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『感じる。生きる』(3) 歌と私/ HA〜HA

※全て無料で読めますが、今後の活動費に当てさせて頂きますのでよろしければご購入も頂けますと嬉しいです。

 私が歌いはじめるようになった一番の理由は何だろうか。
 真っ先に思いつくのは、私が生まれついた家庭の環境が作ってくれたと思う。環境と言っても、音楽学校に行ったり、小さい頃から楽器を習っていたわけではない。
 私の両親はミュージシャンではないけれど、音楽が好きだった。そして、両親の友達にはミュージシャンが多かった。その影響が一番大きかったと思う。

 そんな私は小学生の頃、学校からの帰り道に自分で作る即興歌を歌いながら帰ることがお気に入りの時間だった。
 幼少の時、両親の教育方針が「テレビを見せない!」だったから、音楽が私にとって一番の娯楽だったと思う。
 音楽に身を任せて踊ったり歌ったりする時間が私にはとても楽しかった。
 普段テレビは見なかったけれど、音楽の番組やビデオは見せてもらうことが出来た。
 また、ライブには子供の頃から家族で足を運んでいた。
 そんな環境が自然に私と音楽との距離を近付けてくれた理由だったと思う。

 私は元々学校があまり好きではなかった。
 みんなと同じ学校に行って就職活動とか、学校の「こうじゃないといけない」ルールに従って生きるのが嫌だと感じていた。何でかは分からないけれど。

 そして、私は両親に「高校生になったら、学校に行きたいなら、自力で学校に行ってね!」と言われていた。そんな環境もあって、私は学校に行きたいとは全く思わなかった。今考えたらそこまで将来を深く考えていなかったなと思う。けど、もし「高校に行く理由」を考えていたとしたら、「美容師は高校を卒業してないとなれないんだよ」って言われたことがあって、高校だけは卒業しようと思ったのを覚えている。(いつも髪を切ってくれた両親のお友達が美容師さんで、憧れていたから)

 そんな風だったから、小学生の時に通信制の高校があると知ったときから、私は絶対に通信制に行こうと決めていた。

 そして働きながら通信制の高校へ行き、後は好きなことに時間を使おうと思った。
 その頃の私にとっての好きなことは、踊りだった。
 学校から帰ったら、音楽をかけて一人で歌って踊るのが大好きだった。いつも音楽を聴いていたからうるさいと言われていたと思う。

 通信制の高校に進んでからは、バイトをしながらスクーリング、そして踊りの習い事に通いだした。田舎に住んでいたから、週一回、片道3時間バスと電車を乗り継いで通っていた。踊りで留学したいとは思っていたけど、先ずは目の前の生活費で精一杯だし、私には夢のまた夢かなぐらいで諦めた。

 そんな時期を過ごしていたら、家に遊びに来ていた両親の友達がギターのコードを3つ教えてくれて、はじめてギターを弾いてみようと思った。
 そして子供の頃から聴いていた大好きなどんと(ボ・ガンボス)の歌を練習した。そしたら、「思ってたより簡単で楽しい!」って思った。
 そこから、「姉妹で歌ってみなよ」って言われたのをきっかけに、私がおぼつかないギターを弾いて、いつの間にか姉妹で歌う活動をするようになった。
 そうすると、やはり歌も勉強したいと思いはじめて、期間は短かったけど素敵な先生のボイトレに通わせて頂いた。
 歌詞は日記のように凄い沢山書いていたけど、この時はまだ自分の歌はなかった。

 音楽学校とか気にはなったものの現実的に学費とかを考えちゃうと行けないなと思った。
 こんな私の高校生活だったけど、「将来どうやって食べていこうかな?」とかを今思えば全く考えていなかった。
 ただ「好きなことをして生きて行けるんだろう。」としか考えてなかった。
 バイトを頑張って、そのお金は生活費や習い事で無くなった。しかし充実していたから、あっという間に時間が過ぎた。
 アルバイトの仕事は、私にとって何でも良かった。が、極力興味がある事だったり、自分の苦手を克服出来る物にしようとか、それなりにその都度惹かれる職場を選んで転々とした。
 出身は東京じゃないけれど、高校の途中からは東京で暮らした。
 東京での生活は短かったけれど、ホームシックを抱えながらがむしゃらに頑張っていた。いま思うと、結局は生活するので精一杯になっていた気がする。

