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「お気に入り」を使ってみる

目にした瞬間、「これだ!」と思った。

お風呂掃除用の洗剤を買わないといけなかった。最近は、環境にやさしい商品を選んで買うようにしているから、そういう類のものがないかな〜と思いながらサイトをあちこち訪れていた。もちろん、探すといろんな種類のものがあるんだけれど、いまいち決め手にかける。また明日仕切り直しかな…とサイトを離れようとすると、それは私の目の前にやってきた。

"Boy's bathroom"

うん、名前からしてセンスを感じる。なんでも、この商品を開発した方の息子さんたちが、名前の由来に絡んでいるみたい。

サイトに載っている写真のボトルも、すごくおしゃれ。これがお風呂用洗剤?ルームフレグランスか何かじゃないの?って半ば疑ってしまった。(もちろん、ちゃんとバスルーム用)

気づけば、購入ボタンをポチッとしてしまっていた。洗剤にしては少しお高めだったけれど、そんなの気にしなかった。

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まるで友達からの誕生日プレゼントを待っているかのように、私は商品の到着をワクワクしながら待っていた。

3日後、オンラインのミーティング時に「ピンポーン」という音。「来たー!」と私は大きく飛び跳ねた、心の中で。

ミーティングを少しだけ抜け出させてもらって、私は小さな段ボール箱を受け取った。今すぐにでも開けたい衝動と数秒間戦った後、頭の上で悪魔さんと口論していた天使さんに説得されて、ミーティングへ戻った。

1時間後。とうとうこの瞬間がきた。まるでラブレターでも開封するかのように、箱をおそるおそる開けてみると、写真で見た通りのボトルがそこに寝っ転がっていた。もうすでにかわいい。

いつもは面倒臭くて後回しにしてしまっているお風呂掃除を、この日は苦に感じることなくすることができた。

なぜか?まず、香りがすてきなのだ。柑橘系だけどちょっと甘い。シュッとするたびに、お風呂が明るくなっていくような感覚にさせてくれるのだ。

次に、ボトルのデザイン。茶色っぽいスプレー型のデザインは、それだけで私のお風呂場をおしゃれに見せてくれた。湯船のフタすらない、ザ・がつくほど簡素な私のお風呂場を、だ。「ラグジュアリー」なんて言葉をこの時に実感した。

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使うものがちょっと違うだけで、心持ちもずいぶん変わるものだ。今までの私は、お風呂掃除をしょっちゅうサボっていた。使うのは私だけだし、今日はいいや〜なんて言ってほったらかして、いざ友人が泊まりに来たときに一人で大恥をかく始末。なんてこったい。

でも、"Boy's bathroom"が私の家に(正確にはバスルームに)来てから、私は2日に1回はお風呂掃除をするようになった。(それでも少ない方だ、と言われてしまいそうだが、個人的にはギネス世界記録に載ってもいいぐらいのレベルなのだ)

スプレーを吹きかけるたびに広がるあの魅惑の香りに虜になってしまい、使わずにはいられない。

別段、この商品の宣伝をしたいわけではなくて、

「普段使うものを自分のお気にいりにすれば、それを使うという行動を楽しみながらできる」

と言うことに気づいたので、書いてみたのである。

きっと今度友人が来たら、真っ先に「とりあえずお風呂入ってきたら?」なんて言ってしまいそうだ。

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