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ジブリの鈴木さん流 映画をヒットさせる仲間の集め方

最近自分の中で、大きく影響を受けた考え方があります。それはスタジオジブリの鈴木敏夫さんの仲間の集め方(映画のヒットのさせ方)です。

この2週間で10回以上繰り返し聞いているのですが、もっと自分の中に落とし込んでいきたいと思い、文字起こし+自分の考えを書いてみます。ちなみにPodcastのリンクは下記です。

ゲスト:古賀太さん 日本大学芸術学部での鈴木さんの講演会


ラジオ書き起こし全文(後半10分)

会社って自分でやってみてよくわかったんですけど、月にかかる経費っていうのはね、毎月高くなってくるんですよ。高くね。そうすると、一本の映画を作る、いわゆる制作費がどんどんどんどん高騰していくもんなんですよ。だからね、色んな会社のね、ジブリがそうなのですが、映画だけ作っていたいとずっと思っていたのですが、なかなかそういうわけにはいかない。

というのは、そこで働いている人の問題、そこから会社の建物を建てなければいけない。毎月余計にお金が余分にかかるようになってくるんですよ。

普通は会社っていうのは、それを会社はそれを解消するために、他の事業もやったりするんですよね。それをによって、なんとか持っていく。映画会社というのは、一本で1年2年でやっていたのを、1度に2本作っていくような会社になり、たいがいだめになってくるんですよね。

そういうのがわかっていたのですが、僕らは映画会社であるのを最後まで諦めない。その作り方を一本に集中する。それを維持することが僕にとってはものすごい大事なことだったんですよね。で、ヒット作をどうやって作ったらいいのか、それはね、本当のことをいうとわからないんですよね。わかりませんよ。

だって、作ろうという時は、面白そうだなと思ってやるわけですよ。やるんだけど、やっていく過程で、どこかで、僕らの映画の場合時間かかりますからね。世の中にどういうふうに宣伝しようか、そういう時に初めてどういう宣伝をするかを考えるわけですね。後から、色々考えるんですよ。

僕は前提の話をしようと思うんです。製作委員会とは何かなんですよ。例えば、徳間書店にで映画をずっと作り続けてたんですが、徳間グループというのは、そうするとね、徳間グループは出版社を中心に映画会社とか音楽会社をやっていて、それ全部集めると1600人ぐらいいたんですね。それでね、1家族、平均3人だとすると4800人。そうすると、徳間グループで映画を作ったら、僕はある時考えたんですよ、5000人ぐらい来ると思ったんですね。

博報堂が入ったんですよ。博報堂は何人だったんですかね。当事8000人ぐらい。8000人だとしたら、3倍で24000人。徳間グループと足すと、30000人。いいですか。みなさん、算数できます?

日本テレビというのは、ひょんなきっかけで一緒にやるようになるんですよ。僕がお誘いにいったんですが。日本テレビそのものは本体は当事2000人ぐらい。グループいれても、3000人から4000人の会社だったんですけど、実を言うと日本全国にネット局というのがあるんですよ。そのネット局は43個あるんですよ。北は北海道、南は九州まで。そしたら、そこに社員って何人いるんですかね。それだけでも12000人から、さっきの日テレを加えると15000人になるんですよ。そしたら、6万5000なんですよ。

途中からローソンというところにも協力してもらったんですよ。ローソンって全国に何店舗あるって知ってますか?こういうことって大事なんですよ、みんな。会社入って仕事していく時に。当時は8500あったんですよ。一つの店舗で何人の方が働いているか。って考えると面白いんですよ。

これも少なく見積もりましょう。5人にしましょう。5人×8000は、40000人。もうこれで10万人越えたんですよ。さっきから言っているように、家族の問題抜いているでしょう。そうすると、家族をいれると、もう30万人近くになるんですよ。

で、読売新聞さんとも組んだんですよ。読売新聞さんって、全国に新聞販売店は何軒あるか。6000軒なんですよ。一つの新聞販売店で、何人の方が働いているのか。当事だと10なん人なんですよ。6000かける数を足してみるんですよ。わかりますか。どんどん増えていくんですよ。

