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社員の業績評価がやばい

みなさんの会社での社員の業績評価はどんな感じですか?
適切に評価されていますか?
多くの会社での社員の業績評価は半年か1年ごとに行われているかと思います。業績評価期間の期初で各社員の目標設定をする目標面談があり、期末でその設定した目標が達成できたかで評価されるというのは一般的な業績評価の流れかと思います。
最近、ジョブ型雇用というものがメディアで話題として取り上げられていますが、欧米では一般的な雇用スタイルです。会社が必要とする職務に合致したスキルを持った人を採用するスタイルです。ジョブディスクリプションとして仕事内容や責任範囲、期間や仕事の達成要件、評価基準などが明確に記述されています。これが曖昧であるともはや成立しない雇用スタイルと言えるでしょう。
それはなぜか?
曖昧で雰囲気的な記述しかされていないジョブディスクリプションでは、雇用された人が何をいつまでにどうしたら達成か?成果物の評価基準やゴールが曖昧ですと延々と終わらない仕事をやらされる可能性があるからです。人を使う側として限界までやらせればいい、雇ったからには限界まで使わなければ損だとばかりに、どんどん仕事を振ってくることでしょうし、達成基準を曖昧に設定されていると、会社側の人間、まぁ上司となる管理職は自分の気分や感覚で達成基準をどんどん高くしていくかもしれません。
仕事をさせられる側としてはとんでもないことですね。

これまで日本ではメンバーシップ型の雇用が主流でした。
職種を決めずに採用して会社の中で育てるスタイルです。勤続年数によって昇給していきますから、業績評価をあまり考えてこなかった会社もあるかもしれません。その中で悪しき文化として上司に気に入られることが出世の近道であるようなことになったのかもしれませんね。
そんなメンバーシップ型雇用から欧米型の目標管理が取り入れられ出したのが2000年前後だったのではないかと思います。これまでのメンバーシップ型雇用にジョブ型雇用の要素「社員の評価期間ごとに各社員の仕事内容を明確にして業績を適切に評価をする」ことを目指したのだと思います。将来的にジョブ型雇用へと変えていくための段階的な措置だったのかもしれませんね。
しかし、会社側も雰囲気的な説明だけで欧米型の目標管理を採用しようとしたことが問題なのかもしれませんが、結果的に形式的な目標設定と感覚的な業績評価しかされず、社員のモチベーション向上や業務効率向上という目的と180度真逆の状態になっていることが多いように感じられます。
実際にありそうな残念な目標管理と業績評価の一例を挙げてみましょう。
ポンコツ管理職は目標管理設定を適切にしません。というか適切に設定できません。なんとなくその期にやることを説明するだけ「君の自主性を尊重したいから自分なりに考えてみて」などと調子の良いことを言って部下自身に設定させます。そして雰囲気的に良さげな目標設定内容であれば承認するのです。この時点で賢い社員は業績基準の合意を取ろうとします。要するにどこまで何をしたらA評価なのかを明確にしようとします。しかし、これにはポンコツ管理職は相当抵抗してきます。というか合意することは絶対にしません。その理由は組織としてすべき仕事の全体を管理職本人が把握していないので、その内容で評価して良いか判断できないからです。それに一度約束してしまうと自分にもプレッシャーが発生してしまうので約束したくないのです。「考えておきます」「前向きに検討します」などと調子の良いことを言って、その場をなんとか凌くことしか考えせん。部下側としても上司を詰めるわけにはいかないので最終的には雰囲気的な目標設定で納得せざるを得ないのです。
そして半年後の業績評価段階でもふざけた評価がされることになります。
よくある評価基準として挙げられるのが「残業時間」です。
もしも全員が時間あたりのアウトプットが同じなら時間で評価するというもの有効かもしれませんが、時間あたりのアプトプットは一人一人異なりますから時間で評価するのはとてもナンセンスです。
そして、残業時間が多いことで評価されるので、無駄にオフィスで時間を費やす社員が増えてしまいます。それこそ本末転倒で、時間あたりのアウトプットは低下するばかりです。そして生産性悪い人間が評価されてポンコツ社員を爆誕させていくのです。ポンコツ管理職の中には「そもそも評価しない」「全員横並びで評価する全員(C評価)」「自分の感覚で評価する」「自分のお気に入りの部下を評価する」など真っ当な社員のモチベーションが下がるようなことが横行しているのが多くの会社のリアルな現状ではないでしょうか。

ちゃんと目標設定や業績評価ができない管理職に偉そうにされたくないと思いますよね。会社としての業績を上げるためには社員のモチベーションは必須ですから、適切な目標設定とそれに基づく適切な業績評価ができる人間を管理職にしていかないと会社の未来は絶望的です。
まして今後ジョブ型雇用を採用しようというならば、メンバーシップ型雇用での目標管理設定のレベルではありません。そんなことも理解せずに現状の目標管理設定程度にしか考えずにジョブ型雇用に切り替えよう、そしてジョブ型の社員を採用しようとしているのではないかと感じられます。現時点で目標管理でさえ適切にできていないのですから、私のその直感はかなり当たっているのではないかと思います。

しかし、私はそれでも社会全体として良い方向に行くのではないかと思っています。日本の会社が本気でジョブ型雇用に切り替わっていけば、ふざけた白いブラック企業は淘汰されていくからです。まともな社員たちは、自身スキルによって適切なジョブへと雇用されていくでしょうから心配ありません。ちゃんとした人間だけが生き残っていける社会に遠くない将来、必ずなっていくと感じています。

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