しています。
つまりこれはズームレンズです。
100mm から 400mm の焦点距離範囲のズームレンズとなります。

上記のレンズリストで mm の数値が1つのレンズがあります。
これは単焦点レンズというズームできない種類です。

どの焦点距離を選べば良いのか迷うはずです。
選ぶためには、何をどう撮りたいのか決める必要があります。

画角を分類すると

マクロ
超広角
広角
標準
中望遠
望遠
超望遠

と分けることができます。
初めの頃は、まず標準に注目することをオススメします。
人によって標準になる焦点距離が異なります。
自分が標準と感じる焦点距離を知るところから始めると良いです。

参考:FUJIFILM XFレンズ。広角、標準、望遠の役割。

一般的には、XF23mm 、XF35mm が標準です。

「16mm が標準です」「いえ 56mm が標準です」
という人がいたりします。

また「半年前は35mmが標準だったけど今は23mmかな...」
という時の流れによる変化もあります。

自分の標準を見つけることが大切です。

F4.5-5.6

F の後に付いている数値。
これはレンズの明るさと考えると良いです。

明るいレンズであれば、暗い環境でも撮影チャンスが増えます。
逆に、暗いレンズなら暗い環境では使えない場面がでてきます。

数値が小さい方が明るいレンズです。
上記レンズリストで見ると、XF56mmF1.2 というのが一番明るいレンズのようです。
富士フイルムのレンズであれば F2 以下なら明るいレンズと考えます。

明るいレンズのもう一つの特徴は、ボケ具合が大きいことです。

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ふんわりと、とても良くボケます。

XF35mmF1.4 も明るいレンズのシリーズです。

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ふんわり良くボケる写真が撮りたいのであれば明るいレンズが必要になります。

XF16mm や XF23mm、XF35mm は、同一焦点距離でF値違いが存在するのもそんな理由があるからです。

R

R は「絞りリング」というF値(絞り値)を変えるリングが付いているレンズに表記されます。

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左は「XF27mmF2.8」なので絞りリングがありません。
右は「XF50mmF2 R WR」で R が付いています。
2 2.8 4 5.6 8 11 16 A
の文字が見えますね。

「R が付いていないレンズは絞り値が設定出来ないの?」
という疑問がでてきます。
大丈夫です。
電子ダイヤルなどで絞り値を変えることが可能です。

「絞りリング」がある方が設定値が判って使いやすいですけどね。

LM

被写体にピントを合わせるための仕組みです。
LM は、リニアモーターです。
リニアモーター以外には、DCコアレスモーターとステッピングモーターがあります。
リニアモーターは「LM」と表記されますが、他は表記されないので DCコアレスモーターとステッピングモーターはレンズ名で区別できません。

参考:Xマウントレンズに搭載しているモーターと特徴を教えてください

OIS

手ぶれ補正機能のあるレンズに「OIS」が表記されます。

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手ぶれ補正は ON or OFF が可能なスイッチがあります。
最新の OIS には、スイッチがなく自動で切り替えるレンズがあります。

シャッター速度が遅くなると手ぶれする可能性が高くなります。
富士フイルムミラーレス一眼の場合「1/焦点距離×1.5」
が基準になります。

※イメージセンサーのサイズによって基準の計算方法が異なります

23mm のレンズならば「1/35秒」
35mm のレンズならば「1/53秒」
56mm のレンズならば「1/84秒」
90mm のレンズならば「1/135秒」
これより遅いシャッター速度になると手ぶれ補正が欲しくなります。

「遅い」がわかりにくいですね。
1/1 は1秒。
だから遅い。
手ぶれする。

1/1,000 は1秒の千分の1だから一瞬です。
つまり速い。
手ぶれしにくい。

そんな感じでなんとなくわかって頂けます?
なんとなくでいいです。

三脚に設置する場合は、手ぶれ補正をOFFにします。

WR

「WR」は防塵防滴対応レンズを表しています。
小雨が降っている中やホコリの舞う環境下で使用できるということです。
水中にどっぷり付けるのはダメですよ。
大雨、台風なんかは安心とは言えません。

また、レンズだけ防塵防滴対応では意味がありません。
防塵防滴対応のカメラに防塵防滴対応のレンズを組み合わせる必要があります。

参考:WRレンズの防滴防塵とはどの程度ですか?

