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2019年Q1アメリカ・スタートアップまとめ

こんにちは!ANRIの江原ニーナです。(noteでの情報発信始めることにしました。)

2019年、早くも3分の1以上が経過しました。本記事では、1月から3月の間で起こったアメリカのスタートアップの動きをまとめます。

目次
1 数字で見る概観
 1.1 ステージ
 1.2 領域
 1.3 地域
 1.4 ランキング
2. Exitまとめ
 2.1 IPO
 2.2 M&A

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1 数字で見る概観

2019年Q1期(1月〜3月)において、アメリカに本拠地をおくスタートアップに投じられた資金の総額は$30.8Bに到達しました。(TechCrunchより)
この数字は、昨年の同時期と比較すると22%の上昇している一方で、前期(2018年Q4)の投資総額が$38.7Bであったことを踏まえると、大きく減少している点にも注意が必要です。


これが一時的なのか、何かの兆候となりうるのかは今後の動きを見て慎重に判断されるべきでしょう。(2019年4月時点で発表されているデータに基づく)

(CrunchbaseのCompaniesよりデータを集計。)

1.1 ステージ別

調達案件総数が最も多かったのはシードで、2月後半のみシリーズAがシードでの調達件数を超えています。
3月後半のシードでの調達件数が174件と、それまでと大きく差をつけていますが、これは4月の数字と比べても(別記事にて記載)単なる外れ値だったようです。
シリーズE、F、GあたりになるとSNSなどで話題にのぼりやすいのでご存知の方も多いかと思いますが以下の企業による調達でした。


1月

〈シリーズE〉
Rubrik($261M、Cloud data management)
Affectiva(およそ$20、emotion measurement technology)
Innovid ($30M、Video Marketing Platform)
Schrodinger($85M、Pharmacy, Biotechnology)
GreenLight Biosciences($50M、Biotechnology, Fuel, Sustainability)
Desktop Metal($160M、3D Printing)
Collibra($100M、Enterprise SaaS)
DISCO($83M、Legal tech)
Stripe($100M、Payment)
Clover Health ($500M、Insurance)
Acorns($105M、Fintech・Wealth management)
〈シリーズF〉
Postmates($100M、Food delivery)

2月

〈シリーズE〉
Databricks($250M、Analytics)
Illumio($65M、Cloud security)
vArmour($44M、Cloud security)
Nuvaira ($79M、Biotechnology)
3-V Biosciences($18M、Biopharma)
Ionic Security($40M、Cyber Security)
Peloton Therapeutics($150M、Bio・Medical)
Redis Labs($60M、Cloud Data)
〈シリーズF〉
Personal Capital ($50M、Fintech・Wealth Management)
DNAnexus($68M、Biotechnology)
Medallia($70M、Customer Service)
Mintigo($7M、Predictive Analysis)
DoorDash($400M、Food Delivery)

3月

〈シリーズE〉
Stash($65M、Wealth management)
Cloudflare($150M、Advertising)
Marqeta($250M、Payment)
Toast($250M、POS・Restaurant)
Opendoor ($300M、Real Estate)
OptiScan Biomedical($20M、Biotechnology・Healthcare)
〈シリーズF〉
Rent the Runway($125M、Fashion)
Tithe.ly($15.2M、Gift)
〈シリーズG〉
Mocana($15M、Cyber Security)


1.2 領域別

PwCとCB Insightsが共同で発表するMoney Tree™️ Reportによると、2019年Q1(米国)に最も投資された領域は、①インターネット、②ヘルスケア、③モバイル&通信、④ソフトウェア(non-Internet)、⑤消費財・サービスの順となりました。

Money Tree reportより (p14)

1.3 地域別

アメリカ国内の地域別に比較すると、もっとも投資されたのはサンフランシスコでした。
さらに、NYCメトロエリア、ニューイングランド(マサチューセッツ、コネチカットなど)、シリコンバレー、中西部(オハイオ、イリノイなど)と続きます。

Money Tree reportより (p31)

州別に比較した場合、最も多かったのはカリフォルニア(461件)、2位はニューヨーク(201件)となり、圧倒的な差をつける結果となりました。


1.4 ランキング

2019年Q1に資金調達をしたスタートアップのうち、調達額ベースでランキングにすると、WeWorkFlexportが同率1位の$1,000M、次いでNuro $940M、さらにAurora $530M、Clover Health $500M、DoorDash $400Mと続きます。
さらに、上にあげた6社のうち、以下の4社にSoftbank Groupが株主として入っています;WeWork, Flexport, Nuro, DoorDash



2 Exit 
2.1 IPO


(crunchbaseより集計)

2019年Q1にIPOを達成したアメリカのスタートアップは計18社にのぼります。領域としては、バイオやヘルスケア分野が多く、創業から4〜7年でのIPOが最も多くなっています。
上の18社のうち、IPO時の時価総額が最も高かったのはLyftで$24.3B、次いでAlector(ヘルスケア)が$1.2Bとなりました。

(IPO時の時価総額比較チャート。参考記事より)

余談ですが、UberはLyftのIPO時にケーキを送ったみたいですよ。

2.2 M&A 

2019年Q1の米国内でのM&A案件は2019年5月に発表されているもので390件でした。

(dealogより)

こちらも投資総額同様、昨年の同じ時期に比べ若干減少しています。いくつか話題になったM&A案件といえば、AirbnbによるHotelTonightの買収などでしょうか。

他にも、以下のような規模が大きなM&Aがありました。
UberCareem(ドバイ発のRide-hailingサービス・$3.1B)
McDonald'sDynamic Yield(AI×EC・$300M)
DropboxHelloSign(e-signature・$230M)
SpotifyGimlet Media(ポッドキャスト・$200M)、Anchor(ポッドキャスト・$140M)

より詳しい数字等は、以下のリンクをご参照ください。
参考:
-M&A Highlights: Q1 2019
-Venture Pulse Q1 2019 Global analysis of venture funding by KPMG Enterprise
-Venture Capital Funding Report Q1 2019
-PwC / CB Insights MoneyTree™ Report Q1 2019
-Startups Weekly: US companies raised $30B in Q1 2019
-Lyft went public at a $24 billion valuation. Here's how that compares to other high-profile tech companies dating back to the dotcom bubble.
-Venture Capital In Q1 2019: The World Pulls Back From Record Highs

以上、アメリカにおける2019年1月から3月までのスタートアップをめぐる動きのまとめでした。


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