Googleフォトの代替、Yandexがいいんじゃないか(※ロシア注意)

Googleフォト無双が6月で終わる。このことはきっと3兆人くらいが記事にしていると思うので、私からあらためて書き伝えることはしない。

それより問題なのは、Googleからどこへ移行するかを3兆人が考えたというのに、なんで2兆9999億人くらいが口を揃えてAmazon Photosとしか言わないのか?ということだ。どうしたネットの集合知。

確かに、すでにプライム会員なら、追加投資ゼロかつ無制限にアップロードできるAmazon Photosは最良の選択肢だとは思う。だが、それはAmazonに年間4,900円を支払うのが文化人たるもの当然の義務であるかのような観念に陥ってはいまいか。国民の義務は勤労・納税・教育・アマプラ課金の四つになったのか。であればベゾスを打ち破って建国の祖となるほかに道はない。

そうだね、さっさと結論を言おうか。
わたしが移行先に選んだのは『Yandex.Disk』だ。
聞いたことないか。ないよね。ミートゥー。

わたしはこれまでGoogleフォトを、「年間10GBを超える、スマホ写真のバックアップ、およびクラウド化」を目的に利用してきた。何をそんなに撮るのだ必要あるのかという批判は却下だ。旅行好きなんだようるせえな。

ともかく、この調子では6月以降に上限となる15GBなんて、二年ももたずに使い切ってしまうだろう。
こういう条件をみたす、別のソリューションを探さないといけない。

・なるだけ安価(できれば無料)で
・容量無制限、ないし度外視できるほどの大容量

そんなストレージサービスはないものかと探してまわった結果が、上の結論だ。ほかに選択肢がなかったわけじゃないけど、そこらへんは後述する。

目次の意味がない気もするが、一応つけておく。

ホワイドゥーアイYandex.Disk?

まずこれは、Yandexというロシアの検索エンジンの会社がやっているオンラインストレージである。ロシアと聞いて尻込みする者はプーチンに投げ飛ばされてゴーホームすべし。

Yandex.Diskは、無料で10GBまで画像ほかもろもろのデータを保存でき、月額$1.6の有料プランで100GB、月$8で1TB…と追加できる。ここまではよそのオンラインストレージと大差ない。100GBプランはまあ割安かな。

ここを選んだ理由はなにか。

①無料で容量無制限だから。
ほぼこれに尽きる。もちろんなんでんかんでん保存できるんなんて甘い話もないので、ご説明いたそう。

このストレージは、スマホのYandex.Diskアプリをつかって自動アップロード(つまりバックアップ)する静止画ファイルについては、保存容量に上限がない。スマホのバックアップでなら無課金でGoogleフォトの代替いけるやん。

ただし、残念ながら動画ファイルは無制限の対象にならない。ただし、いずれかの有料プランに加入すれば、これも無制限になる。やはりアプリからバックアップする場合のみではあるが。
前述のとおり、最安の有料プランは1.6ドルで、1年まとめ払いすれば月あたりは1.3ドルになる。写真・動画は実質100GB以上バックアップできるので、コスパは非常にいい。

動画のアップを諦めた無課金ユーザーにとっても都合よいことに、静止画しか自動アップロードしないようにアプリを設定することもできる。
Googleフォトではこういう設定は現状できなかったと思うが、今回の変更を期にゆくゆく追加されたらいいなと思う。

②画像が圧縮されないから。
なんと、制限がないどころか、画像の圧縮すらない。
本当かよと疑って、アップロードした画像をいくつか適当に抜き出して元ファイルと比較してみたが、いずれもバイナリに違いはなかった。Googleフォトにもできないことをやってのけるところ、シビれるしあこがれる。

ただし、ファイル名は勝手に変更されるんだけどな!

アップされた画像は、強制的に「2020-12-24 22-42-49.jpg」みたいな形式にリネームされる。これは、ファイル名に撮影地などを書き込んで整理している私にはそこそこの痛手である。万一のときのバックアップと割り切るしかないか…
あと、誰も気にとめないと思うので自分から言うが、上記のリネーム例の日付時刻には、聖夜のニャンニャン行為者への個人的な怨嗟がこめてある。

ホワッツYandex?

