積み本への贖罪 2020年5月21日の日記


本を、山ほど積んでいる。洒落にならないくらい積んでいる。


私は本棚を読んだ本とまだ読んでいない本に分けているんだけど、明らかにその「読んでいない本」のコーナーが膨らんできているのだ。いや、一気に大量に買って何冊か読み残してまた大量に買ってを繰り返しているから、読み残しがどんどん増えていくのは理屈としては正しいことなんだけど。頭ではわかってもいざ目の前に読んでいない本の山があると「おかしいなぁ」と首をひねってしまうのだ。


そこで、今日は積んでいる本の一部をここで紹介することで、罪を告白するとともに「お前は逃げられないぞ」を私自身にスティグマとして刻んでおこうと思う。


旅猫リポート / 有川ひろ

うおおこれいつから積んでるやつなんだ。「有川先生の文庫新刊じゃん!」と嬉しくなって初版本を手に入れた記憶がある。最近改名して「有川浩」から「有川ひろ」になったらしいけど。いま奥付を確認したら2017年の2月に刷られたものらしい。3年って缶詰でも賞味期限切れるぞ。その点、本は賞味期限がないのはいいですね。それを言い訳にいつまでも読まないのはどうかと思うが。

有川ひろさんの本、すごく好きなんですよね。すごく人間を信頼したテーマになっていることが多くって、読むと優しい気持ちになれます。最近の著作だと『キャロリング』なんかはすごく好みだった。『旅猫リポート』は映画化もされている様子。本を読んだ後に映画を見るのも面白いかもしれない。


〔少女庭国〕 / 矢部嵩

これも相当前から積んでるような気がするな……。ハヤカワ文庫から百合SFが一気に刊行されたときに「時代の波が来るぞ!」と大人買いした時の物。SFには縁遠いため、SFに強い文庫であるハヤカワ文庫の本はあまり買っていなかったんだけど、ここで一気に買ったことで「ハヤカワ文庫はほかの文庫本と比べてサイズがでかくてブックカバーに入らん」ということを学んだ。表紙が見えるのがすごく苦手な私は外でハヤカワ文庫を読めずに、結果、積むことになるのであった……。


彼女の色に届くまで / 似鳥鶏

似鳥先生本当にすみません……。同作者の『叙述トリック短編集』が面白かったので買ったんだけど、他のミステリ作品を優先して読んでいたらいつのまにか積み本コーナーの隅で肩身を狭くしていた一冊。表紙や帯を見る限り、ライトミステリなのかな。画家の人が探偵らしいけど、似鳥さんのことだから面白い仕込みをしてくれているに違いない。

まったく関係ないけど、最近Twitterで「本屋で『どんでん返しコーナー』を見かけたんだけど、ああいう売り方って面白み半減なんじゃないの……?」というのを見かけたけど、難しい問題なんですよね。約束されたどんでん返しを許容できる人とできない人の割合って、恐らくは前者の方が多くって、だから販売戦略としては「どんでん返し」を謳った方が儲かるのは儲かるんだと思う。

だけど一方で、どんでん返しの魅力が最大限に発揮されるのはノーガードのところからお話をひっくり返してくるケースだという主張も納得できる。読者の考えることなんて出版社側ではたいていシミュレートできているんだろうし、「言わないで」派の人間が「言わないで」を叶えるためには、声を上げてその割合自体を上げるしかないんだろうなぁとは思う。「叙述トリック」とか「二度読み必至」だとか、そういう文言についても同じことが言える。


Dの殺人事件、まことに恐ろしきは / 歌野晶午

ミステリの方のうたのん。『葉桜の季節に君を想うということ』や『密室殺人ゲームシリーズ』なんかの傑作ミステリを生み出してきた強い人なんだけど、その歌野晶午が江戸川乱歩の名作を現代の最新テクノロジーを使って書き換えるという「本当にどっから湧いてきたんだその発想」な本。読むのにかなり体力なり気力なりなんなりを使いそうなので放置していたら、本当に放置したままになってしまっていた。


と、この調子で三十冊ほど積んでいるので、本当に読みます。私は読むといったら読むので。そうですね……二日に一冊と計算して、だいたい半月くらいですかね……。特筆して面白かったやつはまたレポートしたいと思います。

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