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私の業績2:テクニカルライティングのバイブル

私の二冊目の出版は翻訳書でした。まさか、英語がそれほど得意ではない自分が翻訳書を出すなどとは思ってもみませんでした。
当時会社に出入りしていたお客さんが、私がテクニカルライティングをやっていることを知っていて、「こんな本がアメリカで出版されたよ」と言って、マニュアルの書き方に関する理論書を紹介してくれたのです。
さっそく原書を取り寄せてパラパラと読んでみたところ、「実戦に使える」と判断しました。これはコンピュータ・プログラミングの基幹となる方法論である「構造化」という手法をマニュアル作成に応用した理論です。どんな理論かと言えば、一言で言うと、難しい専門的な内容を、いかにわかりやすく理路整然と体系化して伝えるか、という技術です。情報工学の一分野ととらえていただければいいでしょう。
さっそく要点を翻訳し、それを実務にも取り入れ、その考え方を自社のマニュアル作りのコンセプトとしてクライアントにプレゼンしてもいました。
そのうち、全訳を出版しようということになって、翻訳したのがこれです。
内容が画期的で、テクニカルライターの福音書となり得る、という思いから「マニュアル・バイブル」という邦題をつけました。
もちろんこの本の内容が、テクニカルライティング分野における私の理論的背景になっています。
1987年、29歳のときです。これも今は絶版です。

『マニュアル・バイブル -使いやすいユーザー・マニュアルの書き方-』啓学出版刊


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