他には、ディズニーさんもいますよね。東宝さんもいる。そういうことでね、やっていくとね、その人数ってね、製作委員会をやるという時には、その人達が製作委員会ぜんぶの仲間だということになるんですね。その仲間がですね、端的にいうと、末端まで浸透しているかどうかはともかくね、うん十万人の人たちがやるということになるんですよ。同時にその人達が観客になってくれる。

で、これが膨らんでくる。それで、僕がやっていたことで一番大事なことは、そのうん十万人の人達に、どうやって一人ひとり仕事を、テーマをだすかですよね。例えば、ローソンで言えば、例えば今回のマーニーでもそうなのですが、どの店舗でもマーニーのポスターを貼られました。

そしたら貼った人は、今だと12000店舗がありますから、1万2000人が少なくともがポスターを貼ったわけです。そうなると気になるでしょう。全員が行ってくれるかどうかは限りませよ。ただ、まぁ前はね、そういう人たちが全部行ってくれた。

だから、ある時、実を言うと、これはこんなことあんまり喋ったことはなかったのですが、郵便局というところとネットワークを組んだことがあるんです。郵便局ってみなさん、全国に何店舗あるって知ってますか?2万4000舗あるんですよ。すごいでしょう。郵便局って1人じゃないでしょ。3人としたって、7万。ご家族を入れると、さんしちで、20万人になる。ということなんですよ。

これが基礎数字なんです。だからね、映画ってね、僕は映画だけじゃなくて色んな仕事で当てはまると思うんですけど、自分の仲間をこうやって増やしていく。それがね、成功の大きな秘訣じゃないかなと、そんな気がどこかしているんですよね。

仲間の印に仕事をやっていただくわけですよ。連判状みたいなものですよね。だからね、本当のことをいうと、そのうん十万人の方、クレジットに全部名前を並べたいくらいなんですよ。

さっき日本テレビでネット局で43局あるって、これね、こういったことをやるんです。例えば具体的な例ですよ。各局で試写会を開いて頂く。試写会をやるって、各地域1区だって、43個ある。その43個があって、実際に来ていただくお客さんも大事。告知をするじゃないですか。スポットがバンバン生まれる。これすごく大きい。

と同時に、試写会をやるにあたって、それこそ藤本さんなんかがいつも頑張って探してくれるスポンサーの方がいる。その方たちと、その中央局の方と組んでいたくんですよ。そうすると、色んなバラバラだった色んな人たちが交流を持ったりするんですよね。それによってまた広がっていく。

要するに、一つの作品に関わる人を増やすということが。たぶんね、基礎数字だと思うんですよ。
それで何のそんなためにそんなことをするか。制作費がどんどん上がっていく。僕は何もすごい儲けて云々という考えじゃないんです。映画はいつもとんとんでいいと思っているんです。そうすれば、次が作れるからです。

要するに、そこで大きな赤字を生んでしまうと、次が作れません。ここが一番大事なことなんですね。

今の僕の話っていうのはおわかり願えるかですが、僕だったね、気がついたらそうやっていたんです。いつのまにか。要するに何もわかっていない方に、訴えかけるというのは実は難しい。それよりも、仲間になってもらって、同時に映画を見てもらう。こっちのほうがわかりやすいと思ったんです。

でもね、それが一番大きいことでした。あの、千と千尋の時なんかね、色んな諸般な事情があってですね、その前のもののけの時は特にそうでしたけど、ヒットしなかったら回収できなかったんですよ。こっちが一番大きい理由なんです。


強いプロダクト×仲間集め

自分なりに上記をまとめると下記に集約されます。

・会社ではなく、人の数。ローソン一社からの出資と捉えるのではなく、8500店舗×5人×3人=12万以上の仲間が集ったと捉える。
・仲間となる人に役割や仕事のテーマを持ってもらう。
・仲間同士を有機的につなげて、さらに発展させていく。

です。

これは前提としてプロダクトの圧倒的な強さがあるからこそなし得るもの。ただいいものが売れるものではなかったりします。いいものを作りながら、同時にしっかりと売る。その際に自分たちの枠だけに囚われず、いかにたくさんの人を仲間にするか。

それがジブリがヒットした大きな理由の一つだと思います。


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