日本では知名度ないけど、ロシア国内においてはGoogle神と検索シェアを二分するド大手の検索エンジンだそうな。神格で言えば両者はヴィシュヌとブラフマーくらいの力関係だろうか。Googleの独占市場を訴訟でぶっ壊したあたり、破壊を司るシヴァかもしれない。知らんけど。

まあロシアと聞いたらKGB的な不穏さばかりイメージしてしまう私だが、ざっと見たところでは、少なくとも日本のウィキペディアンたちが嬉々として書き込むレベルの不祥事は、いまのところYandexは起こしていないようだ。
※「起こしていない」と「発覚していない」とを見分けることはできない。

ハウトゥーYandex?

ここはAndroidとWindowsで使ってみての話になる。私は林檎製品の所有が認められる身分階級ではござらんのでね。

PlayストアでYandex.Diskアプリをダウンロードする。アカウントを作り、Auto-upload photosとUpload to unlimited storageにチェックを入れる。動画もAuto-uploadするか、モバイル回線も使うか否かはお好みで。これでカメラフォルダ(DCIM)とそのサブフォルダ内はクラウドに保存される。それ以外のフォルダは、アップの要否を個別にオンオフする。
要するに、Googleフォトなどと利用手順に特段の違いはない。

アップロードされた画像は、もちろんPCからでもWebで閲覧・DLできる。Googleフォトがそうであるようにね。オーケイ、ところで僕の疑問はこうだ、こういうのもWebDAVと呼ぶのだったろうか?やれやれ。
PCで見ると、Unlimitedでアップされた画像はPhotosに、動画はFilesのなかにあるCamera Uploadsフォルダに入っている(有料会員だと異なるかも)。なお、Filesのなかにはサンプルとして熊さんや大都会モスクワなどの画像が入っているので、愛でるなり拝むなりして、しかるのち処分したまえ。

全体的な操作感は、おおむねGoogleフォトと変わらない。範囲選択でガーッと複数選択できるところはちょっと便利。
スクショを載せようと思ったけど画像のプライバシー処理がめんどくなったのでやめた。できる子各位は画像検索なりしていただきたい。

ワッツハードトゥーYandex?

難点がないわけではない。先に述べた強制リネームもそのひとつだし、動画がメインのユーザーにとっても、無課金で通すのであればYandexを使うメリットは薄い。
そのほかにGoogleフォトの代用とする上で何が妨げとなってくるか。

まず、画像一覧の並びが時系列順で固定なのはGoogleも同じなのだが、Yandexはどうやらアルバム内での画像の並び替えもできないようなのだ。少なくとも私のミニマム脳味噌と節穴Eyeではその方法が見つからなかった。どなたかクソお確かめてみてくださいませんか。

そして、アプリでのタイムラインの並び順において、Exifの撮影日時よりもファイル自体の作成日時が優先されているものがいくつかある。これは何が原因でそうなるのか、まだよくわからない。

自動認識によるフォルダ分けや、撮影場所などでの検索の精度も、さすがにGoogleのそれにはまだ一歩か二歩は及ばない感がある。風景写真をつなげてパノラマにしてくれたりもしない。…しないよね?するならごめん。

通信速度の遅さも目につく。アップロード時の通信を見ると300KB/s前後しか出ていない。だから利用し始めて一週間ほど経つのに、実はいまだに70GBほどある画像すべてをアップロードし終えられずにいる。
しかし、これはわが家の問題かもしれない。なにせうちは、上り最大10Mbpsの某ケーブルテレビ回線なのである。世間ではこの回線には基本的人権がないとまで言われている。人間になりたい。

またアプリ・Webともに日本語対応はしてないが、この記事でお察しな英語力の私でも使えているくらいだから、さほど問題にはなるまい。ちなみにアプリ内に表示される広告はロシア語だ。

あとは…手動で個別にアップロードするものは無制限の対象にならないから、フォルダ内から選んだ画像だけをちまちまバックアップしたい人には向かない。つか、それくらいの使い方ならGoogleの15GBで足りそう。

まあ、なんやかんや挙げたけれど、何がいちばん大きな障壁だったかと言われたら、Yandexという聞き覚えのない会社を信頼していいものか否か、それを判断する材料をもたないわたし自身の無知だろうと思う。

ワッツドゥーユー発見しますか良いサービスを他に?

