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このキャラデザがすごい! 2019下半期

今回は2019年下半期で絵描き界隈で流行したキャラクターを筆者の独断で紹介します。上半期はこちら

※この記事に各タイトルのネタバレはありませんが、解説のリンク先はシナリオに触れているものもあるのでご注意ください。Twitterとpixivから公式絵とファンアートを引用してます。

フォーミダブル

初出:2019年9月6日(ツイート)
タイトル:アズールレーン(ゲーム)
デザイン:Yostar
pixiv投稿数:3,398件…「フォーミダブル(アズールレーン)」
キャラクター解説

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全体のデザインを黒でまとめた巨乳キャラ。全体の肌色が凄く多いわけでもなく、あくまでも露出を胸に集中させているのが非常に上手いです。きわめつけはおっぱいに挟むようにのっけられた謎の布ですね。セクシー系キャラだと2019年で一番盛り上がったのではないでしょうか。また「お嬢様ブーム」のようなものもあったので、そういったタイミングも上手くかちあった可能性もあります。

2019年下半期は上半期にいた「夢見りあむ」「ライザ」のような巨乳美少女キャラで目立ったものは少なかったのですが、その中でも存在感を作りました。デザイン的には作画コストが高く、描きにくいはずですが、それでもここまで二次創作が流行るのはすごい。

胸に目が行きがちですが、全身の黒白の統一コーデも単純に美しいですね。

タピオカチャレンジ」や「ネクパイ」など、巨乳が巨乳であるべく成立する仕掛けというのは、デザインとして強いです。

また、原作者さんによる水着のラフ設定も出てきて盛り上がりを見せました。Twitterやpixivではゲーム未実装の水着イラストも多数上がってます。

サイトウ

初出:2019年7月12日(ツイート)
タイトル:ポケットモンスター ソード/シールド(ゲーム)
デザイン:GAME FREAK
pixiv投稿数:3,409件…「サイトウ」
キャラクター解説

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ポケモンはキャラクターを定期的に発表し、上半期もルリナで大きなブームを作りました。来る11月15日にタイトルリリースし、さらに大きな盛り上がりを見せました。その中でもサイトウのデザインは「ショートヘア」、「黒リボン」、「筋肉」、「スポーツウェア」という、とがったモチーフを固めたスパイス強めのデザインになってます。

銀髪ショートカット+黒リボンというのは東方Projectの妖夢のような、ネットユーザーからすると既視感のあるデザインです。ボディの白+黒+オレンジも定番の組み合わせですが、やはり腹筋がモチーフとしては目を惹きます。二次創作では筋肉が強調されたイラストもありますが、公式はもう少しサラッとしてます。

それでも、お腹が引き締まっている感を絶妙なタッチで残しており、黒のウェットスーツ感漂う色気をポケモンというIPで出してきたセンスははんぱないです。

ともすると劇薬使いまくりであざとくなるモチーフなのですが、そこはデザインの力で非常に上手くまとめてます。ボトムスのオレンジのステッチっぽいデザインは空手着のようなイメージもニュアンスとして残しており、かくとうポケモンの使い手という点で見事な落とし所ですね。

マリィ

初出:2019年8月7日(ツイート)
タイトル:ポケットモンスター ソード/シールド(ゲーム)
デザイン:大村祐介
pixiv投稿数:5,803件…「マリィ(トレーナー)」
キャラクター解説

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2019年下半期全体を通して一番の人気があったのは、マリィではないでしょうか。とにかくイラストはもちろん漫画でも大人気のキャラクターでした。デザインはもちろん、「なまりっ子」という設定でも多くの方に刺さってます。

デザインを担当したのは、元ゲームフリークの大村祐介氏。ポケモンはBWのメイ(主人公)、フウロ、カミツレなど多くの人気キャラクターを手がけた天才クリエイターです。

刈り込みやビスのついたジャケット、悪魔感のある髪型、黒のネイルなど、要所要所のデザインがパンクファッションのようでもあり、それとピンクのインナーとの対比が見事。

シルエット映えするキャラクターですね。ポケモンのキャラクターはモバイルゲーム出身ということもあり、細かい装飾が少ないです。その分、キャラの個性を出すために大ぶりのパーツを以下にバランス良く配置するか、デザイナーの器量が問われてます。大きなパーツは誤魔化しが効きにくいので難易度が高いと言えます。

ポケモンは他にも人気キャラクターが多かったのですが、公式で言及していないものに関しては今回は掲載しておりません。

サム・ポーター・ブリッジズ

初出:2017年12月9日(この衣装の初出/たぶん)
タイトル:DEATH STRANDING(ゲーム)
デザイン:新川洋司
pixiv投稿数:665件…「DEATHSTRANDING」
キャラクター解説

