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【インタビュー】夫・庵野秀明の「不思議な行動」と才能 安野モヨコは漫画で描く

2021年12月に「朝日新聞デジタル」に掲載された安野モヨコのインタビューをnoteに再掲載いたします。インタビューの内容は掲載当時のものになります。2022年6月現在、『庵野秀明展』は大阪展を開催中です。(スタッフ)

文=木村尚貴

アニメ「エヴァンゲリオン」シリーズや、実写映画「シン・ゴジラ」などの監督/総監督で知られる庵野秀明さん。
過去最大の個展が東京・六本木の国立新美術館で開催中で、入場者は約10万人を数え人気を集めている。
2002年に庵野さんと結婚し、最も身近な存在としてその仕事ぶりや生活を見つめてきた、妻で漫画家の安野モヨコさんに、話を聞いた。


 ―庵野さんの仕事ぶりは、どのようにご覧になってきましたか

 カントク(=庵野さん)は、仕事のついでに生きているというほど仕事に夢中で、余暇を楽しむという発想は、私が提案しない限りなかったですね。
積極性が生まれるのは仕事の時だけで、それ以外ではエネルギーを蓄電しているような感じです。

ウェブサイト「EVANGELION STORE オンライン」に掲載された「シン・監督不行届」の一コマ。モヨコさんこと「ロンパース」が、カントクの日常を報告する

 ―お二人で出かけた時でも、庵野さんは出先で仕事に関係するような行動に出るとか

 2人で旅行に行っても、カントクは「ちょっと待ってて」ってスマホで撮りだすんです。
里山の風景とか、朽ちているセメント工場とか、解体中のビルの工事現場とか電柱とか、「エヴァ」の戦闘シーンに出てくるような風景とか……。
完全に仕事の一環ですね。

安野モヨコさんが捉えた、撮影する庵野秀明さんの姿

お互いが写っている思い出の写真みたいなものはほとんどなくて、風景写真ばかりなんですよ。
それで、ある時から撮影をしているカントクの姿が面白いなと思って撮り始めて、かなりの数になりました。

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安野モヨコ&庵野秀明夫婦のディープな日常を綴ったエッセイ漫画「監督不行届」の文章版である『還暦不行届』の、現在連載中のマンガ「後ハッピーマ…

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