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バーンアウト(燃え尽き症候群)を心理学的に解説します。

お仕事とかを、勉強をしていて、やり切った!頑張った!ってとき、なんか目標を見失ったりしませんか?

あるいは、道目指す途中で挫折してしまった。ああこれからどうしたらいいんだろうか、などなど「燃え尽きたあ」ということがあると思います。

燃え尽きたあという状態っていったいなんなんでしょうか?

今日のnoteでは「燃え尽きについて心理学的に解説」してみたいと思います。

バーンアウトとは

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燃え尽きのことを”バーンアウト”と言ったりします。もともとは、看護や介護など人とかかわる仕事におこるストレス反応として考えられました。

ストレス反応というのは、なんらかの負荷が人間にかかった時に、人間のからだやこころに色々な反応が出てくるということです。バーンアウトもストレス反応ですので、看護や介護による負荷によって、からだやこころに反応が出てくる状態です。

マスラックとジャクソン(1981)は、バーンアウトを

人を相手に働く中で、こころが疲れ、患者さんに対してネガティブで冷たい態度をとったり、感情が起こってくる。そして、自分自身を、特に患者さんとの関係においてネガティブにとらえるようになる現象である。

と定義しました。

心が疲れたと感じる=情緒的消耗感、患者さんに対してネガティブで冷たい態度をとる=脱人格化、自分自身においてネガティブにとらえる=個人的達成感の3つの要素を構成しました。

人とかかわる仕事ではなくても、バーンアウトを当てはめて考えることができます。仕事のストレスで心が疲れてきて、仕事に対してネガティブで距離を置いた態度をとるようになります。結果として、仕事をする自分をネガティブにとらえるようになります。

バーンアウトによる影響とは?

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バーンアウトによって、さらに心身の影響が出てくるといわれてます。

例えば、バーンアウトしている人はうつ状態になりやすかったり(例えば,千葉他,2000)、仕事を離職したい気持ちが起こることが明らかになっていまする(古屋・谷,2008)。

バーンアウトしている人では医療事故が起こりやすくなることも示されています(北岡,2005)。

その他にもさまざまなからだの状態にも影響を与えることもわかっていますので、バーンアウトの問題は何とかしたほうがいいといえます。

バーンアウトを引き起こしやすい要因

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バーンアウトが起こりやすい要因もいくつかわかっています。もちろん、職場環境やしごとの内容によってバーンアウトが起こりやすい環境が生まれます。労働時間が長かったりとか、職場での関係性もバーンアウトに影響します。思い当たるかたがいらっしゃれば、まず環境から改善したほうがいい場合もあります。

その他にも「考え方のクセ」もバーンアウトに影響するようです。例えば、じぶんはだめだや将来どうすることもできないなどの後ろ向きな考えをするほうがバーンアウトしやすいという研究があります(岡田・石隈,1999;古屋他,2008)。あるいは自尊心が低いほうがバーンアウトをしやすいということも言われています(荻野,1999;古屋他,2008)。

ということでバーンアウトには以前もご紹介しました認知療法という方法が使えるかもしれません。実際に認知療法のプログラムによって、バーンアウトが改善したという研究もあったりします。

そのほかにも「ネガティブなことを繰り返し考えやすいことが、バーンアウトを生じやすくする」ということも言われてきました。これは反すうといったりもします。反すうはうつを引き起こしやすい考え方の傾向でもあったりします。考えすぎることで、バーンアウトを引き起こしやすくなりますので、適度に考えるような練習をするのもいいのかもしれません。

noteでもご紹介しております「行動活性化という方法が反すうの対処にも使える」といわれていたりします。良かったらご覧になってください。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。

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