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テラスハウス、ゆめのモテテクを笑うな。

この数週間、ずっともやもやしていたことがあります。

Twitterでたびたび目に飛び込んでくる「社長」「ゆめ」というワード。

嗚呼、タイムラインを眺めながらなんとなく展開を察するのはもう嫌だ。

はやく自分の目で確かめたい……

そして、今晩、時は来た。

ついに再開後のテラスハウスを2話鑑賞致しました。

今はただひたすら、心の胃もたれがやばい。良い意味で。

私はいわゆる「モテる女性」というのが大好きです。

息を吸うように男の気を絡めとり、37.5度みたいな関係性をふわふわと続けることのできる女性がとても好きです。

”気を持たせやがって””思わせぶり”、そのほか多種多様な罵詈雑言も聞こえてきますが、
私はそういう女性に好感を持ってしまいます。

だって、楽しそうなんだもの。それに、私にはついぞ25年間身につかなかった能力を存分に発揮して人生をエンジョイしているように見えるのだもの。

要するに、私は、「ゆめちゃん」のことがとても好きなのです。

そして、付き合う気のない男と北海道に行き、さらに他の男性陣からも積極的なアプローチを受け続けるゆめちゃんを観ながら、私はある友人のことを思い出していました。

学生時代、とてもとてもモテた友人のことです。

さらに驚くべきことに、「ゆめちゃん」と「モテる友人」にはあるひとつの共通点があることに気が付きました。

風になびくようなワンレンの髪、なめるような目線……

など見た目上の話ではありません。

もったいぶったところで、「なんだ、そんなことか」と思われそうなのでとっとと書きます。

とにかくよく笑う。

これです。

「なんだ、そんなことか」

と思った方、そうなんです、そんなこと、なんですでもね、よく考えてみてください。

付き合う気のない男の子から猛アプローチをかけられ、旅行にまで連れ出され、ベロンベロンに酔っ払った状態でまた口説かれ、友人が周りにいるなかで机の下で足先をツンツンされて、私なら、ぐでたまが最大級にぐだぐだしてる時みたいな「かったるいわ〜」と言っているときのような無の表情になると思う。

でも、ゆめちゃんは違うんです。いつもナチュラルに笑っている。

そしてその顔がめためた可愛い。

ゆめちゃんの本当の気持ちはわからないけれど、たぶん本当に楽しんでいる。

ただの視聴者の私(しかも同性)ですらそう感じるのだから、たぶんゆめちゃんのことが気になる男性は「この子は俺といて楽しんでくれている!」と確信すると思うのです。

で、私の”モテる友人”が完璧にこれでした。

とにかく本当によく笑う。

私が箸を転がしても絶対に笑ってくれなかったけど、たぶん男の子が箸を転がしたらケラケラと本気で笑ったと思う。

で、付き合う気のない男の子とドライブデートに行く。花火に行く。たぶんキスしてる。こんな感じ。

彼女にアプローチをかけている男の子のことが好きな女の子たちからは、それはそれはその言動は不評でした。

でも私の場合、その男の子たちには特に興味がなかった&恋人がいない期間が続いていてモテたかった時期だったので、彼女を見習ってみたんです。

そう、男の子の前で笑う。とにかく笑う。相手の話がつまんなかろうが一緒にいる時間が楽しくなかろうが表情筋がびりびりになろうがなんだろうが、とにかく笑う。

頑張りました。めちゃくちゃ頑張りました。

その甲斐あったのか、ある一人の男の子とデートに行くところまで進展しました。特に好きでもなんでもありませんでしたが、そこそこ格好良くて背が高くて目立つタイプの男の子で、デートに誘われるだけで自己肯定感はマックスでした。これで”落とせたら”もっと感情の高ぶりを味わえるだろう。こいつにモテたい。そんなモチベーションでした。

デートには5回ほど行きました。そのすべてのデートで、私は本当によく笑いました。イルカが飛んだだけで、すごい!きゃはは、肉を食べただけで、なにこの肉!きゃはは、お酒をたくさん飲む彼を見ただけで、飲みすぎ〜きゃはは。

ドライブデートを見習って、鎌倉にだって行きました。日帰りだけど。

ラインもずいぶん長いこと続いてきて、もうあとは告白されるしかないっしょ、と確信できる段階まできました。だって、クリスマスイブのお誘いもきたのですから。

しかし、人間、登るのは大変でも、落ちる時は一瞬だ、なんてよく言われますが、
まさに3分で私は奈落の底に突き落とされたのです。

イブデートも決まり、あとはこの”お互い付き合うと思っているけれどまだ言わない”みたいな一番楽しいあの時期、私からボロが出た。

彼の誘いで、彼の友人のやっている学生お笑いサークルのイベントを見に行った”お笑いデート”。

お笑いならたくさん笑えるに決まっている、なんなら今晩告られるのでは、と私のハートハードピンチ状態。

だったのですが。

これが、つまらなかった。

最初の5分くらいは耐えられたのですが、残念ながら本当に本当につまらなくて、どうしようもなくて、要するに、眠くなったんです。

で、寝ました、3分。くらいだったと思う。

そしてはっと起きた時、彼は目を輝かせながら舞台を凝視していて、ときおりククッて笑っていたんです。

あ、やばいここ笑うとこなんだ。

「モテるために笑う」という初心に返った私は、そこから30分近く、頑張りました。必死で笑いました。

しかしそんな涙ぐましい努力も虚しく、その晩から彼とのラインは明らかに途切れがちになりました。

そして話の流れでこう言われたんです。

「演者のひとたちは今日のために必死で練習してきているんだし、いくらなんでも寝るのはちょっとね……」


そこから落ちるのは一瞬でした。クリスマスイブは前日の夜に体調不良を理由にドタキャン、その連絡以降一切の既読はつかず、年明けに「心配かけてごめんね。治った」のひとこと。

まあ、この男のクズぶりはさておき、私は気づいたんです。

ああ、私には無理なんだな、と。演じきれないのだな、と。

そしてさらに大きな発見をしたのです。

モテる友人は、笑いを”演じて”いるのではないのではないか、たぶん本当に楽しんでいるのではないか、と。

モテる友人との間に、何本もの川が見えたような気が致しました。

いくら学生とはいえ、人を笑わせることを目指している人の話に笑うことができない私が、一般男性の前で笑いを演じ続けられるはずもなく、またこちらが気のない男性の話すべてに心から笑うことはできないであろうと。

モテる友人の”笑い”は、もはやテクニックなどではなく、体質なのである、と。
そしてそんな体質を持たない私からしたら、それはれっきとした彼女の”能力”なのではないかと感じたのです。

私は、「ああ、敵わないな」と思った相手のことを好きになってしまう性格なので、あの事件以来、モテる彼女のことが心から大好きになりました。

そして、「モテる女の子」のことがますます好きになったのです。

「モテる女の子」の完成版のようなゆめちゃんを見て、ああ、好きだなあ、と思ったのです。

そして、ゆめちゃんのようにはナチュラルに笑えないけれども、なるべく笑うようにまた意識してみようかな、なんてちょっと背筋が伸びたのです。

恋愛対象として好かれることに限らず、笑う門には福来るって言うじゃないですか。

ゆめちゃん、ありがとう。

そしてこれからも、ますますのご活躍ぶりを心から楽しみにしております!


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