福生という町で育ってきた⑤社会人

就職で浜松に住み始めた。
浜松は楽器メーカーが多数あり、福生より圧倒的にデカい「音楽の街」だ。

とある同期に強く「ジャズをやろう」と誘われた。初心者向けというので行ってみた。ここで人生初めてのセッションを経験した。
技術もなければジャズスタンダードの曲も知らないから当然だが、初めてはトラウマ級に散々だった。己の無力さと今までの甘さに絶望した。世の中には楽器の上手い人がこんなにいるのかと思った。
でも浜松の人はみんな優しかった。

しかしセッションは自分にとって、とても好きなものであった。言葉でなく音楽で会話する世界の素晴らしさに心を打たれた。
結局、大して上達してない癖に今もよく行っている。

ここ数年で聴いてた音楽のおかげか、ジャズ自体はとても好きだった。Blue Giantじゃないが本当に熱い音楽だ。


2019年頭、ROTH BART BARONが浜松の舘山寺でライブをするという暴挙に出た。前年に出た「HEX」があまりにも名盤で大好きだったこともあり、こんな幸運なことがあるのかと思い向かった。


そこでサポートギターである岡田拓郎さんと、十数年ぶりの再会を果たす。

ライブ後、ついに話すことができた。
少年野球時代のエースだった安住君の事は覚えてたが、音楽室の隅で一人弾いてた自分の事は覚えてなかった。
しかし向こうから写真を撮ろうと言ってくれたり、向こうからどんどん思い出話を振ってくれた。陸上部の顧問の話や、同級生の話、16号沿いのギター屋のお婆さん、、、気づいたら30分くらい話したかもしれない。本当に優しく気さくで良い人だった。

そしてそこで初めて、福生チキンシャックの存在を教えてもらった。

また、その流れで君島大空という名前を教えてもらった。
その年の豪雨のフジロックルーキアゴーゴーを観に行った。忘れもしない。
今の合奏形態である、Gt. 西田修大(ex. 吉田ヨウヘイgroup), Ba. 新井和輝(king gnu他), Dr. 石若駿。あまりにもルーキーではなさすぎる。
そして、今まで出会ったアーティストが、自分の中で少しずつ繋がり始めたのもこの時期からだった。

君島大空のその後の大躍進も、みなさんご存知の通り。


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