 東京で揉まれながら暮らす中で、初めてギターを使っての自分の歌が出来た。
 東京だったからなのか、親元を離れたからなのか、理由はわからない。
 そこから沢山の出会いを通して益々歌うきっかけが生まれて行ったと思う(それと並行して、姉妹でも歌っていたのもあるけど、姉妹での活動と自分の歌を歌うのは全くもって別だった)。
 沢山の方々が「歌いなよ!」と、振り返れば今の私を今日まで導いてくれた気がする。
でもなぜか、私は、歌の練習やギターの練習が出来なかった。自分が好きな音楽とは真逆の様な自分の曲。そして、人前に出る事も凄く苦手だった。
 自分の中で葛藤していたと思う。

 「歌が好き。」
 「歌いたい。」

 だけど、歌手として生きていくには不向きに思える自分をどうしたらいいのか?
 私は結局、歌が好きじゃないのかも知れない。

 ひたむきに練習が出来る方を本当に尊敬するし、羨ましかった。
 努力が大切だと感じているのに、私には練習が出来ない。頭の中では理想と考えが一致してるのに、いざ向き合うと行動が伴わない、出来ない自分を受け入れることが苦しかった。

 「私は本当は何がしたいんだろう?」

 そこから私は気付いた。
 音楽をただの趣味と一言でまとめたくなかった。
 だけど、趣味じゃなければ仕事!として結びつけなきゃいけないものなのかもという考えも辞めた。

 色んな思いを経て気付いた。
 私にとって歌はライフワークだと。
 理想の自分を愛そうとするのではなく、今の自分をありのままを受け入れようと思うようにした。
 そして、また気付いた。

 「自分の理想や、怠け癖を責めるのはもうやめよう」

 冷静に考えたら、私はただ自分に甘いだけなのかも知れないけど、自分に甘い自分を人と比べることをもやめようと思った。練習を出来ない自分も、自分だと受け入れ始めた。

 自分が楽しく幸せでいられるやり方を選ぼう。
 そう思えてから、スーッと楽になった。
 自分のやり方でいいんだなって。

 私は、自分のことをシンガーともミュージシャンとも言えないなと思う。
 けど、どこに居ても何をしていても私にとって音楽は大切な存在です。
 いつも私は、色んな形で音楽に支えられていると思う。
 私のやり方でしか私は出来ないけど、自分のペースで死ぬまでずーっと続けていくと思う。
 そう思えたら、凄く幸せだった。

 私は、自分の人生を通して、生きていく中で自然と音楽と共に育って来た気がします。
 素晴らしい環境に生まれたこと、その全てにはまだお返しすることができていないけれど、この場をお借りして全ての方へ感謝を申し上げたいと思います。

 そして、これからも私らしく生きて行けたらいいなと思っています。


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姉妹で歌っている写真です

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2020年1月12日(日)、東京でのライブが決定しました。
詳細のご確認、ご予約につきましては下記URLよりお願い致します。
http://fjslive.com/2020/01/12/shiro-ha~ha/
【 HA~HA(ハーハ)プロフィール 】
 音楽がすき。自分のタイミングで生まれる歌を時々歌っています。
 自分の人生を通して、人の役にたてることがあったら嬉しいなと思っています。
 HA~HA/Facebook
 https://www.facebook.com/haha.sotto/
 HA~HA/instagram
 https://www.instagram.com/ha_ha.sottoomou88/
 CDアルバム/『sotto』
 https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B012XZUJR8/spaceshower-22/
CDアルバム/『sotto』(全曲ダイジェスト)
『HA〜HAの風のことのは』/Youtube RADIO

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