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ウバユリ

暑くて長い散歩に行けない。
薄曇りで涼しめの日がこないかな・・と待ち望みつつ、行ける範囲で咲いてくれる貴重な花、ありがたい「ウバユリ」を、今年も見に行った。

近場でウバユリが咲く場所があって、毎年楽しみにしている。
7月中旬くらいからで、今年はちょっと遅かった。
4月に見た葉。
カタクリと同じように、株が小さい間は、春に葉を出して光合成することを繰り返して
鱗茎を成長させ、何年かたってから茎が出るようになるそう。
この葉は食用になるんだとか。
茎がのびてきた株。
ユリ科だけどユリ属とは違うウバユリ属で、ユリの仲間とは葉が全然違っている。
からまっているハート形の葉はオニドコロかな?
50cmぐらいのもあれば、大きいのは1mくらいになる。
夏真っ盛りの7~8月に涼し気に咲いてくれて清涼剤のようだ。
種子からだと、花が咲くまでに6~8年かかるのだそう。
成長させてきた鱗茎の栄養を全部使って花を咲かせ、種子を落とすとこの株は枯れる。
もう開く。
開花。最初はグリーンがかっている。
ユリとは違って、花が開くのはここまで。
おもしろいのは、花びらの合わさり方がゆるくて、スキマだらけなこと。
小さい昆虫は入
花はあまりきれいではない、地味、などと書かれていたりするけれども、
私は華やかなユリより好きなのだ。素朴ながら野性味を感じる。
見えているのは雌しべ。
ピークを過ぎ、茶色がかる。
花をつける頃になると元の鱗茎はなくなり、秋にかけて新しい鱗茎ができるそう。
スキマから見えているのは雄しべ。
花びらの内側には褐色の斑点がある。
先が白いのが雌しべ、雌しべに沿うように6本の雄しべがある。
花後の果実(去年の8月末)。
晩秋に茶色く熟して裂け、種子が落ちる。
種子が落ちて枯れた実はドライフラワーとして人気だそう。

「ウバユリ」は日本の固有種で、関東地方より西の、山野の林内や草地のやや薄暗い場所に見られることが多いとのこと。
名前は、花が満開になる頃には葉が枯れたり虫に食われたりして葉がないことが多いので、歯(葉)のない「姥」にたとえて名づけられたという説が広く言われているそうだけど、これまで見たものは花の時期でもだいたい葉はあるので、いまいち納得はいかない。植物の名前あるある、なんだけど。

鱗茎(球根)で増える「栄養繁殖」と、種子で増える「有性生殖」があって、種子から芽生えて花を咲かせるまでには6~8年かかると言われているそう。どちらの場合でも開花すると鱗茎ごと枯れてしまう(「一回繁殖型」)。
なので、このエリアでは、私が見に行くようになってから毎年花が咲くけれども、狭い中でも、毎年場所が違う。6~8年前に落ちた種子か、数年前?に新しくできた鱗茎の中から無事に芽生え、花が咲くまで育った株ということになる。よく咲いたね、と言いたくなる。

山菜としても知られ、葉だけでなく、球根も「ゆり根」と同じように食用になるそう。

ウバユリ(姥百合、蕎麦葉貝母、学名:Cardiocrinum cordatum)
ユリ科ウバユリ属の多年草。関東地方以西から四国・九州に分布。
花期は7~8月。
カバユリ、ネズミユリ、ウバヨロ、ヤマカブ、ヤブユリなどの別名がある。

本州の中部以北と北海道には大型の「オオウバユリ」が分布していて、草丈も大きく(150cm〜200cmほど)、花も大きく、花の数も多い。
写真を見るとかなり迫力がある。
関東地方や中部地方はどちらも分布するけれども、太平洋側にウバユリ、日本海側にオオウバユリが咲く傾向が強いとのこと。
Wikipediaによると「北海道ではアイヌの人々により根がトゥレㇷ゚の名で食用にされ、ギャジャニンニク(キト)とともに重要な位置を占めていた。」

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