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卓球ラケットをDIYしたら巨人の肩の上に立っていることを痛感した話

下記の文章は卓球が好きなおじさんが
ここ2,3年を振り返った雑感になります。

〜目次〜
1,常識を疑え
(商品化されたラケットで本当に満足か)

2,自ら手を動かせ
(仮説→検証→改善へ)

3,井の中の蛙、大海を知らず
(されど空の深さを知る)



1,常識を疑え
(商品化されたラケットで本当に満足か)

もっと卓球がうまくなりたい。
試合で勝てるようになりたい。

卓球をしたことがある人なら思ったことがあるだろう。
しかし社会人になり練習時間が取れず上達しない。
なにか変化しなければ。。。
そんなことをダラダラ考えていたある日、
卓球に関するルールで下記の規定を目にした。


■ラケットに関する規定■
「『持ち手をのぞいたラケット(ブレード)面の85%以上を天然の木材とすること』」

こんなのどんなラケットでも作れるじゃないか。
今までにないラケットを作れれば手軽に強くなれるかもしれない。。
そうして自分のための至高のラケット作りが始まった。



2,自ら手を動かせ
(仮説→検証→改善へ)



中学、高校と卓球部だった私に強く記憶されていることがある。
「バドミントンラケットで打ったボールがすごい速さだったこと」だ。
あんな球が出せたらノータッチの山を量産できる。
そして社会人の今ならそのラケットを作り出せる自信があった。
早速作ったのが下記である。

コンセプトは「長尺による遠心力」である。


右の通常のラケットと比べるとなかなか攻めたフォルムである。
(当時27歳にもなってこんなものを作っていた私をどうか許してほしい)

チームメンバーに試打してもらった打感は下記である。

シェークハンド(長尺)
重量:250g(ラバー込み)
スピード:ミッドファースト
打球感:超ハード(&ゴミ)
総合評価:重すぎて手首が壊れる、大振りで打球した割には球が伸びず返球がたやすい。そのわりに連続してドライブできないのが辛い。ゴミofゴミ。

誰にでも失敗はある。しかし課題を抽出できた点から見ればむしろ成功とも言えるのではないか。私は早速2本目のラケットを試作した。

コンセプトは「長尺でかつ軽い」である。


糸ノコで長尺になるように製図した木をカットする。

シェークラケットとしては軽い驚異の152g!
早速チームメンバーに試打してもらった打感は下記である。

シェークハンド(軽量長尺)
重量:152g(ラバー込み)
スピード:ミッドスロー
打球感:超ソフト
総合評価:ラケット全体の重さは通常のものより軽いがスイングすると重心が先端に寄りかなり重く感じる。そのわりにラケットが柔らかいので全く反発せずボールが飛んでいかない。カットマンのラケットとして考えればリーチも通常のものより長いので使えなくはないかも、、?中の下くらい。

とのことだった。


ちなみにこのラケットは使用して日も浅いうちに折れた。
木が軽すぎたため、強度不足だった。



次に3本目の作成に入った。

SWATカーボンのシェークフレアを、、、

側面とトップとグリップを切り、日ペン角丸型に。

試打してもらった打感は下記である。

中ペン(日ペン角丸ブレード形式)
重量:152g(ラバー込み)
スピード:ファースト
打球感:ハード
総合評価:今までの2本とは違い、ラケット全体のバランスの良さを感じる。しっかりラケットで打つ感覚もあり、また日ペンブレードの特徴である遠心力を使ってコンパクトで早いスイングができる。ただしスイートスポットが多少小さくなっており取扱いに技術が必要になってくる。


、、、お察しの通りこれは市販ラケットを日ペン角丸に加工した既成品である。あれからもいくつかの素材を試したのだが、試せば試すほど「既成品の完成度の高さを再確認する」ことになった。

そしてようやく思い至ったのだ。
「自分は卓球界の歴代の職人の肩に立っていた」ということが。

これまで様々なラケットを世に出しては改善してきた卓球専門会社が出している既成品こそ、歴史の粋を集めた結晶なのだった。
ここにきて初めて
「卓球の上達には自分自身の技術習得が必要である」
と思い至ったのだった。


3,井の中の蛙、大海を知らず
(されど空の深さを知る)

まさに井の中の蛙であった。
不満そうな顔で使っていたまさにそのラケットこそ、
過去から現在への試行錯誤の結晶だったのだ。

もちろん失意の中学んだこともある。
1つ目は、自らの技術の向上こそ必要だと心底思い至ったことだ。
道具は過去最高にバランスされたものがすでに用意されている。

もう1つは、また別の道を見つけたことだ。
ラケットを作っている時に、カッコイイと思うケースも同時に探していた。
しかし、お気に入りになるようなケースは見当たらなかった。
ラケットと違ってこちらは無いのだから、今度こそ自分で作るしかなかった。

シェーク型、ペン型で形を変えており、
Illustratorで型をとって作成しているので専用のケースとなる。
木のケースは今までにあまり見かけないものだった。
(先日記事を書いた友人にもモニターとして現在使ってもらっている。
彼氏が欲しい女子必見!モテたいなら卓球をしろ!?)

性能の高さではなく好みとしてであれば自分に合ったラケットケースを作れそうな気がする。
これからもマイペースに卓球×DIYを楽しみたい。


なにせ我々は
巨人の肩の上に立っているのだから。


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1日からクリスマスまで、卓球好きがそれぞれの目線で卓球愛を発信する「卓球アドベントカレンダー」の14日目の記事として書かせていただきました。さまざまなテーマで毎日記事が公開されておりますので、良ければ他の方の記事もご覧ください。

→卓球アドベントカレンダーはじまります!

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