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早稲田卒のエリート犬と日東駒専卒の野良犬。

読了。

 先日、若林正恭さんが著した「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」を読了しました。
 若林さん本人は、「愚著」とおっしゃっていましたが、決してそんなことはありません!
 最初に言っておきます。私は、オードリーさんが大好きです。
 しかし、この著書は、オードリー若林正恭としてはもちろん、1人の自分について考えすぎてしまう男の旅行記として見ることができます。

新自由主義
 

僕も著者の言う通り、人とくに日本人は競争が好きだと日々感じています。それきっと優勝劣敗、弱肉強食の新自由主義というシステムの中で勝者が受ける恩恵が絶大なものだからだと思うのです。一方僕は、競争をしたら途中で疲れたと言って歩き出すタイプ。周りからは「根性ないな」とか「情けない」とか言われたり思われたり(間違いではない)。昔は、競争しろと言われれば人を出し抜いてでもそれなりの順位に着こうとしました。(性格が悪いだけなのか)。でも今は人を出し抜くことにも嫌気が差し「もう競争なんてしたくない」と思う日々です。受験、就活という人生のメインレースを終えた後でも業績や地位というレースが行われるのが新自由主義、とくに日本社会のシステムでは...

この本を読んで

この本を読んでキューバという社会主義国家のシステムや文化に興味を持てたと共に、競争やスマホがない本来の人と人のコミニケーションを見てみたくなりました。あの人がどこの会社に勤めて、あの人は今こんなポジションで、など著者も書かれている通りあの人、あの人...の連続。この国は他の人を良い意味でも悪い意味でもあれこれ言っているのです(自分も含めて)。あの人が元気でやってればそれでいいやって思えるような会話ができればいいなと思いました。
 

リモート飲み会

 僕も著者のように、何か疑問を抱いては車のボンネットを開けるが如く立ち止まってしまいます。どんなに同じスピードで道を走れたら楽なのだろうかと思います。
 コロナ禍の中で、新入社員として社会に歩み出した友人たちとテレビ電話した際、1人が辛いというと、他の誰かが会話を奪うかのように、俺、私の方が辛いと、誰れが1番辛いか自慢が始まりました。僕は、個々の会社や業務、人間関係で辛い事なんて違うんじゃないの?と思ってしまいました。そんな会話しかしないリモート飲み会がつまらなくなった僕はリモート飲み会中に和風きのこパスタを作っていました。少しでもバカやってないとフリーターという自分の立場が恥ずかしくなってくるからです。その後僕は、リモート飲み会には参加しなくなっていました。どんなに辛い話をされても「それは人それぞれだから」という答えが僕の中で出てしまっているから。


 

僕の尊敬する同級生

 僕の高校の頃の友人は早稲田に進学し、新卒でアウディを買ってたくらいだから、おそらく良いところに就職しました。その人は自分の考えや芯がありました。自分の考えと違ったらNo!と言い周りに流されないで自分に自信があるように見えました。僕はそんな彼をとても尊敬しています。そして、この本を見て思ってたのです。そもそもキューバには、学歴なんてないだろうし、人と比較するなんて事もないんじゃないか。僕もフェアな立場で相手に気を使わず意見を言えるのではないかと。


でもそれは難しい

 日本の教育では、「個性、個性」と言いますが、日本のシステムはそんな個性が生き辛さに繋がる場合もあるのです。それはきっと新自由主義社会の「比較」が個性に優劣をつけてしまっているから。「空気」が異物を取り除こうとしているから。
 今まで社会科などの授業を受けてきて、社会主義は古い、独裁的など偏見を持っていましたが、この本に出会えて新自由主義社会は人に目がいってしまうけど、この本を読んで僕は、キューバや著書から「自分について考えても、車のボンネットを開けて止まってもいいんだよ」と言われているような気がしてとても心が安らかになりました。

最後に...


若林さんこれからもあなたの感性で本を書き続けてほしいです。貴方の本は、僕の心の処方箋です。

                  灰色の国



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