草野球がしたいです。
小学生の時、ソフトボールのチームに入ったことがある。
そこそこ強いチームだったこともあり、勝つことを目標の一つにしていた。自然と指導も厳しくなる。
コーチが選手を鼓舞するとき、「遊びでやりたいなら、言ってくれ、本気で上を目指す気持ちがないなら、そういう教え方をするから。どうだ?」と聞いてきた。
選手は、みんな「遊びじゃなく本気でやりたいです!」と口を揃えて言っていた。
私は、心の中で、「楽しくやりたい。笑って、遊びのようにやりたい」と思っていた。
コーチもチームメイトも誰も悪くない。私が、選ぶ場所を間違っていただけだ。
ポジションはセカンド。肩が弱いから。打順は7番が多かった気がする。
「三振したら怒られる。エラーしたら、正座かな」
そんなことばかり考えていては、楽しいはずがない。
一年と続かなかった。
◇
大人なって、文章を書いたり、読んだりする楽しみを見つけた。
プロになりたいわけじゃない。文章の優劣なんて関係のない、下手でも楽しめる場所が欲しかった。
そして見つけた、note球技場。
この球技場は、本気と遊びが入り交じっている感じがする。
本気で野球をやっている人もいれば、遊ぶように楽しんでいる人もいる。
しかも、上質な芝生に整備されたグラウンド。
電工掲示板には、クリエイターとしての名前が連なる。
この素晴らしい球技場で、草野球をしてもいいというのである。
空振りしてもエラーをしても、笑い合える仲間がいる。
すぐそばで、一流のプレーヤーを見ることもできる。
こんな素敵な場所があるなんて。
目を閉じて想いを広げる。
澄みわたる青空の下、頬を撫でる風が気持ちいい。
あちらこちらで、笑い声や応援の声が聞こえてくる。
バッターボックスに向かう私。
クリエイター紹介のアナウンスが流れる。
「7番 セカンド かなで。」
めちゃくちゃ、気持ちいいなぁ。
みんなの声が聞こえてくる。
「空振りしてもいいぞ~」「気持ちを楽に~」「笑っていこー」
私も、その声に振り向いて手をふる。
嬉しくて、こぼれ落ちそうになる涙をこらえながら……
ありったけの声で叫ぶ。
「おもいっきり、楽しんでいこうね~!」
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