Googleフォトの代替候補は、Yandex以外にもいくつかあった。

①Google Oneに課金してGoogleフォト継続
まあこれがいちばん無難だし、面倒がない。自分の使い方なら100GBプランでもあと7~8年は保つだろうし、年間2,500円なんて別にいい年してケチる額でもない。
ただ、こう、なんつーの、Google神の定めし運命に抗いたい気持ちというか。オルタナティブ精神は大事にしていきたい、ゆえに次点。

②NAS導入
初期投資がGoogle Oneの数年分になってしまうし、そもそも私がクラウド化したい理由のひとつはデータの冗長化なので却下。だってほら、スマホとNASが同時にワヤになることありますやん火災とか津波とか使徒とか。それ以前に、わが家の反人権的CATV回線でのNAS運用はきっとしんどい。

③Degoo Cloud
なんと課金なしでも100GB使えるストレージサービス。すごいね。ただし90日アクセスがなければ消去される。はい解散。
冷静に考えると90日も猶予あればまず問題ないんだけど、なんか精神衛生上よろしくない。それに規約違反の判定が厳しいのか理不尽なのか、データやアカウント消されたとのクレームがPlayストアのレビューに並んでいるのも気を削がれる。

まあ、Yandexだって使っているうちに不都合がおきない保証はないのだけれど。なにせ天下のGoogleでさえこんなことになってんだし。

④Fueruアルバム
事務用品のナカバヤシが運営するサービス。画像が無制限かつ無料で保存できる。保存した写真のプリントやフォトブックの売り上げでマネタイズしているらしく、送料のみで毎月15枚プリントできるサービスもやっている。ここってGoogleと同じでアップロード時に圧縮される仕様なんだが、圧縮済みの画像をプリントするんだろうか?まあいいや。
PCからもアップできるし共有もしやすいし、使い勝手は良さそうなのだけど、規約を読んだら、アカウントの有効期間は最終アクセスから半年やで、と書いてある。公式みずから「Googleフォトの代わりにはなれない」と発言しているのもあって、今回はスルー。

⑤めもル
コロナ禍でいろいろとアレな中、九州のIT企業が進めている新しめのサービス。WEBベースのためアプリ不要なのが特徴で、写真・動画の無制限保存がウリ。
動画もいけるのは魅力だが、いかんせんサービス自体が始まったばかりで、存続可能性をどう見込むかで悩む。できればせめて消滅可能性都市豊島区くらいの余命はありそうなところがいいので、しばらく様子見。
余談だが、めもル開発チームTwitterアカウントのフォロワー数は、本記事執筆時点で2人だ。

結局、Yandex以上のソリューションが見つからず、今に至る。

そんなよく知らないロシア企業のサービス使って大丈夫?と聞かれたら、わたしには答えることはできない。答えるための材料がない。ないなりに、他に利用している数多のサービスと同じ程度の警戒レベルでいいんじゃね?と推測したにすぎない。ビバ自己責任。

セキュリティうんぬんよりも、バッテリー消費が気になるかなあ。アップロードしていないときも電池の減りが速くなった気がしていて、もし気のせいじゃなかったら追記します。

以上、現状でわたしが考えられることはこれくらいだ。Googleフォトがこのたび決壊したように、どの無制限ストレージもいずれは終わるのかもしれないけれど、そのときまでは存分に利用させていただく所存である。


駄文が長くなった。どいつもこいつもアマゾンアマゾンしか言わねえな、このち○こ野郎どもが!とカッとなって書いたものだから、さぞ読みづらかったろうと思う。ロシアが誇るラスプーチンのいちもつ(28cm)に免じてご寛恕いただきたい。
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【追記】
なんかいつのまにか無制限アップロード終了、有料化してたので、このう○こ記事はゴミに進化しました!さらばロシア!

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