韓国競争社会の結末とは。君の夢は公務員?
韓国では競争が激しい、なんていう言葉はよく耳にする。あの有名な、警察官が一緒になって警備するほど重要な受験(修学能力試験)だけに限った話ではない。
就職した後もずっと競争・・・終わりが見えないこの競争社会で韓国人はどう生きるのか。
現地で感じたことを綴ってみる。
韓国競争社会の実態
韓国では、驚くことに中高で部活をする生徒が驚くほど少ない。特に高校となれば、遊びで軽くスポーツをする子はいるだろうが、ほぼ全員受験まっしぐら。
彼らが厳しい受験戦争を切り抜けた先は、もちろん良い就職先に就職をすることだが、韓国の友人たちと話す中で、衝撃だったことがあった。
最近の小学生の将来の夢って公務員なんだって。
え・・・。公務員?社長じゃなく?
理由を聞くと「親が喜ぶから」ということらしいが、正直意外だった。競争社会というともっと金持ちになってやる!と一念発起する人が多いのかと思いきや(もちろんそういう人もいる!)。
実際のところ、今の韓国では安定した職につくことが成功とされる。もちろんサムスンら大手も素晴らしいと思っているが、韓国ではアメリカと同じく、50代で能力無しはレイオフ。
そのため窓際族で途中でやめさせられることのない公務員が、理想の職としてダントツ人気。
小学生から必死に勉強し、中高では部活も行わず塾に行き、いい大学に入ったと思ったら、次はいい職場・・・公務員になれば安泰。
その公務員の座を狙って競争をし続ける小学生に心底同情するのだが、競争社会の結末が安定に落ち着くとは、矛盾しているようで、正論なのかもしれない。
根本の精神:負けず嫌い
この社会背景がもととなり、韓国人の大半はかなり負けず嫌いだ。どうぞお先に、というのはあまり見たことない。あ、いや席を譲ってくれたレディーファーストの男性はいるが、ほぼない。
とりあえず自分が!という気力でバスは先に乗られるわ、レジは先に越されるわ、韓国初心者だったことは、怒りはでなかったものの困惑はした。
韓国でこんなことわざがある。
弟が土地を買うと、お腹が痛い
これも最初聞いてはてな??が浮かんだ。
どういう意味かというと、親族である弟が土地を買ったので悔しくてたまらないということだそうだ。
ええーなんで土地買ったら悔しいの?むしろ喜ばしいじゃん!
と思ってしまうのは日本人のお人よしさなのだろうか。
でもこの図を想像すると韓国人の負けず嫌いさが想像できて苦笑してしまう。弟が自分よりいいものを持っている、悔しい!と。
この競争社会で生き抜くためには、自分の意見を主張し、自分の配分は自分で勝ち取る!くらいの気合が必要だろう。
韓国競争社会のメリットも?
苦しい競争社会と言われ、結果皮肉にも安定を目指す若者が増える社会となってしまったが、本来競争社会というのも悪い点ばかりではないはずだ。
他社よりも良い製品、良いサービスを提供して儲ける、というのは理にかなっているし、社会にとってはプラスにさえなる。
私個人としては、韓国は良い意味で結果が認められる国だと思っている。良い成績をとれば発表され、表彰される。能力があれば、お金がもらえる。
確かにボトムアップはどうなんだと教育的には批判が出そうだが、出る杭は打たれる精神の日本とは違い、頑張って結果を出せば評価され、関心を集める。
向上心があれば、どんどん上を目指せる。
私が外国人であるから特にそう思うのかもしれないが、横にぶつかるのを恐れず、手をのびのび伸ばして運動ができる。そんな感覚。
まとめ
・韓国競争社会の結果、安定を求めた公務員が人気となる
・根本的な負けず嫌い。他人がいいもの持っていると悔しい。
・向上心があり結果を出せば認められるメリットもある
韓国の競争社会の闇といったのはいくらでも掘り出せばあるだろうが、今すぐこの流れを変えることは難しいだろうが、うまく使えば社会発展のために、役立つ力の一つにもなるのではないか。と外国人ながら見つめている。
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