これで、富士フイルムのXFレンズの名前の見方が、だいたい理解できたかと思います。

あとは自分が必要としているレンズを知ることです。

何を撮る?
いつ撮る?
どこで撮る?
どう撮る?
なぜ撮る?

何かが違えば、選択したいレンズが違ってくるんです。
ズームレンズ1本では済まないです。
不思議ですね。

どうやって選べば良いのか?

たくさんある中からどのレンズを選べば良いのか。
迷いますよね。
1本目は?
2本目は?
何本揃える予定?

レンズは高いですからね。
間違いのないように選びたいものです。

何を撮る?

何を撮るかで選ぶレンズが違ってくる場合があります。
大きな建物の全体を撮るなら画角の広い、広角レンズとか超広角レンズが必要になります。

XF14mm、XF16mm、X18mm
辺りが欲しくなりますね。

家の中の日常写真ならどうでしょう。
広角レンズだと、部屋に散らかった写って欲しくない物までしっかりフレームに入ってきてしまいます。
標準レンズが合いそうです。
XF35mm
がピッタリです。

こんな風に、何を撮るかでレンズの種類が違ってきます。

いつ撮る?

いつ撮るか?
これは晴れの日なのか雨の日か。
早朝なのか夜なのか日中なのか夕暮れ時か。

暗い環境に強いレンズが必要になることもあります。
日射しが強い日に合うレンズがあるかもしれません。
場合によっては、手ぶれ補正付きのレンズが必要になるかもしれません。

どこで撮る?

防塵防滴。
つまり雨や砂ホコリに比較的強いレンズがあります。
そうでないレンズもあります。
撮る場所の環境によっては防塵防滴のレンズが欲しくなるかもしれません。
但し、カメラ本体も防塵防滴でなければ意味はありませんけどね。

どう撮る?

ストリートスナップのように小さく軽いレンズが必要な場面があります。
スタジオ撮影ならあまりレンズの重さは関係ありません。

結局のところ、何を、どこで、いつ、どう撮るのかが定まらない限り最適なレンズは決まらないということです。

まずは、標準レンズの画角で撮ってみることをオススメします。
既にズームレンズを持っているという人は、ズームレンズで標準の画角に固定して撮り続けてみると良いです。
撮り続けていると「う〜ん、違うな」と感じるタイミングあるかもしれません。

そのタイミングで、より広い画角のレンズに進むのか、より狭い画角のレンズに進むのか考えると良いでしょう。

初めの頃にオススメの標準レンズ

では、一眼カメラをはじめた頃にオススメの標準レンズはどれになるでしょう。

XF23mm
XF35mm

のどちらかがオススメです。
風景が多めなら XF23mm、部屋の中の日常写真が多めなら XF35mm です。
と書きましたが決まりがあるわけではありません。

どちらを選ぶのか?
カメラにレンズを付けて覗いてみることが一番良い方法です。

いきなり両方のレンズを買うわけにいきませんよね。
近くに富士フイルムイメージングプラザがあれば当日返却無料でレンタルできます。
ズームレンズを持っているのであれば 23mm あたり 35mm あたりに固定して覗いてみると良いです。

家の中で覗いた感覚と外で覗く感覚は、かなり違います。
家の中、外、あちらこちらで覗いてみた方が良いです。

XF23mm も XF35mm もそれぞれ2種類あります。
F2 と F1.4 が後ろに付いてます。
何を優先するかで選ぶレンズが違ってきます。

今日も元気に楽しく

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詳細:富士フイルム XFレンズの種類と選び方。XFレンズ相談室

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