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「MANGA都市TOKYO2020」を見てきた

以前から行きたいと思っていた「MANGA都市TOKYO2020」を見てきました。国立新美術館にも行ける機会がなかなかできず、今日はちょうどいいタイミングだったので足を運んでみました。

基本は東京という都市が、漫画やアニメというメディアの中でどういう形で表現されてきたか?という展示です。映画は「ゴジラ」「AKIRA」なども使われていて、漫画の場合は安野モヨコさんや石ノ森章太郎さん、杉浦日向子さん、アニメでは「セーラームーン」なども使われて、その漫画の中で描かれていた東京という都市の造形が出ていました。

都市論は最近は特にいろいろなメディアでも扱われていて、特に東京の描き方に関しては、オリンピックによる再開発という側面からいろいろな描かれ方をしています。個人的にはNHKスペシャルで放送されていた「東京リボーン」はものすごく面白い番組で、東京の再開発というか再拡張という点での面白さがすごく出ていました。

今回の展示ですが、東京におけるモニュメントである東京タワーや都庁などの使われ方だったり、壊され方を引き出したり、あとは江戸時代の東京の描かれ方、作画の精巧さ、庶民の生活の描き方などを見せています。庶民の描き方という点では、江戸時代から始まって面白いのですが、明治・大正・昭和という時代変遷でやや偏りがあること、もっと都市の開発という点での引き出し方を見せてほしかったかなと。生活を描きたいのか、都市開発というか東京という街そのものを描きたいのかが、今ひとつ焦点があっていない感じがしました。特に前半は都庁などの壊され方などは面白いし、江戸時代の引き出し方も良かったのですが、中盤のアニメ系や「カードキャプターさくら」あたりの使い方が正直、今回のコンセプトにあまりあっていない感じで、中盤からの展示が今ひとつトーンダウンな印象。

使える素材だったり、素材そのものをどういう見せ方をするのか?という制約も多かったのかもしれませんが、特にアニメ映画あたりを多く使う後半になってからは、ちょっと中途半端な東京の描き方になっていて、都市論にもっと入り込んでほしかったなあと思いました。エヴァンゲリオンなどの再開発された新都心などの作画なども、精巧さが見事だし、AKIRAに関しては、作画を見ているだけでも、もう美術品なんですけどね。展示に入ってすぐ正面にある東京のジオラマは見ごたえがあるので、見る価値高いです。あれだけでもかなり行った楽しみはあります。それだけに今回は特に後半の展示内容に関して、もう少し東京の描き方を工夫してほしかったなあと思いました。惜しい。

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