αοι

あおいです。 歌うことと、古代ギリシャがすき。 自分を癒すために、がいちばんの書く理由…

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あおいです。 歌うことと、古代ギリシャがすき。 自分を癒すために、がいちばんの書く理由です。 Twitter→@aoi_seria

最近の記事

わたしのうたで泣いたひとのこと

曾祖母の三回忌がありました。 曾祖母が暮らしていたのは日本海の小さな村。海から5分のおうちでした。 わたしは10年以上ぶりにそこを訪ね、たくさんの親戚が法事に来ていました。 田舎の大伯母はたくさん喋ってたくさんお酒を飲んだあと、わたしにうたって聞かせてくれ、と言いました。 小さなアリアと、ひとつのミサ曲をうたいました。 日本語のうたを、と言われたので、ゴンドラの唄をひとくさり。 そうして、曾祖母のすきだったうたをひとつ。 大伯母は泣きました。わたしのうたっている間だけ

    • なにもの

      自分は何者なんだろう、とか 何者になりたいんだろう、とか ずっと悩んで いまも悩んで これからも 何者でもないまま 終わりを迎えて あとにいる誰かが アレはこういうモノであった と 名前をつけて ラベルをつけて くれるんだろう そのひとの 見たいように わたしののこすものを いつかの どこかの わたしが みつけてくれますように と、いのる

      • ことばのおはか

        Twitterの下書きにあったことばたち 出すタイミングが分からなくなって、ずっと眠っている 名前を付けて、ここにお墓を建てる 「うたうこと」 歌うことは、歌うこと自体への気持ちよさや曲に込められた想いや技術に触れることでわくわくする喜びをもたらすけど、同時に自分の力の足りなさや未熟さを突きつけられる苦しみもセット でもたとえどんな苦しみがあっても、歌えなくなる方がこわいのでやめられないのだとおもう 「サバイバー」 そうならないように、わたしたちを制限する“やさしくてただ

        • 春と土のうた

          気ほどけて 陽は緩み 新しいいのち 芽吹く力 駆けだしたい 気ばかりはやる 身体は目覚めないまま 心は飛び立とうとする もっと高く、もっと遠く、 私なら行けるから 言葉が うずまいている 胸に 喉に 叫びだしたい 浴びる日差しは 春にうるめど 澄んだ空気は 冬の冷え まだまだ のびて のばして 大きくなあれ 地面の下には 私の根っこ つまさきだちして 土をつかんで これが大地 わたしは這う ひと 冷たい土 頬ずりをして 目を閉ざす たくさんの 死んでいったものたち

        わたしのうたで泣いたひとのこと

          小さなお話・マグロのゆめ

          いつかのどこかに一冊(ひとさく)のマグロがおりました。 昔は大きくて立派な魚のかたちをしていましたが、いまは切り身です。というのは、マグロは一度釣り上げられてお寿司にされそうになったところを、逃げ出して海へ戻ってきたからです。 マグロは世界を知りません。知っているのは仲間たちのこと。それから自分を釣り上げた人間たちのことだけです。 だからマグロはたくさんのものを見たいと思いました。どこまでも泳いで、いろんな所へ行きました。暖かい海にも、寒い海にも。 美しい出会いがいくつもあ

          小さなお話・マグロのゆめ

          あなたへ

          お久しぶりです。お元気でいらっしゃるでしょうか。 こちらは少しづつ暖かくなりながらも、雨が続く日々です。 そちらはどうですか?暖かいところでお過ごしなら良いのですが。 最後にお会いしたのはいつだったでしょうか。 私が成人する前?お互い学生の頃でしたっけ。 他の友人たちと遊園地に行きましたね。帰り際、暗くてたいして写らないのを分かっていておどけたポーズで写真を撮ったこと、覚えておいでですか?あれから携帯を替えたけど、あのときの写真はまだ取ってあるんです。 あなたとの思い出は

          あなたへ

          はじめてのアンティゴネー

          2018年1月27日から2月24日にかけて開催された、哲学文化塾さん主催、佐藤二葉さんのワークショップ「アンティゴネー」(全3回)に参加した感想と、考えたことたちです。 ずっと下書きだったものをいまさらながら公開。 以下、アンティゴネーを通読したのは初めての人間から出た感想たち。     全体的な感想として、まずソポクレスがやばい。まじで“ヤバい”  あと、逐語訳で読んでみたくなった。 翻訳者の先生方もきっとすごく大変な思いで邦訳してくださっているのだろうけど、やっぱりも

          はじめてのアンティゴネー

          海に行きたいけど、行きたいのは海じゃない

          永六輔さんは天才だなと思う夜です。 “どこか遠くへ 行きたい” そんな気分。 ここのところ、急な気温の変化や毎月恒例の体調不良、バイト先では一年のうちで一番の繁忙期を乗り越え、個人的にプレッシャーを感じている本番が迫り……と、無意識のうちにかなりストレスが溜まる条件が重なっていたようで、わたしのメンタルは本日無事に爆発しました。 具体的にいうと耐えられなくて、全てを一時的に投げ出して、メールアプリやチャットアプリの通知を全部切ってシャットアウトしたところ。 そしていま、作

          海に行きたいけど、行きたいのは海じゃない

          文字を書くこと

          意識して文章や言葉を書くことを始めました。 だいたいここ1年くらいのことです。 もともとすごく自己対話をするタイプのようで、わたしの脳みその中には文字が飛び交っています。人の顔を覚えるのが苦手だったり、言葉にできないものを直ぐに忘れてしまうのは、それが一因なんじゃないかと思うくらい。 体験したことは、一度静かなところでゆっくりゆっくり消化して、言葉にしないと全部遠いところへ行って戻れなくなってしまいます。 飛び交いすぎても忘れてしまうので、なら書いて残せばいいと考えるように

          文字を書くこと