見出し画像

シナトラ研究-2: 二階堂尚さんのシナトラ5篇 in ARBAN

次に二階堂尚(にかいどう しょう)さんのシナトラについてARBANというオンラインメディアに執筆された5篇を読む。さすがプロのライター、どれも読み応えある。特にスタンダード化 (Vol.38) とシナトラとブラジルとボサノバの関係 (Vol.42)を綴った記事が勉強になった。さらに、Vol.40で、シシリア系イタリア人の父、米軍兵士出兵の主要港だったシナトラの故郷ホーボーケン、禁酒法(1920-1933) などの要因によって、いかにシナトラの育った環境に自然にマフィアが存在していたかを知り、シナトラに対する理解が深まった。おすすめ!

二階堂 尚/にかいどう しょう
1971年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、フリーライターとなる。現在は、ジャズを中心とした音楽コラムや、さまざまなジャンルのインタビュー記事を手がけている。本サイトにて「ライブ・アルバムで聴くモントルー・ジャズ・フェステイバル」を連載中。


はじめに

二階堂尚さんのシナトラの連載記事を最後まで読んだ後、Vol. 42の最後のメッセージ (下に抜粋させていただく)に目を通すと、本当に腑に落ちる。

シナトラはレコーディング中にジョビンからボサ・ノヴァの歌い方をアドバイスされ、それに律儀に従った。「最後にこんな小さな声で歌ったのは、扁桃腺が腫れた時だったな」と言って彼は笑った。この歌 (最後のアルバムに収録)を歌ったとき、彼の心に去来したのはどんな「人々」のどんな「顔」だっただろうか。数えきれないほどの女性たち、凶悪なギャングたち、政治家、家族、ミュージシャン、俳優、プロデューサー、生まれ故郷の人々──。この世の陰陽両界の者たちをときに友とし、ときに敵とした一人のシシリアンは、誇り高きエンターテイナーの地位を死ぬまで守り続けた。一人生においてアウトローと大スターという2つの生を同時に生きた、まことに稀有な人物であった。~二階堂尚

https://www.arban-mag.com/article/75503

「ザ・ヴォイス」と呼ばれた男がジャズにもたらしたもの─フランク・シナトラの曲はなぜ「スタンダード化」したのか【ヒップの誕生】Vol.38●2022.07.05

ジャズスタンダード化をうまく説明してくれている秀逸記事

『ゴッドファーザー』で描かれたシナトラの虚構と真実【ヒップの誕生】Vol.39●2022.08.02

シナトラの陰の部分
この記事も読み応えある! ところで、このARBAN とはきっとジャズ通に知られたメディアなのだろう。そういう香りが漂ってくる。

「200人を殺した男」とフランク・シナトラ─J・F・ケネディの大統領就任を実現させた2人のシシリアン【ヒップの誕生】Vol.40●2022.09.06

マフィア、ギャング、シンジケートの定義。どのようにマフィアがシナトラの人生の中に自然に存在していたかを二階堂さんはとても丁寧に説明してくれている。

シナトラ、ケネディ、モンロー、ジアンカーナ──セレブリティたちの闇のネットワーク【ヒップの誕生】Vol.41● 2022.10.04

「ボサ・ノヴァの神」としてのフランク・シナトラ【ヒップの誕生】Vol.42 ●2022.11.01

シナトラのブラジル人気
ボサノバの普及にシナトラが貢献したこと
トム・ジョビンとの共作
知らないことばかり!

シナトラ研究 資料


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?