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3つの壁を取り払えば、アイデアなんて自然と湧き出てくる

今日は2017年に中目黒蔦屋書店で行ったワークショップの中から
「アイデアが日頃から湧き出る人になるための秘訣」みたいなことを書きたいと思います。

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青木 まずそもそもなんですけど。「ブレインストーミング」ってあるじゃないですか。みんなで集まって沢山アイデアを出すぞーってやつ。


角田 あるね。会議室に集まってポストイットに1枚1案で出しまくるみたいなやつね。


青木 そうです、それ。あれって「やった感」は出るんですけど、圧倒的に良いアイデアがそこから生まれたことってあります?

僕は正直、あんまり無くて。


治田 TENTではたしかに、ああいった形のブレインストーミングはあんまりやらないですもんね。

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ワークショップは2017年に
中目黒蔦屋書店で開催された
第一回CUBOID世界大会の合間に行われました



青木 それで僕は思うんですけど、アイデアを生み出すために必要なことって、ブレインストーミングなどのアイデア出しの手法を洗練させるよりもむしろ、その事前準備のほうが重要なんじゃないかって。

個々の人たちが、どれだけアイデア出せる状態になっているか
ってことが大事だと思うんですよね。


角田 まあそりゃそうかもね。アイデア出せる人は1人でも出せるわけだし。


青木 僕が今回のワークショップで伝えたかったのは、その「アイデアが出せる個人」になるための方法なんです。やっている人はやっているけど、案外知らない人もいる方法。


治田 ほうほう。


青木 「アイデアが出せる個人」になるために、まずは、長い人生で出来上がってしまった3つの壁を取り払わなければいけないと僕は考えていて。

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角田 3つの壁。それらしい話になってきたね。


青木 なってきたでしょ。その3つの壁っていうのは

・頭の中と紙との壁
・文字と絵との壁
・インプットとアウトプットとの壁

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これをなくしてスムーズに行き来できれば、日常的にどんなものにも「なんで?」を考えたり「じゃあこうしたらどうだろう?」を考えたりできる状態になれるんです。


角田 僕らが言うところの「アイドントノウな状態」になれると。なるほどそれで、どうやってその壁をなくしていくのかな。

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青木 順を追って説明しますね。


1.頭の中と紙との壁

青木 まず「頭の中と紙との壁」について。 アイデアを出して練り上げて行くには、アホな自分批評的な自分とを交互に行き来することが大事だと思うんです。


治田 アホな自分というのは、何にも制約されずに自由に出せる状態のことで、批評的な自分というのは、後からそれを冷静に見直す状態ということですね。


青木 はい、でもその2種類の自分を同時に演じるのは、僕の頭脳では無理なんですね。


角田 無理なのか


青木 そこで、まずは頭の中にあることを、良し悪し関係なく全部を紙に出し尽くし、その後、その紙面を批評的な目で見る、という2段階がどうしても必要になるんです。

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角田
 ほうほう


青木 そこで意外と問題になるのが「良し悪し関係なく」というところです。紙に書くという時点で普通はちょっと躊躇してしまうので、この壁を取り去りたい。

それでどうするのかというと、素振りします。


治田 素振り。具体的にはどういうことでしょう?


青木 そこです。

ワークショップでは、まず皆さんに、手元のHINGEに差し込まれた紙の好きな場所に「スマイル」つまり「ニッコリ笑顔」を好きな大きさで描いていただきました。

その後、その同じ紙に文字やら絵やらを自由に追記してもらいました。たとえばこんな感じで。

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治田 いわゆる落書きですね。


青木 はい。これは何を意図しているかと言うと、人間って不思議なもので、真っ白な紙を前にするとちょっと躊躇するんですけど

1つでも何か、特に「ゴキゲンな何か」が描いてあると、その後スルスルと自由なものが描きたくなっちゃうんです。


角田 はあ、なるほどね。


治田 準備体操や素振りのような意味での落書きを1枚やるんですね。


青木 とくに一筆目は文字ではなく絵を描いて「何を描いてもいいんだ!」っていうモードに入ることが大事です。 そうすれば、2枚目の白紙を目の前にしても躊躇せず、衝動に任せてスラスラと書ける状態になるわけです。


角田 なるほど、文字から書いちゃだめなの?


