彗星
彗星
庭で望遠鏡をのぞきながら、
新しい星をさがしていると、
その望遠鏡の下を、
夜食の流しそうめんが通って行く。
僕は、夜空を見るのを止めて、
肩や首を回す。その間も、
次々とそうめんが通って行く。
姉がそうめんを持って、
弟がお椀を持って待っている。
僕は二人だけなら、分け合って、
縁側に座って月を見ながら、
ゆっくり食べれば良いのにと思う。
それからまた僕は望遠鏡をのぞく。
彗星が見えた。いや、
そうめんの残像か。
まあ新しい星は逃げたりしない。
ひとまず休んで、麦茶を飲もう。
良い文章を作れるように、 作るために、 大切に使わせて頂きたいと思います。