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飛行機プラモの合わせ目処理 覚書 タミヤ篇

ナナニイ零戦プラモデル作り比べ」を進めている中で気づいたことをメモします。
今回は、タミヤの1/72零戦の主翼上下のパーツの合わせ目処理、スジ彫りの復活、モールドの彫り直しについてまとめました。

合わせ目消し・瞬着盛り付けあり

上下の主翼を貼り合わせても段差は僅かなので、合わせ目にパテや瞬間接着剤を盛るかどうかは悩ましいところです。

五二型では、タミヤ瞬間接着剤イージーサンディングを少し盛りました。盛り過ぎると、盛った分の段差をヤスリで消す際に、周りの繊細なモールドを消してしまうリスクが生まれるので、最小限にします。

合わせ目消しでいつも使っている道具。タミヤ瞬間接着剤イージーサンディング。硬化促進剤は、いつもはウェーブ、今回はアルテコ。アルテコのほうが安い。盛り付け用のアプリケーターはセリアで。さらに細かい盛り付けの場合は、0.4~0.2mmの真鍮線・銅線を使用。先端に瞬着が固まってくるので、都度ニッパーで切って先を綺麗にしておく

アルテコの硬化促進剤をシュッ。プラ表面を少し溶かすので、余計なところに付かないようにしたり、不用意に手で触れないようにします。場合によっては、かかりたくない場所にマステ貼ります(ファントムの胴体前後の処理では常用しています)。

イージーサンディングの瞬着は、硬化促進剤がないと硬化が遅くヒケも出てくるので、促進剤必須ですね。促進剤を吹いた直後はまだ柔らかいので、しばらく置いてから作業しますが、体感?5分もあればヤスリを当てられるでしょうか。

次にヤスリで整形していくわけですが、繊細なモールドのタミヤ零戦にとって、400番のヤスリはかなり粗く、傷が残るリスクがあるので、ガシガシ削らず表面を見ながら最小限に留めます。600、1000番までフィニッシングペーパー(耐水ペーパー)やスポンジヤスリで整えれば、傷はだいぶ減ります。総じてヤスリをなるべく当てない方針です。

五二型。瞬着盛り付けあり。後述のスジ彫りも終えた状態

合わせ目消し・瞬着盛り付けなし

次はタミヤの三二型で作業しました。合わせ目に詰め物を盛る必要はなさそうだと感じたので、そのままヤスリで削って均してしまうことにしました。
しかし、その前に周辺のモールドを彫り直すことにしました。これは次項で説明します。

この時に大事なのが、ヤスリを当てる方向です。
合わせ目の線とは垂直に――上下のパーツの合わせ目の場合は上下に――ヤスリを動かすというセオリー通りのやり方で、主翼前縁のアールを崩さずに削ります。
最小限のヤスリで上下の合わせ目が消えてくれました。

三二型。瞬着盛り付けなしでも合わせ目は消えた

*補足。その他のやり方として、パーツ同士にタミヤセメントを塗ってムニュっと合わせてはみ出たものをパテ代わりに埋める方法があります。しかしこのキットの場合、やはりモールドが消えたり周りが汚れるリスクがありますので止めました。

似たようなリスクとしては、タミヤの流し込みセメントを流してからパーツ同士を押さえると、溶けたプラがムニュっと出てくることがあります。これも過度なヤスリ当てにつながるので止めました。

モールドの彫り直し

上記の合わせ目を消す前後に行いました。合わせ目を消した後に彫り直そうとしても、既にモールドが消えかかり、ニードルを入れる際にヨレるリスクが増します。
面倒でも、彫り直し→合わせ目消し→彫り直し兼モールド復活(後述)の工程を踏みました。

ここまでのするのはモールドが繊細だからであり、ニードルを当てた際にもとのモールドを太くならないようにしたいからです。ハセガワや他社の普通の細さのモールドならそこまで気を使いませんが。

ニードル(ケガキ針)はウェーブHGカービングニードル。ノコギリはハセガワのモデリングソー スクライバー (模型用けがきノコギリ)。タミヤのミニ四駆クリーニングブラシや極細毛先の歯ブラシで削りカスを掻き出す

合わせ目から数ミリまでのモールドをニードルで彫り直します。この時、パーツの内側から合わせ目に向かってニードルを動かします。もとのモールドを太くしないよう弱い力で数回繰り返します。

合わせ目のところだけ少し力を入れています。成形上、抜きの関係でもともとモールドが浅くなっているので、少し彫り増しします。

力を入れずになぞるを繰り返す中でわずかに力を入れるが、二、三回程度しか針を入れていない

上下の主翼パーツを同じ要領でやると、合わせ目付近はニードルが上下回でスジ彫りが重なるようになり、これで実質、上下のモールドがつながることになります。

タミヤの三二型や二二型の場合、機銃の穴の周りに、角が丸まった四角いモールドがあります。これはものすごく繊細ですが、ニードルを軽く当てて彫り直しています(写真下)。

ここすき

スジ彫りの復活

次に、ノコギリを当てて、上下のモールドをしっかりつなげ、合わせ目のモールドを復活させます。既に上下のモールドの彫り直しでガイドができているので、数回やれば整います。これでも元のモールドより太くなってしまいました。

私はハセガワのエッチングソーに慣れましたが、先日、タミヤの精密ノコギリⅡ(スジ彫用)を使ったところ、軸を持ち手に挿すことができ、こちらのほうがヨレが出にくいと感じました。

「めくれ」考

最後に、彫ったモールド付近のプラの「めくれ」を処理します。Mr.セメントS流し込みタイプを塗って、めくれたプラを溶かしました。表面を細目のヤスリで磨いたりアルコールで拭くとか、やり方は色々ありますよね。

だいたいめくれが出る原因としては、無理に彫ろうとして力を入れすぎたとか、ニードルにカスが付いたまま作業したとか、ニードルそのものが使い古され切れ味が悪いとか、プラの柔らかさ(エアフィックス〜)とか、もう不可避で草なものとか、色々ありますよね。

途中の削りカスの掻き出しも、極細毛の歯ブラシとか色々ありますが、ミニ四駆用のクリーニングブラシを試しました。効果は…よくわからない。

一番上のほうの針を当ててない方に比べると、やはり差があるよね…。塗装とスミ入れまで見て検証します

スジ彫りのやり方は、キットや作業環境によって違うのですが、今回はこれで充分かなと思っています。タミヤのPカッターやハセガワのラインエングレーバー(細彫用)は使いませんでした。

スジ彫りの実際は、サーフェイサー(傷埋め、表面慣らし)や基本塗装、スミ入れまでの合わせ技で出来が決まってくると私は理解しています。

しかも1/72スケールの場合、僅かな誤差がけっこう出来に響きます。基礎工作の時点でしっかりやっておくに越したことはないでしょう。

例えば昔作った二一型。主翼前縁の処理が甘く、平らになってる。今回はこれのリベンジでもあるンゴ

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