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ステーキハウスで食事中に発症する病気ではありません。高級ステーキハウスや焼肉屋さんでは可能性が低いでしょう。このステーキハウス症候群(steakhouse syndrome)とは、急いで食事をした後、食道に食べものがひっかかった状態のことをいいます。米国の俗称傷病名で、ステーキをほとんど噛まずに飲み込んで詰まってしまうことからこの名前がついてます。胸骨の後ろに疼痛を訴えることがあることから、急性冠症候群と紛らわしいことがあります。もちろん血液検査では心臓逸脱酵素トロポニンTや白血球の上昇は認められません。

日本では、お正月に高齢者が餅を喉に詰まらせて窒息死する事案が多いですが、ある先生によるとステーキハウス症候群も意外と多いのかもしれないということでした。

鑑別診断としては、急性心筋梗塞と胸部大動脈解離を鑑別する必要があります。急いで、心電図検査とCT検査を実施すれば良いですね。CT検査で食道内に腫瘍塊のようなものが見られます。

災害死亡と認めらるものに不慮の事故による死亡があります。災害死亡保険金の支払対象となる不慮の事故とは、急激かつ偶発的な外来の事故(ただし、疾病または体質的な要因を有する者が軽微な外因により発症しまたはその症状が増悪したときには、その軽微な外因は急激かつ偶発的な外来の事故とみなしません)で、かつ、昭和53 年12 月15 日行政管理庁告示第73号に定められた分類項目中下記のものとし、分類項目の内容については、『厚生省大臣官房統計情報部編、疾病、傷害および死因統計分類提要、昭和54 年版』によるものです。

分類項目の表

上表の基本分類表番号のE910~E915に当たる「15. 溺水、窒息および異物による不慮の事故」に窒息事故が含まれます。これには次のような但し書きが付いています。

ただし、疾病による呼吸障害、嚥下障害、精神神経障害の状態にある者の『食物の吸入または嚥下による気道閉塞または窒息(E911)』、『その他の物体の吸入または嚥下による気道の閉塞または窒息(E912)』は除外します。

「食物の吸入または嚥下による気道閉塞または窒息(E911)」と「その他の物体の吸入または嚥下による気道の閉塞または窒息(E912)」については、そのような窒息などの原因となる呼吸障害、嚥下障害または精神神経障害をもたらす危険性の高い疾患が存在します。したがってそのような疾患による呼吸障害、嚥下障害または精神神経障害にある状態の者については、災害保険金を支払う対象から除外することを規定している訳です。なおこの際には、事故における窒息などの発生と疾病との間の具体的な因果関係を問題にはしません。

普通保険約款において、窒息死が不慮の事故となるためには、COPD、パーキンソン症候群、脳卒中後遺症などの疾患に罹患していない被保険者である必要があります。

(参考)
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