2.文字と絵との壁


青木 ダメっていうことはないと思うんですが、僕の場合、理屈っぽい人間なんで、つい文字から書いちゃうんですよ。

そうすると、その後も文字ばっかり書いちゃって、言葉にならない何かを取り逃がしてしまう。それを避けるために絵から描いてますね。


治田 2つめの文字と絵との壁という話は、この部分ですか ?


青木 そうです、そうです!文字だけでは記述できない何かも、絵や図を使うことで記述できるので、全てをスムーズに出せるようにする素振りは案外大事なんです。

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青木
 残ったのが3つ目の壁であるインプットとアウトプットとの壁ですね。



3.インプットとアウトプットとの壁


青木 「アイデアを出す」と言うと、何もないところで自分の頭から全てを生み出すようなイメージがあると思うんですが。


治田 密室でカンヅメになって絞り出すようなイメージですね。


青木 はい、その方法だと辛くなっちゃって、10年以上もアイデア出し続ける暮らしなんてできなくなっちゃうんですよね。

そこでオススメしたいのは、どこからがインプットでどこからがアウトプットかわからなくなるような状態になること。


角田 うーん、具体的には?


青木 ワークショップのときにやったのは、
まずHINGEに真っ白な紙を用意してもらってから

1. idontknowメンバーのトークショーを聞く
2. 話を聞きながら、文字だけでなく絵や図も使ってメモを取る
3. 異論、反論、連想など、思いついたことも全て紙に書く

という方法です。

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青木 人の話を聞いている状態って、意外と連想とかがパッパッと浮かびません?


角田 適度に新しい刺激があるから、思い浮かびやすかったりするかもね


青木 最初にやった、スマイルを描いてそこに落書きを書き足していくのと同じで、人の発言のメモを起点に書き足すだけで、案外スラスラ書けちゃう。

別に同意できることばかり書かなくてもよくって。

反論やら連想やらを書いていくと、それまで考えもしなかった仮説に至ったりとかが結構あるんです。


角田 なるほどねー 。それで会場の皆さんに、実際に僕達のトークを聞いてもらいつつ、この「インプットとアウトプット」を自由にやってもらったわけだけど

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角田 これがねー、みんな違ってみんな良いというか、1枚の紙に書くだけでも人それぞれこうも違うんや!って面白かったね。

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青木 この後は、参加者のみなさん、隣の人どうしなんかで、自由にディスカッションしていただいて終了しました。


治田 同じトークを聞いていても、人それぞれ気になるポイントが違っていたりして。ディスカッションも結構もりあがってましたね。

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青木 そんなわけで、身も蓋もない言い方をしてしまえば、HINGEを使って、落書きして、メモして、おしゃべりした。そんなワークショップでした。


角田 あっさりしてるなー


青木 このワークショップ自体でアイデアを出すと言うのが目的なのではなくて、今回やったことを日常的に繰り返すことで、アイデアを出す身体が徐々に作られていくというイメージですね。


4.そんな3つの壁を取り去る道具



青木 はい。ということで、3つの壁を取り去るのに最適な、こんな素敵なツールがありますので、まだ使っていない方は、ぜひどうぞ!


角田 ここで宣伝か!



そんなわけで。

すごいアイデアでもなく、ただ聞いた話をメモするだけでも落書きでも、とにかく脳内ダダ漏れ状態で、真っ白な紙に書きまくるのは、とってもオススメですよ。



イベントではこの後、第一回CUBOID世界大会が行われましたとさ。





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