闘鷲降臨~vsペップボール第1R(20-21GAME5)#FE名古屋
福岡時空にはまあまあ巻き込まれましたが、それでも冷静に闘えた、それに尽きるでしょう。
FE名古屋 96-74 福岡
本日は現地観戦だったわけですが、試合前の選手アップの時点でちょっと不安要素がありました。ジャワラが松葉杖をついて会場入り。練習中にでも痛めたということなのでしょうか。そして、前節コンディション不良で帯同しなかった飛田に加え、シェリフもトレーナーと相談するなどした結果アップには参加せず。激しい守備で消耗が増える福岡戦に、なんと実働10人で臨むことになってしまいました。
福岡のプレーについてはプレビューに書きましたが、概ねその通りの戦い方。多少のファウルをいとわず、とにかく前に前に圧力をかけてきます。序盤戦はボールマンに圧力をかけてパスを出させてそれをスティールという福岡の守備戦術を前に何度もボールを奪われるなど、アジャストに苦労する立ち上がり。
それでも守備面が上手くいったおかげで1Q終わりで20-14だった点差は、2Q序盤にプレスダウンに失敗したFEのミスでいったん逆転を許し、22-26まで差を拡げられます。しかし、ここで松山、杉本、ティルマンらが僅かなズレや1on1の個の優位性を活かしてリングにアタック。2Q序盤は一方的にファウルをさせられていたFEですがこのアタックで流れを引き戻すと、FTで着実に得点を稼いで粘り、ハーフタイムを41-35で折り返します。
そしてハーフタイム明けの3Q。一気に走ったのはFE名古屋でした。杉本の1on1からのレイアップで加点するだけでなく、フィッツジェラルドがP&Rに行くと見せかけてスリップし、杉本が2人引き付けてパス、などの形で相手の前向きな圧力を逆手に取った形で得点を重ねます。
こうなると困るのは福岡。相手の攻撃を失敗させることで、自分たちの攻撃の優位を引き出したい彼らですが、その一方でしっかり構えられた相手守備を崩せるほど、個としてもチームとしても攻撃力があるわけではありません。3Q初めの5分間は16-7。ここでついた差がある意味で致命傷となりました。その後は福岡が捨て身のオールコートプレスを仕掛けます。何度かはミスもありましたが、HCの指示で修正を入れながら打開。杉本の美しいタッチダウンパスからのレイアップなどもあり、3Q終了時ではリードは21点に拡がりました。
終盤はファウルトラブルもあり選手起用は限定的になりましたが、若手の奮起もあってしっかりとリードを維持。最終的には4Q丸々エース杉本を休ませることができる形での快勝となりました。
冷静と情熱のあいだで
本日の試合、TOVは実に20個(福岡は14個)、PFも福岡の27個に付き合う形で26個を犯す形になりました。にもかかわらず試合を優位に運べた理由は2つ。
1つ目は、FTを着実に決め続けたこと。相手が多くのファウルを犯したとしても、そのファウルで得たFTを決め続けていれば、ただ得点効率のいいシチュエーションをもらったことにしかなりません。本日のFTは29/33、実に87.9%。16/28、わずか57.1%しかFTを決められなかった福岡とは、ここで大きな差がつきました。
2つ目は、相手の圧力に負けず勇気を持ってインサイドに入り、ペイント内でフィニッシュできたことでしょう。福岡の守り方はP&Rの際にスクリーナーの外国籍選手を守る選手(大抵スパイクスかチュウ)がブリッツを仕掛けて視野と選択肢を奪うやり方が多いのですが、杉本や松山はこれをリピックやエクスプロージョンでブリッツをかけにくくし、なおかつそのままゴール下に入り込んでフィニッシュ。ブリッツを仕掛けることで手薄になる福岡のゴール下を攻め切ることに成功しました。
結果として、松山が4本、杉本横江林が2本をペイント内でFG成功。外国籍選手相手ならともかく、日本人選手にこれだけペイント内で決めたことが、相手の守備を崩壊させたと言っても過言ではないでしょう。
いずれのプレーも、しっかりと相手を攻め切る姿勢と、ファウルを受けても冷静でいるという精神力が必要。今日のFEの選手はそういう精神面が素晴らしかったと思います。
林瑛司、推参
シェリフと飛田の不在もあって非常に厳しい台所事情だった本日のFEベンチ陣。そんな中躍動したのが、ここ2節出番が限定されていた宮崎と林でした。
特に林については前半とんでもないパスミスもありましたが、3Q終盤から再び出番を得ると4Qだけで10得点という大活躍。その内訳も、コーナー3Pを2本と、ドライブからのアタック、そしてオフェンスリバウンドをもぎ取って押し込むといった、ウイングの選手がやってほしいプレーのオンパレード。ディフェンスも積極的に脚を動かしリバウンドに絡みと、得点が離れた状況ではありましたが、3Qにファウルが嵩んでベンチに下がった杉本をそのまま最後まで休ませることができたという意味でも、素晴らしい働きでした。
もちろんまだところどころでの判断力、技術には進歩の余地はありますが、福岡のように圧力をどんどんかけてくるチームに対してこれだけのプレーが出来、何より積極性を発揮できたのは大きな収穫だったと思います。もともと、上背も馬力も恵まれているという意味で、鹿野や杉本とは違った魅力ある選手です。このままローテに入る、いいアピールが出来たのではないでしょうか。
雑感
フィッツ…6.5影のMVP。攻守ともにP&Rの時の動きが良くなっており、またズレが出来た状態でのフィニッシュ力を遺憾なく発揮。
ティルマン…6.0目立たなかったけど攻守で身体を張り集中力を保ち続けた。
横江…6.0落ち着いたボール捌きとアタックでチームを牽引。
杉本…6.5本日は移動型クオーターバックのような働き。3Qは自らタッチダウンするだけでなくタッチダウンパスを連発。
鹿野…6.0数字に残らないところでのハッスルが強烈な印象。
松山…6.0相手外国籍がリムを守っていてもお構いなしに決めきる能力はすごい。もう少し判断力が上がってくるといいが。
ブラッド…6.0ちょっとずつコンディションは良化。思ったより周りも見えている。
宮崎…5.5老獪なプレーで得たFTをしっかり沈める。ファウルが多かったのはご愛敬。
林…6.5前半は戸惑っていたが、4Qは若手らしいアグレッシブさ。
会田…-短時間だけど今まで同様任務遂行に全力なのは好感。
HC/AC…6.5相手プレスにしっかり仕込んだことが実る。途中のタイミングをみた修正も素晴らしく、今日は準備含めたベンチの勝利。
審判クルー…6.0基準は安定して双方に偏りなく違和感の少ない判定。ムービングピックはもう少し取ってほしいけど。
今日は良かったけど明日そのままできるとは限らない、相手はそういうチームだと思います。泰三さんの言う通り、明日もしっかりと闘って、ホームでのダブルを達成したいものですね。