社会生活でふだんから使ってる心理学から学んだこと【心理学者の雑談】
この記事は、社会生活に活かせる心理学について知りたい方(特に大学生さん)におすすめです!
こんにちは、あおきです。心理学部以外の大学生の方々にとって、心理学って社会に出てから使えるの?って思ったりしませんか?
心理学って役に立つんですけど、日常経験に役立てることってけっこう難しかったりするんすよね。役立てかた知りたいですよね???(そんなでもない?)
きょうは、社会に出るまでに覚えておいた方が良いと思われる心理学の知識についてご説明していきます。
心理学を社会生活で活かすということ
心理学をしごとにいかすとして、いちばんイメージしやすいのはカウンセリングでしょうかね。たしかに臨床心理士や公認心理師として現場で働くときには、心理学の知識はあたりまえのごとくだいじです。
あおきの感覚としては、そういう職業につくときに活かすよりも、仕事や社会生活を過ごすうえで、心理学の知識(というか心理学の大学から大学院に出るまでのすべての経験)がとても活かされています。
特に、どういうことが役立っているかを2つ取り上げて説明していきます。
仮説検証型の思考
なにか1つの物事を考えるときに、みなさんはどうやって考えてますか?
と聞かれてもわかんないですよね。なにもないまっさらから考えようと思っても、枠組みがないとなにも考えられません。かといって、じぶんの経験則だけに沿ってものごとをとらえるのは主観が入りすぎていて正しさにかけることがあります。
仮説検証という視点から捉えてみましょうか。
まず、その事象についての仮説を立てる作業です。仮説ってのは、もうすでにわかっている情報や経験に基づいて、これをするとこうなるかな?という予測を立てることです。
わたしのダイエットの話でいくと、事前にダイエットに関する情報をデータで調べたり、人に聞いたりして情報を仕入れます。
ダイエットは複合的なことばなのですが、ひもとくと、ーーをすると(介入方法)と体重が減る(結果指標)に分けられます。
結果指標は体重が減るで固定するとして、体重が減る介入方法はなんだべか?と考えていきます。
論文とかで調べてみると、どうやらカロリー制限と運動が体重減少に効果があるようです。あおきの状態を考えると運動はめんどくさくてやらなそうなので、カロリー制限してみっべか、とカロリー制限、特に糖質制限をしてみることにしました。
糖質制限で体重が減る、という仮説が立ちました。あとは、この仮説は正しいのか?を検証していきます。要はやってみて、結果がどうなるのかを確かめるわけです。
わたしの場合、糖質制限で体重が落ちましたので、糖質制限をすると体重が減るという仮説は正しかったということになります。
このように、仮説を立てて、実際にやってみて効果を検証するという過程が、客観的な事実として物事を捕らえる際に重要になってきます。
仮説検証についてはこちらの記事もどうぞ〜。
統計データを読み解く
先ほどの仮説検証をする際ですが、やってみてこうでした!!!というのがじぶんの感想だけでは根拠も何もありません。わたしがこの薬飲んだら痩せました!と道端で白衣を着たおじさんがその薬を売ってたとして、買いますかね?
科学的根拠には段階があると言われていて、こちらの記事に詳しく書いてありますが、
研究をしっかりとされ、統計学的データとして確認されているほど、その情報の信頼性や妥当性が高くなるというものです。逆にいうと、さきほどの道端のおじさんが言ってるのは、その情報の信頼性や妥当性のレベルが高くはないということにもなります。
統計的な示し方は、まず、データを記述するというのがありますね。たとえば、コロナの新規感染者数がーー人でした。というのはデータの記述です。数字では見えていますね。視認という方法です。
ただし、視認だけでは、数量的な根拠があるとはじゅうぶんに言えません。ここでだいじなのは、「比べる」という概念です。
いつの時点と比べて?どんな人と比べて?どこの地域と比べて?
など、比べる対象がないと、それが本当に多くなっているか(あるいは少なくなっているか)はわからないです。
先ほどの仮説検証の話ですが、仮説を検討するさいには、データをとることが大事になってきます。わたしの場合は、体重を記録する、カロリーを記録することがデータを取るに該当します。
糖質制限をする前→糖質制限をした後で体重が減っていれば、糖質制限によって体重が減る可能性が高い、という結果が得られます。あくまでも、1人を対象とした実験になりますので、科学的根拠のレベルは高いとは言えないですが、仮説検証するときには数量的に検討することが客観性を保つのに必要になってきます。
もう少し大人数のデータになると、糖質制限をした人としていない人を比べます。糖質制限をする人が先ほど話したように糖質制限をする前とあとでデータをとり、同じ時期に糖質制限をしない人もデータをとります。そうすると、1人を対象とした実験よりも信憑性が高い結果が得られます。
ファクトチェックせよ
けっきょくはここにつながってくるんですが、ほんとうかどうかわからないことやロジカルに考えたらこうは考えないだろうという考えをしないということが非常に大事です。
これって真実かどうか?論理は正しいのか?を考えられるようになったほうがいいと思います。メディアが報じることは正しいことばかりではなく、間違いや誇張があることも多いです。
上に書いた統計的な話やロジカルシンキングをしてみて、これってほんとうにただしいの?を普段から問うようにしてみましょう。
長くなりましたが最後まで読んでいただいてありがとうございます。
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筆者 あおきしゅんたろうは福島県立医科大学で大学教員をしています。大学では医療コミュニケーションについての医学教育を担当しており、臨床心理士・公認心理師として認知行動療法を専門に活動しています。この記事は、所属機関を代表する意見ではなく、あくまで僕自身の考えや研究エビデンスを基に書いています。
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