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意識して余白をつくろう

みなさん、こんにちは。ミーティング・ファシリテーターの青木マーキーです。家族会議から、国際会議まであらゆる会議の進行役を仕事にしています。

先日、ある会社の会議進行をお手伝いしました。そのなかで、チームリーダーのAさんが、こんなことを言いました。「役員から3カ年計画を出せといわれて、いま作っているが、僕はビジネスであれがしたいとか、これがしたいというのは、特にない。売り上げを増やしたいかと言われると、そうでもない」と。けっこうな言い切り方だったので、僕は少し驚いて「では、次の3年、どんな風にしていきたいですか?」とききました。すると「もっと余白をつくりたい」と。

どうも仕事に追われている

状況を伺うと、皆、どうも仕事に追われている感じがあって、遅くまで仕事をしている。言われた仕事を受け身にやっている感じもある。忙しさが勝って、自己研鑽や新しいチャレンジをしよう!という気持ちなれない。「これでは、みんなが幸せになれない。僕はみんながハッピーになれる状況がつくりたい。そのためには、余白が必要なんだ」とおっしゃりました。そうか、余白か、と。

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もうひとりのチームリーダーのBさんに、この点をどう思うかを聞いてみると「日本の市場規模がどんどん縮小してゆくなかで、同じメンバーで、売り上げを上げようとか、利益を増やそうとやっきになるのは、メンバーに大きな負担を強いることにもなる。だから、僕もAさんの考えに概ね同意できます」とおっしゃりました。ふむ、そういう風に市況を見ているのね、と頷いていると。「ただ、今やっている仕事のうち、本当にそれで忙しくっていいのかな? と思うことに取り組んでいるようにも思える。重用か緊急かの二軸で整理をしたら、今、私たちの職場は、重用で緊急な仕事と、重用ではないけれど緊急な仕事がまぜこぜになって、それに追われている感じがする。」と。

私たちは何に注力したいか?

僕はすぐさま手元のメモ用紙にBさんがおっしゃったことを図解してみました。「つまり、こういうこと?」と。(かなり急いで描いたので、これより汚い感じだったけれど)。するとBさんは「そうそう」と。

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「では、これから3年、どうして行きたいのでしょうか?」ときくと、右下の<<重用じゃないけど、緊急に片づけないといけないこと>>に追われている感じを減らして、左上のゾーンの仕事を、もっと手掛けられるようになりたい、と。左上というのは<<緊急じゃないけど、重要なこと>>です。僕はそこをオレンジ色に塗ってみせました。すると、両者が「うん、そうだ」と言います。

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「たとえば<<重用じゃないけど、緊急に片づけないといけないこと>>ってなんですか?」 ときくと、報告資料の作成に時間がかかって、、とか請求書が××で、、といったことが具体的に見えて来ました。それらをリストを眺めて「じゃあ、これらを減らしてゆく、あるいは追われないような仕事の状況を、この3年かけてつくってゆきましょうか。そうすると、余白が生まれて、右上の仕事にとりかかりやすくなりますよね」と、意見交換を進めます。すると具体的に「××はもう外注にだしてしまっていいんじゃないか」とか「リーダーの判断基準をもっとメンバーに共有して、自分の手元で判断できるように、、、」とか「私たちが注力すべきはクライアントとのやりとりのここの部分で、、」という感じで出てきました。

あなたのハッピーは何ですか?

この話はこれでクリアになり、次の3年で何を減らして、何に力を注ぎたいのかが、一段落ついたように見えました。僕は、始めにAさんがおっしゃった「皆がハッピーになれる状態をつくりたい」という所が、少し引っかかっていたので、きいてみました。「これ、どうなんでしょうね。このチームで働いている若いメンバーのハッピーって、何なんでしょう?」と、こぼしたところ、Bさんが「僕はもう今年で45才になったから、仕事を早く片づけて、プライベートな時間を確保したいと思うけど、20代のころはそうじゃなかったかも」と話してくれました。「遅い時間まで仕事してもいいから、経験値を積みたい、仕事のスキルを上げたいと思っていたな」とも。するとAさんも「そういうところ、あるかもしれない。僕は家族ができて、子どももいて、なるべく仕事を早く終わらせることがハッピーだけど、メンバーによって違うかも」と。「何がハッピーかって、人によって違うから、ちょっとメンバーにもきいてみようか。あなたのハッピーは何ですか?って」などといって、この会議は終わりました。

余白を取り戻そう

終わったあと、自分の進行の仕方や、議論の中身を振り返ってみました。心に残っているのは会議の冒頭にAさんが言ってくれた「余白が必要なんだ」というセリフです。本当にそうだなぁ、意識して余白を取り戻さないと、あっという間に埋まってしまうな、とも。

ふと気になって自分のiPhoneSEのバックアップを取ってみると128GB中、121GBも使用していて「残り7.79GB空き」という表示になっていました。容量の95%も積み込んで、残り5%ほどのゆとりしかない状態で、僕のiPhoneは働いてくれていたのです。あぁ、申し訳ないことをしたな、と思いこれから余白をつくろうと思います。こんなにパンパンに詰め込んだら、いいパフォーマンスは発揮できないよな。ごめんねiPhoneちゃん。すぐに写真整理するからね。

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日頃お世話になっている機材のメンテナンスをすることは、自分自身のメンテナンスをすることにも通じますね。今日はいろいろお手入れをしよう。

そして、僕自身の余白を大切にしよう。

今日は農家の友人宅で開催の新嘗祭にいって、今年収穫された野菜やお米やお酒でも呼ばれようかと思います。この秋は、ここの田んぼの稲刈りお手伝いできた時間が、あってよかったな。あれも大切な余白の時間だったんだなぁ。豊かな時間だった。など、ひとり味わい深くしています。

皆様も、どうぞよい休日をお迎え下さい。

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