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情報は3年前から出てましたが『DEATH STRANDING』はデザイン、設定という意味では革命的なタイトルになったでしょう。主人公であるサムはpixivの投稿件数こそ少ないものの、Twitter二次創作、コスプレでは非常に多くの影響を与えました。

元のデザインはメタルギアシリーズからお馴染み、新川洋司氏が担当してます。サムは配達屋という身分ですが、荒廃した危険な世界を移動する必要があるので山岳装備や工兵のようなスタイルをしてます。若者間で流行しているファッションの要素も取り入れてますね。

メカから小物までとにかく格好いい。ゲーム自体はミニマムで、建物のデザインにバリエーションは少ないのですが、ひとつひとつの完成度が非常に高く、同じであることの「意味」も示されるので世界観にマッチしてます。オドラテグ(背中から生えている花のようなセンサー)とBB(胸についている赤ちゃん)がいるだけで、デススト感が出てくるのはすごい。まさに天才の発想。

設定が素晴らしいので、様々なアレンジが出てきてます。デスストはサムのビジュアル単体というよりも、徹底的に詰められた世界観とそこでのゲーム体験全般が評価されてます。

敵役の演出もこれぞコジプロ!って感じの、サービス満点な格好良さなのですが(やりすぎなくらい)、それくらいリッチにしてもらえるとプレイヤーとしてはテンション上がりますね。

以下、番外編です。
リリース自体が2019年じゃなかったけど、特に今年火が付いたタイトルを紹介します。

鬼滅の刃

連載開始:2016年2月15日
アニメ放映:2019年4月〜9月
原作:吾峠呼世晴
pixiv投稿数:74,247件…「鬼滅の刃」
作品解説

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アニメ大ヒットで単行本の売上が『ワンピース』を超えたという、怪物タイトルに化けました。特に若い女性の間で人気が高まってます。物語が少し進んだときに出てくる「柱」というキャラクター達が二次創作では主人公以上に人気があります。

筆者はアニメ版のみ視聴しましたが、ufotableの品質の高さに度肝を抜きました。もちろん、アニメ化するくらいなので元々ポテンシャルの高い作品だったのでしょうが、戦闘シーンの作画は異常にコストの高い造りになってます。完全にアニメ化で火が付いた作品なので、仕掛けたプロデューサーは本当にすごいなと驚くばかりですね。

総作画監督とキャラクターデザインは松島晃氏。動きはもちろんですが、キャラデザが良すぎますね。EDやアイキャッチのイラストも手がけてます。もう、はんぱなく絵が上手い。キャラの目を直線的に引いたり、アウトライン二重線にしたりとにかく大変すぎることをやりまくっている印象です。

原作でも「目」が設定として重要だということがわかりますが、胡蝶しのぶなど、原作からアニメへの変換が上手い。キャラクターの性格を踏襲しないとこういった配色にはならないはず。

第五人格

配信開始:2018年11月9日
開発元:NeteaseGames
pixiv投稿数:24,323件…「第五人格」
作品解説

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同じく女性界隈に大ヒットしたタイトルが『第五人格』でした。これも女性に人気でTwitterにはあまり投稿されてませんが、pixivでは一大ジャンルです。2018年末にスタートしたタイトルですが、実質2019年の覇権に近いレベルで人気です。

サブカルテイストのクリエイティブで数万クラスの投稿があるのはかなり久しぶりです。二次創作の広がり的にはフリーゲームの『ib(イヴ)』が近い雰囲気があるかもしれません。ホラー系は二次創作でヒットする作品は少ないので、そういう意味でもすごい。

さらに原作がいわゆる鬼ごっこ系ゲームで、類似タイトルとしては後発にあたります。『荒野行動』などにもいえますが、あとから近しいタイトルを出しても開発力で抜き去っている中国企業は本当にパワーがありますね。

IPタイアップなども積極的に行っているようで、シナリオ展開含め広いジャンルで人気があります。pixivでは二次創作漫画の方がイラストよりも人気のようです。

まとめ

2019年下半期は上半期ほどの豊作さはなかったように思います(むしろ上半期が強すぎる)。それでも素晴らしいキャラクターが多く登場したと思います。個人的に年間大賞を決めるならデフォルメ部門で「ポケモン剣盾」、リアル部門で「デススト」、キャラ単体なら非常に甲乙付けがたいですが、「ルリナ」かな、、という所感です。

2020年もすでにFGO方面が盛り上がっていたりしますね。今年もキャラデザまとめを行う予定です。お楽しみに。

楽しい本を書きました▼


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