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訪日外国人観光客が戻るまでのシナリオ

そろそろ緊急事態宣言が出そうです。

先週に引き続き、社内外の打ち合わせも、ほぼオンラインとなりました。インバウンド事業者との会話で上がるのが、今後インバウンドがどう戻るのか?いつなのか?という話です。

先日、JNTO(日本政府観光局)の理事をされていた方と会話をする中で、ある程度自分の中でクリアになりました。こういう事態が読めない時は、自分なりにシナリオを作り、修正しながら動いていくのが大事だと思います。

観光に関わる事業者に少しでも参考になり、広く届いてほしいと思い書きました。


ざっくりとした大枠のシナリオ

1.新型コロナウィルスが沈静化し、日本国内の観光が戻り始める

2.その後、国としての安全宣言を出していく

3.その頃に沈静化しているアジアからの旅行者が増える

ざっくりですが、1〜3の順に進んでいくと見ています。順番が変わることや逆になることはありません。下記に、一つ一つ自分の考えを書いていきます。


1.新型コロナウィルスが沈静化し、日本国内の観光が戻り始める

まずは国内のウィルスが沈静化すること、即ち新規の感染者がでない状況が続くことが最優先です。それは観光に限らず、あらゆる業種に言えることです。

その後に、何が起きるのか?そうなると、日本国内の観光が急激に戻り始めます。特に今外に出るのを抑圧されている状況でもあるので、現時点でも旅行に行きたいという気持ちの人も多いでしょう。

自分もその1人です。瀬戸内海の海を見ながら、のんびりと考え事をしたい。


2.その後、国としての安全宣言を出していく

国内で新規感染者がでない状態になった時に、国として世界中に対して安全宣言を出していきます。日本はコロナクリーンになった、と。これは東日本大震災のときにも行ったことです。

ただ、どのような安全宣言を出すか?はとても慎重に進める必要がある。今日本の政府に対するコロナ対応に関しては、アジアを中心とした国から強く批判されています。弊社でも台湾人の社員に対して、台湾の両親から日本は危ないから早く台湾に戻りなさい、という声が届いているほど。

日本が新型コロナウィルスがクリアになったとしても、一度ついたネガティブな印象はなかなか拭えないです。そのため、国としての発信だけでなく、建物としての感染への配慮の強化も重要になっていきます。


3.その頃に沈静化しているアジアの国からの旅行者が増える

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訪日外客数(2019 年 12 月および年間推計値) :JNTO

1と2が終わったあとに初めて、沈静化している国からの渡航が戻ってきます。現在落ち着いて来ている国としては、中国、台湾、香港、タイ、ベトナムなどが上がります。

上記グラフを見てもらえればわかるのですが、訪日客の7割が中国、台湾などを含む東アジアです。+1.2割が東南アジアとインドになります。地理的な観点でいうと、1と2が落ち着いた場合、インバウンドにおける盛り上がりは戻りやすいと見ています。


まずは新型コロナウィルスが鎮静化することから

正直、いつ新型コロナウィルスが沈静化するか?は読めません。また国内の対応によって、各国の日本へのビザの調整も変わっていくでしょう。

ただはっきりと言えるのは、新型コロナウィルスが沈静化し、国内観光が戻らない限り、インバウンドは戻らないということです。おそらく以前の状態に戻るのは少なくとも1〜2年はかかると見ています。

観光産業とは平和産業であり、人の命に危険が晒される中で成立するものではないからです。


インバウンド市場は再び盛り上がる

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Tourism Highlights - UNWTO

よく「オリンピック以降は訪日客は減るんですよね」という言葉をもらうのですが、毎回答えるのが「オリンピック以降のほうがより増えますよ。」という話をしています。

理由としては3つあります。アジアを中心とした中間所得層の増加、LCC含む航空便の増加、ビザの緩和の3つです。今回、一時的に止まってしまう状況がありますが、事態が落ちいてくれば、インバウンド市場は再び盛り上がってきます。むしろ、世界的な旅行ブームが来るとも言えます。

訪日観光市場が日本の今後の経済の柱であることは、今後も変わらないでしょう。


今だからこそできることはなにか?

タイ出身で、現在熊本に住んでいるMATCHAのカオさんがいいエントリーを書いていました。カオさんっぽい力強い言葉。

今だ、日本の価値を見直すタイミング!

「インバウンドとは何?」と改めて皆さんに問いかけてみたいです。話が矛盾になるかもしれませんが、私にとってインバウンドとは「地域活性化に繋がる一つの手段」を過ぎません。そして、日本の各地域はそれぞれの個性と魅力が溢れているから、「地域に合う人を呼ぶ」「地域の価値を共感できる人を呼ぶ」日本ならこんなインバウンド対策を実現できると信じています。

だから、外国人が日本に来れない「今」、一度冷静な心で、地域としてどんな外国人に来て欲しいか?どんな価値を提供できるか?どうすれば彼らを呼び寄せるか?直面しているインバウンド課題を見つめ直して、戦略を練る機会を作ってもらいたいです。コロナウィルスを乗り越えて、持続的なインバウンドビジネスを一緒に実現する日を楽しみしています。

今だから、本当に呼びたい人を呼べるようにして行きましょう!!

自分もこの考えには賛成で、今だからこそ自分たちの価値を見直す時期だと思っています。既存のビジネスモデルや常識にとらわれず、新たな価値を考える時期だと捉えています。MATCHAも上記のシナリオを踏まえ、今だからこそやるべきことは何かを考え、動いています。

この間に、観光に関わる仕事から離れてしまう人もいるでしょう。間違いなく辛い時期が続くと思います。ただ、この間にしっかりと向き合い、積み重ねたことが、来年、再来年の未来につながっていきます。うまくいっている時に入っても、大抵遅い。

困難な時だからこそ、手を取り合い、知恵を出し合い、この山を乗り越えていきましょう。


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